広島は直近のリーグ戦2試合を1-1で引き分けた。アウェイで先制を許す難しい展開の中で負けない強さを見せたが、チャンスの数やシュートの数に得点数が見合わないフラストレーションも覚えた。広島は神戸、FC東京と並んで得点数がリーグで最も多く、贅沢な悩みなのかもしれないが、決定力の向上はこれからタイトル争いに加わっていくためには欠かせない要素になる。
もっとも、向上の兆しは見えている。24日のJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦は奈良に6-0で勝利。今季初出場のベテラン・柏 好文の得点で均衡を破ると、後半開始早々に大橋 祐紀と満田 誠のゴールで突き放した。ストライカーがきっちりと得点を挙げたことは明るい材料だ。さらにはケガで離脱していたマルコス ジュニオールとピエロス ソティリウがピッチに戻り、さっそく非凡な攻撃力を示しながら得点を挙げた。
ミヒャエル スキッベ監督も2人の復帰を喜び、「マルコス ジュニオールについては、そのクリエイティブさでパスもできて、シュートを決めることもできるところを見せてくれました。ピエロス ソティリウは典型的な素晴らしいストライカーであることを見せてくれたと感じています」とコメントしている。
今節もマルコス ジュニオールとピエロス ソティリウはベンチスタートが濃厚。広島は頼もしい切り札を持って試合を進めていけることになる。
川崎Fはなかなか得点力向上の兆しが見えない状況だ。前節・東京V戦はエリソンと山田 新の2トップでスタートしたが、鬼木 達監督はどんな形でゴールをこじ開けていくのか。
東京V戦後に鬼木監督は「攻撃と守備で分けて考えてはいけない。後ろの安定も必要だとは思っています」と言い、「安定感を持ちながら攻撃することでより前にパワーを持って出ていけると思います。少し後ろ髪を引かれながらということもあると思いますが、チームとして安定したボールの動かし方とか、前進できることで押し込むことになると思います。奥まで行けば思い切ってプレーしていると思いますので、そこのところが1つ重要だと思います」とコメントしている。
広島のスピーディーな攻撃やマンツーマンでプレスを掛ける強度に対抗しながら、どれだけアタッキングエリアにボールを運ぶ回数を増やせるかがポイントになりそうだ。
今節もチケットは完売しているEピース。最高の舞台が整う中で、ファン・サポーターに歓喜を届けるアタッカーの出現に期待してキックオフの笛を待ちたい。
[ 文:寺田 弘幸 ]
