東京Vは前節、ホームで川崎Fと対戦した。松田 陸、田邉 秀斗、吉田 泰授が今季初先発した一戦は、前半のうちに2失点を喫して苦しい展開に。後半に選手交代で打開策を見いだそうとしたが、最後まで得点を奪えなかった。試合後、城福 浩監督は「カウンターのときの最終ラインの対応がつたな過ぎます。僕の指導が足りないのかなと思っています」と、自身を含めたチームの反省点を口にした。さらに同監督は、FC東京とのダービーを前に、「守備のアラートさは、絶対に欠いてはいけない。このクラブがJ1で戦う上で、それだけは手放してはいけない」とあらためて気を引き締めている。
対するFC東京は前節、アウェイ・千葉戦で見事に勝点3を持ち帰った。31分にアレクサンダー ショルツのPKで先制。78分に同点ゴールを許したが、2分後に野澤 零温の右サイドからの折り返しに、ファーサイドから走り込んだ佐藤 龍之介が右足で合わせて勝ち越しゴールを挙げた。チームを救う殊勲の得点を奪った背番号23は、「あそこにいつもより思いを持って走ったらボールが来ました。失点に直結してしまったので、取り返すために点を取らないといけないと思っていました」と、安堵の表情を浮かべた。
今節のダービーマッチでは、両チームそれぞれに古巣対戦を迎える選手がいる。今季の東京Vを、豊富な運動量と安定感抜群の舵取りで支える平川 怜は、FC東京のアカデミー出身だ。17歳でJ1デビューを果たし、FC東京の将来を担う選手になると期待されたが、度重なる負傷で本来の実力を発揮できずにいた。それでも、J2で地道な努力を重ね、昨季に同都市のライバル・東京Vにたどり着いた。今節は特別なクラブとの一戦だが、本人は「もう自分の中では、(ほかの試合と)変わらない1試合。勝ちを目指して戦いたい」と平常心を保つことを意識している。
一方のFC東京には、2024シーズンに東京Vでプレーした山田 楓喜が在籍している。同シーズンの東京Vは、16年ぶりにJ1に復帰し、最終順位6位と躍進。山田 楓喜自身も、リーグ戦21試合で5得点を挙げ、昇格チームの快進撃をけん引した。今季から加入したFC東京では、開幕から全試合に出場中。スーパーサブとしての役割を任されてきたが、千葉戦では加入後初の先発出場を果たし、高精度の左足のキックからチャンスを演出した。東京Vとのダービーでも、多くのチャンスクリエイトでチームの4連勝達成(PK戦勝利を含む)に貢献したい。
両チームの通算対戦成績は、FC東京が12勝7分6敗と勝ち越しているが、過去の成績や前評判が結果に直結しないのがダービーマッチだ。互いのプライドがぶつかり合う白熱した試合になることは間違いない。
[ 文:白谷 遼 ]
