3連戦の最終戦を迎える川崎Fは連戦での連続引き分けを含め、ここ3試合は勝利できていない。ただ、新潟、湘南と対戦した直近2試合は先制することができており、相手を圧倒する時間帯も長い。その時間帯に2点目を取れないこと、主導権を渡さずとも相手が力を出してくる時間帯に耐えられないことが勝利から遠ざかっている要因ではある。しかし、鬼木 達監督は「いろいろな意味で主導権をとる時間が少しずつ長くなってきたり、我慢する時間が短くて済むようになってきたり、選手の成長を感じる」とポジティブに捉えている。
そして鬼木監督は広島について、連戦の最中であるため27日昼時点で「まだ多くの試合を見ることはできていない」と前置きしながらも、「印象はずっと変わらず、カウンターとクロスの強みは昨年からずっとあるし、ミドルシュートも含めて、いろいろなエリアからの攻撃が多彩。どこか1つ止められればいいというチームではない」と評価。その上で、「自分たちがどれだけ攻守で主導権を握れるかが一番重要」だとした。
当然、川崎Fは相手の攻撃を耐えて一発を狙うようなチームではない。主導権を握ることで自分たちの攻撃の時間、チャンスを増やすだけではなく、相手の多彩な攻撃を封じる以前に出させない。それが川崎Fの大きな意味での狙いになる。相手のスタイルによって生まれる試合の性質、展開はここ2試合よりも、敗れた明治安田J1第18節・神戸戦に近くなることが予想されるが、その中でここ2試合で成長した力を発揮し、上位に対しても主導権を握り、そして勝利する姿をホームで見せられるか。
また、この試合は『川崎市制100周年記念試合』として開催される。鬼木監督は27日のミーティングで選手たちに「いろいろな方々から支えられて、こういう仕事ができている」と伝えたという。地域に密着して歩んできた川崎Fはそのことをほかのクラブ以上に感じていることだろうが、指揮官は「だからこそ次のゲームでしっかりと自分たちらしさで戦って、勝利する姿を見せたいし、選手とスタッフとサポーターが喜び合える姿を見せて川崎市に貢献したい」と力を込めた。
一方の広島もここ3試合で1勝1分1敗と五分の成績だが、二度のリードを守れずに敗れた第13節・横浜FM戦のあと、前々節・柏戦(1○0)、前節・新潟戦(1△1)と守備陣を中心にチーム全体で耐え、勝点を重ねている。ケガ人や中心選手の移籍などチーム事情に苦しさはあるが、復調傾向にあることは間違いない。
新潟戦では最終的に勝利するためのゴールが足りなかった。チーム全体で強度高くタフに戦いながら、ゴールを決める役割をケガから復調してきたドウグラス ヴィエイラ、マルコス ジュニオール、ここ3試合で2ゴールを決めている大橋 祐紀が担うことができるか。
4月のエディオンピースウイング広島での戦いは2-2の引き分けに終わったものの、両チームが力を出した好ゲームとなった。結果や状況はそれぞれあれど、当時よりも戦術的な深度を増したいま、6月の最後にさらなる好ゲームが期待される。
[ 文:菊地 正典 ]


