その中で前節・名古屋戦では、小野瀬 康介が今季初ゴールを決めるという明るい要素もあった。昨秋に負傷して以来、復帰しては接触した際に別の箇所を痛めるなど満足にプレーできすにいた。だが、12日の天皇杯2回戦・甲南大戦で今季公式戦初先発を飾り83分までプレーすると、そこから中3日で行われた名古屋戦ではフル出場を果たした。
出場したポジションは、2戦とも左ウイングバック。小野瀬にとってなじみのないポジションだった。それでも、「やってみないと分からないですけど、なんとかします」という言葉どおり、クオリティーの高い右足が内側(ゴール方向)を向く格好となり、天皇杯では先制点を呼び込むミドルシュートを放ち、名古屋戦ではカットインからサイドネットに突き刺すゴールを決めてみせ、“完全復活”を印象づけた。ここから浮上していきたい湘南にとって、小野瀬の活躍はポジティブな要素になることだろう。
「点を取った次の試合なので、(ゴールを決める)イメージはもちろんできているし、体もゲームをできる体になっています。ここからまた連戦になるので、全部出るつもりで良い準備を繰り返すだけ」と小野瀬自身も気合いは十分なようだ。
そんな湘南がホームに迎えるのは、FC東京だ。前節・磐田戦は21分に先制を許したが、84分にセットプレーから安斎 颯馬がプロ初ゴールを決め、1-1のドロー決着。試合後、安斎は「前線で試合に出ながら結果が残せていなくて、自分に集まる批判も理解していました。自分自身すごく考えるものがありましたけど、やっぱり本当にピッチでしかはね返すことはできないですし、1つこういった形で取れたのは良かった」と得点について冷静に語り、「決して数字としては満足できるものではない。1週空いてまた連戦が続くので、そこでもう1つ結果を残せるように準備していきたい」と満足せずに次を見据えている。
試合内容としては、前半は流れの中でチャンスを作り切れず、ポゼッションでも相手に劣ることが多かった。ボランチの高 宇洋は「前半は本当にひどい試合をした」と振り返る。ただ、後半については「点を取りにいくしかなかったので、そこで前へ前へと常に意識しながら、交代選手を含めて推進力は出せた」(高)と違った試合になったことを強調する。
U-23日本代表組の荒木 遼太郎と松木 玖生が56分に入った影響も小さくなく、「セカンドボールを拾ってタロウ(荒木)や玖生につけていくことは意識していたので、そこからの攻撃は良い形ができていた」と高は手ごたえを語る。
湘南でも田中 聡、先日全体練習に復帰したばかりの畑 大雅らが、7月3日に発表されるパリ五輪代表メンバー入りを狙っている。アピールの機会が限られてくる中、若い彼らがどう躍動するかにも注目が集まる。
[ 文:舞野 隼大 ]
