両チームの順位は名古屋が16位でFC東京が15位。残留に向けて油断はできない順位だ。最悪の事態を避けるためにも、近い順位のライバルにはなんとしても勝っておきたい。
名古屋は現在リーグ戦4連敗中。週中の水曜日に行われた天皇杯準々決勝・広島戦も落とし、開幕前に“最低限の目標”としていたAFCチャンピオンズリーグ出場も、可能性がほとんど消えてしまった。その試合では前半に3失点、後半開始直後にも得点を許し、4点を追いかける展開に。意地を見せて2点は返したものの、明治安田J1で上位争いをする広島に4点を先行されたら難しい戦いになるのは必然だろう。前節・川崎F戦も4失点で、しかも同じように試合の立ち上がりで失点を喫していること、さらに前々節・浦和戦(1●2)でも開始7分に失点を喫しており、立ち上がりの失点、複数失点は大きな課題となっている。
指揮を執る長谷川 健太監督は「連続失点が続いていて人を替えるのか、やり方を少し見直すのか考えていかなければいけない」と振り返ったが、名古屋のCB陣は人数的にはギリギリの状況。今月になって藤井 陽也をKVコルトレイク(ベルギー)から獲得し、前節で先発出場を果たしたものの、負傷による試合勘不足とコンディションの問題でフル出場は難しい状況にある。
戦術の見直しも、中3日でどれだけ準備ができるのか難しいところ。今節が終われば日本代表活動のため中断期間があり、現実的にはその間に守備戦術の浸透がなされることになるだろう。とりあえず今節は、選手個々がしっかりと1対1で勝ち、集中力を保って守り切ること。アグレッシブな守備が武器であることは分かるが、少しだけ飛び込み過ぎないこと、リスク管理を徹底するということに気持ちを傾けたい。
FC東京も前節はホームで京都を相手に4失点を喫する厳しい結果だった。しかし天皇杯準々決勝では浦和を相手にマルセロ ヒアンの2ゴールで逆転勝ち。しっかりとリバウンドメンタリティーをサポーターに見せられたことで、大敗の悪いイメージは払しょくされているだろう。
ただ、懸念されるのは長友 佑都、小泉 慶、橋本 拳人の3人が累積警告で出場停止なこと。そのぶん若手やこれまで出場時間を伸ばせなかった選手たちにチャンスが回ってくる。得てしてこういうピンチのときに才能を持った若手が出てきがちである。誰がこの試合でチャンスをつかむのかにも注目していきたい。
この8月最後の試合は、名古屋の恒例にして最大のイベント『鯱の大祭典』の最終日。豪華ゲストの来場や限定ユニフォームのレプリカシャツが無料配布されるなど盛りだくさんの内容となっている。名古屋としてはクラブが全力を注ぐこのイベントで3戦全敗というのは絶対に避けたいところ。選手も全身全霊で闘い抜きたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
