横浜FMは直近の第21節、東京Vとホームで“オリジナル10”同士の一戦に臨んだ。前半は東京Vのソリッドなブロックを崩せず、逆にセットプレーとカウンターから2失点。その後、ダブルボランチへのシステム変更を機に息を吹き返し、アディショナルタイムに宮市 亮の今季2ゴール目で1点を返す。前半から一転し、後半はボール支配を強めるも、肝心のゴールには届かず。今季三度目となる連敗を喫した。
東京V戦では今季の課題であるビルドアップの拙さが顕著に表れた。スタートとなるCBやGKの工夫がなく、アンカーの喜田 拓也がマンツーマンで消されると、停滞してしまう時間が続いた。40分前にダブルボランチに変更することで流動性が担保され、アンカーシステム時の課題は解消されたものの、根本的な解決には至っていない。天野 純はこう振り返る。
「なかなか後ろで余裕を持ってボールを回すことができず、優位性を持って前に渡せていない。途中から[4-2-3-1]に変えて、余裕を持って前の選手に受け渡せたし、流動性も出た。うまくいかなければ自分たちで変えてもいいし、[4-1-4-1]のほうが良い相手もいるので、状況を見ながら2つのシステムを使い分けていければいい」 その意味では、今節の相手である鳥栖は[4-2-3-1]を基本布陣としているため、アンカーシステム時の横浜FMと中盤の立ち位置がかみ合う格好となり、また横浜FMの最近の戦い方を分析して前線からハメてくる可能性はある。システム変更以前に、流動性を高め、どこにスペースが生まれるかを試合中に判断し、状況に合わせて対応する柔軟性がポイントとなる。
対する鳥栖は直近の第21節、ホームで柏と対戦。前半にマルセロ ヒアンが先制点を奪うも、後半にPKで追いつかれると、そこから計4失点し、手痛い逆転負けを喫した。攻守のバランスが課題の中、川井 健太監督は「前半はうまく守れていたが、攻撃に振ると少し何かが足りなくなり、守備に振ると攻撃に何かが足りなくなる。このバランスの最適解が見つかっていない」と苦悩を吐露する。
今回の相手の横浜FMはハイラインを敷き、守備が安定していないだけにチャンスは作れるはず。その一方、アタッカー陣は強力なため、守備をおろそかにはできない。いかに攻守の均衡を保ちつつ、ゲームを進められるかがカギとなる。
あとは人選か。中2日のアウェイゲームとあって、川井監督の決断にも注目。たとえメンバーが替わったとしても、柏戦でチームとしての課題だった失点を機に崩れてしまう悪癖を克服できれば、連敗ストップに近づきそうだ。
[ 文:大林 洋平 ]
