ネタ ラヴィの欠場が続いている中、前節は美藤 倫も負傷欠場。苦しいチーム事情で挑んだ京都戦は満田 誠が加入後初めてボランチで起用され、好プレーを披露。デニス ヒュメットに加入後初ゴールが生まれただけでなく、エースの宇佐美 貴史も得点を決めるなど“役者”が活躍して手にした勝点3は、単なる1勝とは異なる重みを持つ。
「試合の前日からみんなで『内容はどうであろうと勝たないといけない』と話をしていた。士気はかなり高まったと思う」と一森 純は京都戦の勝利の意義をこう話した。
ボール保持にこだわらず、京都の弱点を突くカウンターで見事に勝ち切った中でもチームに浮つく気配はまったくない。「結果は出たけど、力で相手を上回ったという感覚はない」と宇佐美 貴史も話す。
中3日で迎える湘南戦も再び総力戦で挑むことになるが、「次勝つことで順位も変わっていくし、湘南は順位が近い。次の試合の勝点3はこれから僕らが上位に行くためには大事なこと」と満田 誠もホームでの連勝に向けて意気込んでいる。また、「僕らには前線に武器がある選手がいる。湘南のCBと1対1や数的有利の状況を作れるかが、次の試合は大事になる」と力を込めた。
ダニエル ポヤトス監督は前節でデニス ヒュメットと宇佐美 貴史のフロントラインを機能させたが、それはあくまでも対京都を見据えた布陣。昨季、ホームで湘南と対戦した際にも、湘南の3バック対策として変則的な布陣を用いているだけに、今節もいかなる顔ぶれをピッチへ送り出すかに注目だ。
負傷者が相次ぐ一方で、ポジティブな要素もある。前節で今季初先発となった食野 亮太郎が強度あるプレーで貢献したこと、そして宇佐美 貴史がコンディションを上げてきたことだ。「体のコンディションが良くなれば、おのずとプレーで表現できる部分も多くなる」(宇佐美 貴史)と京都戦後に手ごたえを口にしている。やはり宇佐美 貴史のゴールはパナスタに独特のエナジーをもたらすだけに、エースの2戦連発に期待が高まる。
一方の湘南は、前節は福岡とスコアレスドローに終わって連勝を逃しているが、「連戦の中で失点をゼロで終えられたというところはポジティブに捉えて、また修正して次に向かいたい」と山口 智監督は前向きだ。
そして、特別な思いを持つ選手とともにアウェイへ乗り込んでくる。
山口 智監督はG大阪のレジェンドであり、小野瀬 康介、鈴木 雄斗、奥野 耕平と古巣対決を迎える選手も3人いる。また、パナスタで行われた昨年度の天皇杯ラウンド16でG大阪からゴールを奪っている鈴木 章斗もG大阪のジュニアユース出身。モチベーションを高めて乗り込んでくるはずだ。
互いに勝利を目指すだけでなく、人間模様も交錯する熱い戦いになるのは間違いない。
[ 文:下薗 昌記 ]
