鹿島はこの中断期間でイングランド・プレミアリーグに所属するブライトンと対戦した。三笘 薫を擁する強豪相手に前半こそ1失点に抑えたものの、後半に大量4失点を喫し、1-5の大敗。普段は味わえないレベルの違いに選手たちも良い経験になったことを口にしていた。鳥栖もスペインのセビージャと対戦する予定だったが、こちらは開催中止に。残念ではあるが、試合がない期間を利用してチームの戦いをアップデートしてきたことだろう。どちらにとっても有意義な時間になったはずだ。
鹿島は三竿 健斗が1年半ぶりに復帰。ブライトン戦でもボランチの一角で先発し、柴崎 岳とコンビを組んだ。今節はボランチの知念 慶が出場停止というタイミングでもあるため、その穴を埋める選手としてこれ以上ない適役と言えるだろう。球際の強さやクレバーなプレーはもちろん、声を出して周りを鼓舞できるところは、チームの中で貴重な存在だ。攻撃面では、垣田 裕暉に続き、松村 優太、土居 聖真がチームを離れただけに、ブライトン戦で唯一のゴールを決めた高校3年生の徳田 誉に注目。三竿とともに勢いをもたらし、逆転優勝に向けた起爆剤となることが期待されている。
鳥栖もチーム編成の面で大きな動きがあった。ボランチの菊地 泰智が名古屋、同じくボランチの手塚 康平が柏、そして今季は左SBを務めることも多かったアタッカーの長沼 洋一が浦和へそれぞれ移籍。代わりにC大阪より元日本代表の清武 弘嗣が、藤枝より西矢 健人が加入した。現在、降格圏にいる鳥栖にとって、そうした新戦力がどんなパフォーマンスを見せるかが残留に向けて大きなカギを握る。
前半戦での両者の対戦では、鳥栖が見事な試合運びを見せて4-2の勝利。濃野 公人のゴールで鹿島が先制したものの、河原 創とマルセロ ヒアンのゴールで前半のうちに逆転した鳥栖は、後半に2点を追加し、鈴木 優磨の得点で追いすがる鹿島を突き放した。鹿島としては相手の本拠地まで赴いたJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦で八戸と延長戦まで戦ったあと、中2日で鳥栖とのアウェイ戦という厳しい日程だったが、それでもやるべきことができない悔しい試合だった。
それは選手たちも分かっている。
「同じシーズンで(2回は)負けられないし、ホームなので勝たないといけないと思っています」 そう意識するのは関川 郁万。長いボールとサイドからのクロスを武器に戦ってくる鳥栖に対し、鹿島はCBやボランチの三竿の対応が後手に回ると苦しくなる。相手の攻撃を受けるだけでなく、積極的に前に出る姿勢も必要だろう。暑さの中でもそのクオリティーを出せたチームが勝機を得るはずだ。
[ 文:田中 滋 ]

