残留争いを強いられている18位の磐田は前節、16位・柏との直接対決を制し、消化試合が1ゲーム少ない中で残留圏まで勝点1差に接近。苦しい時期が続いていたチームとしては、9月最初に風向きを変える大きな勝利となった。
柏戦では夏の新戦力・渡邉 りょうが加入後初ゴールをマーク。また、ケガに苦しんできた中村 駿も1ゴール1アシストの活躍を見せ、チームを勢いづかせる存在となり始めている。さらに守備面では、チーム全体で柏対策の守備を90分間続けて、9試合ぶりのクリーンシートをマーク。横内 昭展監督は、試合前から柏の左サイドを抑えることを「最大のポイント」と見据えていた中で、「右サイドの選手たちが本当によく抑えてくれていた」ことが無失点の要因の1つとなったと語った。
そのゲームプランをチームで90分間継続し、最後まで無失点で逃げ切れた背景には、1対1の局面に食らいついた選手たちの頑張りも大きかった。「その局面で一人ひとりが責任を持ってやれるかというところを柏戦では本当によく出してくれた」(横内監督)。ただ、指揮官は継続を求めている。「柏戦では出せたのかもしれませんけど、まだ足りないです。次のゲームでも同じようにできるかを試されていると思っている」。この勝利を次につなげられてこそ、さらに大きな意味を持つ。今季は連勝が一度のみと、良い時期を継続できないことによって苦しんできた背景もあるだけに、ここでしっかりと連勝を収めて自信を深めたいところだ。
局面のバトルは、福岡戦の大きなポイントになる。福岡はウェリントンやシャハブ ザヘディといった高さとパワーのある前線の強みを最大限生かし、クロスやロングボールなど空中戦でのバトルを増やしてくることが予想される。その中でまずは1対1で最終ラインがタフにはじき返していけるかが、相手の強みを出させない上でのポイントになるのは間違いない。
もう1つは、空中戦のバトルのあとにあるセカンドボールの攻防でいかにマイボールにできるか。移籍後初めて古巣戦に臨む中村は、「セカンドボールや球際のところは相手のストロングだけど、そこで上回れれば自分たちの時間、リズムが出てきてゴール前まで行けるシーンを増やせると思う。その一つひとつの積み重ねを大事にしながら戦いたい」と見据えている。
一方の福岡はここ9試合勝ちなしと苦しんでいる。また、この間に無失点がない状況。このような状況を打破するという意味では、欠場が続いていたドウグラス グローリが前節・町田戦で復帰したことは好材料だ。再び堅守を取り戻せるか、現状打破のためにまずは無失点に執着心を持ちたい。
4月に行われた前回対戦では、磐田がジャーメイン 良の2ゴールで先行したが、福岡がシャハブ ザヘディの2ゴールで追いつき、ドロー決着。約5カ月のときを経て迎える再戦では、白黒つく結果となるか――。歓喜をつかむべく、互いの意地と意地がぶつかり合う。
[ 文:森 亮太 ]
