福岡もいま勝てていない。第10節・横浜FM戦に勝って3連勝を飾ったあと、清水に敗れて8試合ぶりに敗北を味わうと、前々節・岡山戦は終了間際に追いつかれ、前節・湘南戦は得点を奪えず、2試合連続ドローとなった。
今季のJ1は例年以上に力がきっ抗している。それは勢いを持続させることが容易ではなく、少しでも歯車がかみ合わなくなれば勝利をつかむことが至難なリーグであるということで、両チームの戦いぶりにもそのことがよく表れている。
今節はお互いに久しぶりの勝利を収めたいところだ。特に前節・新潟戦をエディオンピースウイング広島で敗れている広島にとっては、再びEピースで戦えることを大きな力に変えてなんとしても勝利をつかみたい一戦で、そのために選手たちがどんなメンタリティーを見せていくのかに注目していきたいところだ。
ここ2試合は2トップ+1トップ下の前線の形でスタートしたが、ゴールネットを揺らすことはできなかった。チャンスがなかったわけではなく、新潟戦も前半は攻守にアグレッシブに戦って多くのシュートを放つ広島らしさが見られているだけに、今節はどうスタートしていくか。
右ウイングバックで起用している中村 草太や、前節は切り札として後半途中から起用した前田 直輝ら、スピードやドリブルといった明確な武器を持つタレントの力もしっかりと生かしていきたいところで、新潟戦の後半でトーンダウンしてしまったことも踏まえると90分間をトータルで考えた采配も必要になってくる。まずはスタメンの発表を楽しみにしたい。
福岡も前半は攻勢をかけるが、後半は劣勢を強いられる展開が2試合続く。湘南戦後に金 明輝監督も「2試合連続で同じような展開になっていることは、何かしら原因があるのかなと思っています」と話しているが、「とはいえ相手がいることなので、選手たちにもネガティブな話はしておりません」と続けている。
あまり重く受け止める必要はなさそうだが、今節は中3日の準備期間でアウェイでの試合が続くスケジュールになることを踏まえ、選手のコンディションをしっかりと見極めた上で90分間をマネジメントしていきたいところだ。
攻撃時と守備時でシステムを可変しながら戦うことを可能にしていた志知 孝明は広島からの期限付き移籍加入中で、契約の関係で今節は出場できない。その中で、ディフェンスラインをどう構成していくのかも注目のポイントになる。福岡のスタメン発表も楽しみにして待ちたい。
90分間が終わって勝っていることが極めて大事なこと。ベンチ入り停止処分が明けて3試合ぶりに指揮を執るミヒャエル スキッベ監督と、今季から福岡を指揮する金 明輝監督の采配も勝敗に大きな影響を及ぼすことになるに違いない。
[ 文:寺田 弘幸 ]
