ミヒャエル スキッベ監督の退任が発表されたあと、選手最年長の塩谷 司は感謝の思いを口にしていた。
「やっぱり一番には、すごく感謝したい。コロナ禍の中で広島に来てくれて、ちょっと落ち込んでいたチームを一気に立て直してくれて、本当に躍動感のあるチームにしてくれた。強い広島を表現できた一番の要因は監督だと思うので、この4年間に本当に感謝したいなと思います」 ホットスタッフフィールド広島(旧エディオンスタジアム)で過ごした2年間は、ミヒャエル スキッベ監督の攻守においてアグレッシブなサッカーがJリーグ全体に旋風を起こした。欧州でハイクラスな実績を積んできた指揮官がさまざまな面の固定観念を吹き飛ばしていくことでチームは常にフレッシュ感に満ちていて、ピッチ上で展開されるダイナミックなサッカーにファン・サポーターは魅了されていった。
そして迎えた2024年。エディオンピースウイング広島が開場すると、ミヒャエル スキッベ監督が率いるチームは、満員のスタジアムですべての試合で勝利を目指して戦うスタンスを貫き、シーズンを通して熱狂が続いた。最後に失速してリーグタイトルをつかみ獲れなかったのは悔しかったが、素晴らしい器が完成した記念すべきシーズンに情熱的で攻撃的なサッカーを披露し続けたチームのことは今後も語り継がれていくだろう。
今季、ミヒャエル スキッベ監督はリーグ戦もカップ戦もすべてのタイトルを獲りにいくスタンスをこれまで以上に強く打ち出し、選手たちもファン・サポーターもこれまで以上に勝利を強く欲して戦い続けた。残念ながらリーグタイトルには手が届かなかったが、今季もスタジアムを熱狂させ続けたミヒャエル スキッベ監督が率いるチームは、最後の最後まで目の前の試合に勝ちにいくスタンスを貫くはずだ。
Eピースに乗り込む湘南も、約4年半にわたった山口 智監督体制の最後の試合を迎える。9年ぶりのJ2降格は決定してしまったが、ホーム最終戦となった前節・清水戦を1-0と勝利で飾ったチームは、最終節も山口 智監督の下でやってきたことを表現して勝利を目指していくに違いない。前節後に山口 智監督も「あと1試合あるので、そこに対してしっかりと自分たちが見せられるものは出して終わりたいです」とコメントしている。
それぞれのクラブで一時代を築いたミヒャエル スキッベ監督、山口 智監督の両者にリスペクトの気持ちを持って試合を見守りたい。
[ 文:寺田 弘幸 ]
