湘南は前節、18位・横浜FCとの“裏天王山”を1-0で制し、J1残留が確定。順位を15位に上げた。今節は表現を選ばずに言えば、消化試合になる。そうだとしても、山口 智監督の下で積み上げたものを発揮して勝利で締めくくることで、苦しんだ今季を少しでもポジティブなイメージにできるはずだ。
「準備の仕方は同じようにしてきて、選手が良い理解をして、よく表現してくれた」。横浜FC戦後、山口監督はそう言って選手たちを称えていた。
15戦勝ちなしという長く、先の見えないトンネルをさまよったこともあったが、まったくブレることのない指揮官の下、取り組んできたことが形になってきた。集大成でもある今節は、湘南のサッカーをピッチでどれだけ表現できるか。
対するFC東京は前節、ホームで札幌と対戦。41分、相手陣でボールを奪うと、アダイウトンからの落としをディエゴ オリヴェイラが左足で流し込み、先制に成功した。良い形でハーフタイムを迎えたが、51分に同点ゴールを許すと、直後の57分にも得点を決められ、一気に状況が変わってしまう。選手交代をしながら流れを取り戻そうとしたが、状況は変わらず、アディショナルタイムに突入。前がかりになり、GK野澤 大志ブランドンも高いポジションを取っていたところを見逃さなかった札幌の大森 真吾に、ハーフウェーラインを越えたあたりからロングシュートを沈められた。1-3で敗れたFC東京はこれで4試合勝ちなし。直近5試合で4勝1分と好調の湘南とは対照的な形で最終節に臨むことになる。
ただ、試合を終えてピーター クラモフスキー監督はこう話していた。「自分たちのほうが多くチャンスを作る場面もあり、もう少しでゴールを決められそうな場面を作れていた」。チャンスをモノにできず、流れを取り戻せなかったものの、その前段階までは構築できていた。あとはいかに仕留めるか。
今節、注目したい男がいる。それは湘南の27番・池田 昌生だ。FC東京と公式戦で四度対戦した昨季、3試合でゴールを決めている、まさに“トーキョー・キラー”。しかも、鮮やかなミドルシュートやループシュートなどさまざまな形からネットを揺らしている。2列目からどんな攻撃を仕掛けるかが楽しみだ。
しかし、池田は今季ここまでノーゴール。3月に右肩関節脱臼という大ケガを負い、約5カ月もの間、公式戦から遠のいていた。だが、復帰してからは湘南の右サイドを活性化。前節は相手GKがはじいたシュートのこぼれ球を大岩 一貴が詰めて、それが決勝点に。さかのぼると最初のシュートを放ったのは、池田だった。
今節は直接、勝負を決める一撃を沈められるか。チームのために攻守で奔走し、大仕事までやってのける池田のプレーは必見だ。
[ 文:舞野 隼大 ]
