クラブとして四度目のJ1昇格を果たし、“初のJ1自力残留”(2020シーズンは新型コロナウイルス蔓延による特例ルールで降格なし)を掲げて1年を戦った横浜FCだが、またもその目標はかなわなかった。11月8日に行われた前節・鹿島戦で1-2の敗戦。くしくも、2023シーズンにJ2降格を味わったメルカリスタジアム(当時の名称は県立カシマサッカースタジアム)で再び厳しい現実を突きつけられると、翌日に17位・横浜FMが勝利したことでJ2降格が決定した。
シーズン前半戦は下位で推移しながらもしぶとく勝点を積み上げていたが、6月1日の第19節・浦和戦から7連敗と苦境に陥った。7月23日に監督交代に踏み切り、三浦 文丈氏が新監督に就任。[5-4-1]での粘り強い守備で守りを固め、前線のターゲットにボールを蹴り込む「割り切ったサッカー」(三浦 文丈監督)で立て直しを図るも、あと一歩届かず。鹿島戦後、オフ明け最初の練習日となった11月13日には、三浦 文丈監督の今季限りでの契約満了も発表された。
ただ、下を向いていても決まった結果は覆せない。指揮官も目標達成に導けなかった責任を受け止めながら、「こういうときにどういう戦いができるか。誰が見ているか分からないぞ」と選手たちに言葉を投げかけた。
2021年、2023年とJ1でのホーム最終戦は敗戦が続いている中、「応援してくれている人たちに、“コイツらはまた、立ち上がれる”と思ってもらえるような姿を見せたい」と、在籍最長のGK市川 暉記も語るとおり、残る力を振り絞って上位相手に食らいつく。
対する京都は、11月9日に行われた前節・横浜FM戦で0-3と敗れ、目指してきたリーグ優勝の可能性が消滅。首位・鹿島との直接対決となった前々節にて、土壇場で追いつかれて引き分けに終わった中で、「(大事なポイントを落としてしまったことを)悲劇にならないようにする」(曺 貴裁監督)と選手たちにマインドのリセットをアプローチしたものの、流れを断ち切ることができず。ホームで大敗を喫し、涙を呑んだ。
大きな痛手となったのは、長身FW原 大智の31分での負傷交代。9月28日の第32節・C大阪戦で右ひざを負傷したエースのラファエル エリアスが復帰したものの、大一番で“二大巨頭”をそろえることができなかった。
一時は首位にも立っていた中で、クラブ史上初のJ1優勝がかなわなかった喪失感は計り知れない。それでも試合後、奥川 雅也は「今年はまだあと2試合ある。僕たちができることは勝利に向かっていき、サポーターのために勝点3を届けること」とコメントし、気持ちを折ることなくシーズンを走り切る姿勢を強調した。
目指していた場所には届かなかった。それでも、声援を送り続けてくれるファン・サポーターのため、そして自分自身がもつプロとしてのプライドのために──。両者が意地をぶつけ合う。
[ 文:青木 ひかる ]
