FC東京は5月・6月の補強で加入した新戦力が着実にフィットし、攻守においてチームの厚みが増してきている。前節・柏戦では0-1で惜しくも敗れたが、韓国代表として長年ゴールを守ってきたキム スンギュがFC東京でのデビューを果たした。攻撃面では、後方からの正確なフィードでビルドアップの起点となり、守備面でも安定感あるシュートストップで存在感を示した。松橋 力蔵監督もそのパフォーマンスを高く評価しており、「トレーニングも十分に積み上げる時間がありましたし、そこでのパフォーマンスも非常に良かった。今日の試合(柏戦)でも見ていただいたとおり、素晴らしいプレーをしてくれたと思っています」と、守護神としての信頼を口にしているだけに、浦和戦でも活躍が期待される。
また、かつて浦和に在籍していたアレクサンダー ショルツは特別な気持ちを持ってピッチに立つ。「東京の選手として勝ちにいきます。特別な思いもありますが、試合後は笑顔で握手をかわしたい」と語り、古巣との対戦に意欲を見せた。
東アジアE-1選手権の日本代表に選出され、優勝してから所属クラブに合流した俵積田 晃太と長友 佑都にとっても、代表での経験をクラブに持ち帰り、良い形で還元したい一戦となる。
一方、浦和はクラブワールドカップでの3連敗を経て、国内では約1力月半ぶりとなる公式戦に臨む。世界の強豪と戦った経験を糧に、再スタートとなる今節でのパフォーマンスに注目が集まる。クラブワールドカップでは結果こそ出なかったものの、選手個々のパフォーマンスには光るものがあった。
中でも存在感を示したのが松尾 佑介。全3試合にスタメン出場し、初戦のリバープレート(アルゼンチン)戦では鋭いドリブル突破で攻撃の起点となった上、PKから得点もマーク。世界を相手に果敢な仕掛けで相手守備陣を翻ろうした。そして、インテル・ミラノ(イタリア)戦でゴールを挙げた渡邊 凌磨は、リーグ戦でもすでに6得点を記録しており、浦和の得点源として欠かせない存在となっている。2023年までFC東京に在籍していた彼にとっても古巣戦となり、並々ならぬ意気込みで臨むだろう。
さらに中盤では、今季柏から加入したマテウス サヴィオが攻撃のタクトを振る。巧みな個人技と献身性を兼ね備えた万能型の司令塔であり、正確なパスワークやドリブルで幾度もチャンスを演出し、浦和の攻撃を組み立てる上で、その存在は欠かせない。
両チームには、かつて相手クラブに在籍していた選手たちがおり、それぞれが特別な思いを胸にこの一戦に挑む。過去の因縁や縁が交錯するこの対戦は、技術や戦術を超えた感情のぶつかり合いとも言える。リベンジを誓うFC東京、再出発を図る浦和。注目の一戦は、今季の行方を左右するターニングポイントとなるかもしれない。
[ 文:匂坂 俊之 ]
