ホームの横浜FCは、4日と8日にC大阪とのJリーグYBCルヴァンカッププレーオフラウンドを戦い、合計スコア5-4。第1戦を1-4と3点ビハインドで終えた中、中3日で臨んだ第2戦で4-0と大逆転でのプライムラウンド進出を決め、大きな話題を呼んだ。第2戦が始まる前まで、今季ここまでの公式戦では1試合で3得点以上を決めたことがなく、得点力不足が課題として挙げられていた中、今季最多得点を奪えたことはチームとしての自信にもつながる結果となった。
とはいえ、この試合はC大阪のGKが42分に退場となり、横浜FCとしては思ってもみない形で数的優位で試合を進められたことが大きい。11対11だった前半の多くは相手の巧みなパスワークに対して防戦が続き、「引いたあと、押し返せない」(ンドカ ボニフェイス)状況の根本解決には至っていない。
そして今節の相手である川崎Fは、ポゼッション志向型のチームとしての完成度も高く、Jリーグタイトルを複数回獲得してきた実力のある相手だ。5月の前回対戦では立ち上がり4分にセットプレーで先制に成功するも、その後の前半はボールを握られ続け、理想とする“前からの守備”を発揮することができずに同点に追いつかれた。一方、後半はもう一度前からのプレスに挑戦。結果的にオウンゴールが決勝点となって敗れたが、イーブンな展開に持ち込むことができていた。
引き込む守備でなく、前から圧力を掛けていきたいという共通認識はある中で、リーグ後半戦はよりそこを徹底していく必要がある。たとえプレス回避がうまい相手であっても、「そういうときこそ、より前から人を合わせてつかみにいく姿勢が必要。相手をしんどいなと思わせることが、結果的に守備の時間を減らすことにつながるはず」だと山田 康太も語る。「川崎とC大阪は、似ているチームだと思う」と四方田 修平監督も語る中、この川崎F戦はこれまでの課題解決の第一歩としたい。
対する川崎Fは、AFCチャンピオンズリーグエリート終了後も続く過酷な連戦を総力戦で戦い、7位までジャンプアップ。一戦一戦、勝点を積み上げている。
一方で守備の立て直しは、まだ道半ば。11日に開催された天皇杯2回戦・福島戦は、一時3点差までリードを広げるも、終了間際に連続失点を喫し、スコアとしては4-3で辛くも逃げ切りに成功した形。リーグ戦でも直近5試合中、無失点の試合は1試合にとどまり、2試合で複数失点を喫している。
もちろん、取られても取り返せる攻撃力はチームの強みではある。それでも長谷部 茂利監督は、2失点でのドローが続いたことを受けて、前々節・G大阪戦後に「2失点ばかりしているようでは、勝つのは難しい」とコメントし、福島戦後も、相手の崩しのうまさを称賛しながら「失点をするようでは(いけない)と、受け止めています」と、厳しい表情を浮かべた。ここから優勝争いに食い込むためにも、攻撃力の練度を高めるだけでなく、守備の面の改善にも取り組んでいきたい。
カップ戦で得た手ごたえと反省をリーグ戦にぶつけ、後半戦初戦を勝利で飾るのはどちらか。
[ 文:青木 ひかる ]
