「天皇杯で優勝を逃してしまったので、なんとか4位に入ってACL2(AFCチャンピオンズリーグ2)には行きたいと思っている」(※2024-25シーズンのACLEおよびACL2の結果によって出場の可否と大会の割り当てが確定する) 中谷 進之介はG大阪が持つモチベーションをこう語った。
得失点差の関係で現実的に3位の町田を追い抜くことは難しい立ち位置なだけに、ミッションは4位堅持。それに加えて、ホームスタジアムを埋めるサポーターの前で広島の優勝セレモニーを見せるわけにはいかないというプライドも、チームを後押しする。
一方、首位・神戸を勝点1差で追う広島にとっては逆転優勝を目指す大一番。ACL2グループE第6節・東方(香港)戦では今季限りで現役を引退する青山 敏弘が貴重な同点ゴールを叩き出し、4-1で逆転勝ちを飾っている。「この結果を次のガンバ戦につなげて、また良いサッカーをやりたい」とミヒャエル スキッベ監督は語っており、青山の現役ラストマッチで逆転優勝を成し遂げたいという思いがチームを熱く駆り立てるはずだ。
ピッチ内の戦いに目を向けると、互いに明確な武器を持っている。
G大阪は前節・新潟戦で完封勝利。無失点は実に11試合ぶりではあったが、リーグ2番目の失点の少なさが表しているように堅守が武器。エースの宇佐美 貴史が右ハムストリング肉離れで不在となるだけに、まずは粘り強い守備から勝機をうかがいたい。今季の明治安田J1で最多得点を誇る広島の攻撃陣をいかに封じるかが勝利への道筋になるだろう。
広島は前節、札幌を相手に5-1で圧勝。ピエロス ソティリウが2得点を記録したほか、トルガイ アルスランもゴールを決めているが、決して助っ人に頼るだけのチームではない。「点を早く取ることによって少しでも神戸に圧を掛けたいと思っているし、良いゲームをするために点を取りたい」とミヒャエル スキッベ監督は力を込める。明確なスタイルをチームに落とし込んでいる両外国籍監督による頭脳戦、駆け引きも試合の行方を左右しそうだ。
G大阪は今季、プレシーズンマッチでの対戦を含めて広島とは三度対戦しているが、2勝1分で負け知らず。ただ、中谷は「今年対戦した相手では確実に広島が一番強かったと思っている。非常に攻撃に力があるので、そこを相手にしっかりと守りたい」と力を込めた。また、「真っ向勝負で戦いたい」と力強く言い切った。
G大阪は4連勝でシーズンを締めくくり、来季のアジアの戦いへの夢を追う。広島は逆転優勝だけを目標にピッチに立つ。
さまざまな思惑や人間模様が交錯するのが最終節。パナスタで待つドラマは、果たして――。
[ 文:下薗 昌記 ]
