ハーフタイムにはアーティストの鈴木 亜美さんが登場し、FC東京の設立年である1999年にリリースされた代表曲『BE TOGETHER』をスペシャルライブで披露する。クラブの原点と重なる楽曲が、開幕戦の舞台を華やかに彩る。
オフシーズンの動きは両クラブで対照的だった。FC東京は即戦力中心に積極補強を実行。一方の鹿島はルーキーのみを加え、昨季王者の土台を維持する方針を選んだ。就任2年目を迎えた鬼木 達監督の下、チームは完成度をさらに高める段階に入ったと言える。GKには昨季最優秀選手賞を受賞した早川 友基が君臨し、最終ラインにはベストイレブンの植田 直通がおり、前線には高い決定力を誇るレオ セアラと鈴木 優磨が並ぶなど戦力は申し分ない。また、かつてFC東京に所属した荒木 遼太郎や小川 諒也にとっては早速の古巣対決となる。個の質と組織力を高い次元で融合させた鹿島は、J1最多九度の優勝を誇る王者として揺るぎない強さを放っている。
その王者を迎え撃つFC東京で、最も注目を集めるのが佐藤 龍之介だ。昨季は育成型期限付き移籍で岡山に在籍し、28試合に出場して6ゴール2アシストを記録。数字以上に評価されたのは、局面を打開する力と攻守両面で示した高い強度だ。Jリーグベストヤングプレーヤー賞と優秀選手賞の受賞は、その成長を如実に示している。その勢いのまま臨んだ今年1月のAFC U23アジアカップ サウジアラビア2026では、日本を優勝に導き、大会MVPと得点王に輝いた。代表での活動期間が長かったためチーム合流は遅れたが、名実ともに次代を担う存在としてFC東京に復帰し、「岡山にいる間も東京の試合を追ってきた。ようやくプレーできるので楽しみ」と過度な気負いは感じさせない。今季の目標は2ケタゴール。その先には、6月に開幕するFIFAワールドカップ出場という大きな目標も見据えている。
積極的に補強に動いたFC東京は、ほかの新戦力にも注目が集まる。セルティック(スコットランド)から期限付き移籍で加入した稲村 隼翔、そして新潟から完全移籍で加入した橋本 健人はいずれも新潟時代に松橋 力蔵監督とタッグを組んでいるだけに、戦術理解は早いはずだ。橋本 健人は「ボール保持への関与を増やし、得点につながるアシストやクロスでチームに貢献したい。優勝することがすべて」と強い意気込みを示している。さらに、これまで課題とされてきたセットプレーからの得点については、精度の高い左足を持つ山田 楓喜が京都から完全移籍で加入。東京V在籍時には、2024年のJ1開幕戦・横浜FM戦で直接FKを決めた実績もあり、FC東京でもその精度を武器に、開幕戦でのセットプレーからの得点が期待される。
積み上げの鹿島か、積極補強を行ったFC東京か。J1百年構想リーグ開幕戦屈指の好カードが、味スタで幕を開けようとしている。
[ 文:匂坂 俊之 ]
