ホームの横浜FCは前節、首位の京都に敗れ、これで3試合未勝利となった。試合内容としては、強度の高いハイプレスを持ち味とする相手に対して受け身になることなくゲームを運び、15分を迎えるまでは京都を自陣に進入させず。ややギクシャクしていた前線のルキアン、山田 康太、鈴木 武蔵によるプレスの連動性と、中盤に生まれていたスペースの管理を整理し直し、相手陣内でボールを奪う回数を増やして“良い守備から良い攻撃”への流れを作っていた。
ところが15分、8ゴールを挙げてJ1得点ランキング1位タイに立つラファエル エリアスが右サイドでボールを受けにいった瞬間、守備の目線と立ち位置が一点に集中。ラファエル エリアスとともに警戒すべき選手の1人だった原 大智をフリーにしてダブルボランチの背後を取られたところからフィニッシュに持ち込まれ、先制点を許した。より痛手となったのは、2失点目。1失点目と同様にボランチが空けたスペースに入られたところから喫してしまった。堅守を売りにするチームとして「軽過ぎた」、「失点のタイミングも時間帯も悪過ぎた」と、試合後の選手たちからは自分たちの“甘さ”と、相手との“勝負強さ”において差を感じさせる言葉がこぼれた。
ただ、下を向く暇はなく、中3日で2位につける鹿島との対戦を迎える。「自分たちの集中力の問題」(四方田 修平監督)で防げる失点を回避し、福森 晃斗のクロスを活用した攻撃の回数と質を高め、これまで“勝負強さ”を売りに数々のタイトルを獲得してきたチームを上回りたい。
対する鹿島は今季、クラブOBの鬼木 達氏を新たな指揮官に迎えてスタート。個の対人の強さは継続しつつ、パスワークの質の向上にも取り組みながら、勝点を積み上げている。
懸念点としてはケガ人が頻発していること。3連敗で迎えた前々節・岡山戦からは、ラファエル エリアスと同じく8ゴールを挙げているレオ セアラが欠場中。それでも岡山戦は2-1、前節・名古屋戦は1-0と今季二度目の連勝に持ち込んでいる。
難しい台所事情が続く中、攻守で存在感を発揮しているのは、今季FC東京への期限付き移籍から復帰した荒木 遼太郎。荒木 遼太郎について、横浜FCのDF福森 晃斗は「常に捕まえづらいポジションを取るし、鈴木 優磨選手の周りを動き回られたら、マークもズレやすくなるのですごく厄介。チームとしても守りづらく、苦手なタイプの選手だと思う」と警戒心を強めている。その言葉のとおり、荒木 遼太郎がどれだけ横浜FCの整備された守備を揺り動かせるかが、試合を優位に進めるためのカギとなるだろう。
連続未勝利を『3』で止めたい横浜FCと、連勝を『3』に伸ばして勢いをつけたい鹿島。状況は違えど、それぞれの意地がぶつかる一戦を制するのはどちらか。
[ 文:青木 ひかる ]
