ここまで、清水は11試合を消化して勝点17を獲得。首位を走る神戸とは勝点が『8』離れているが、吉田 孝行監督は「そこを踏まえた上で、僕らがいまから首位を目指すならば、とにかく勝ち続けていくしかない」と、一戦必勝の姿勢が必要不可欠だと強調。着実に上との差を縮めていくため、この名古屋戦から始まる5連戦でどれだけ多くの勝点を積み重ねられるかがカギを握る。
一方の名古屋は同じく11試合を消化して勝点18を積み上げ、4位の清水を勝点で『1』上回る3位につける。19日に行われた前節・福岡戦は、改装工事のため休場していたパロマ瑞穂スタジアムでの“こけら落とし”の一戦だったが、2点ビハインドの状況から終盤の2ゴールで2-2に持ち込むと、GKシュミット ダニエルの活躍もあってPK戦を制し、生まれ変わった“聖地”で記念すべき1勝を手にした。
そんな名古屋を、清水の住吉 ジェラニレショーンは「特殊なサッカーをしてきますし、前の選手は積極的に背後を狙ってきます。開幕戦ではサイドチェンジからチャンスを作られましたし、間にパスを通せる選手もそろっています」と警戒。Jリーグを熟知するペトロヴィッチ監督の下、主に攻撃面に磨きをかけてきたチームは、サイドの幅を使いながら、厚みのある攻撃を繰り出すことを得意とする。
だからこそ、清水側の目線では、「相手は6枚、7枚と前線に人数をかけてくるチームで、そのぶん、奪ったあとはチャンスになる。そこは賢く、我慢するときは我慢するし、いつもどおりハイプレスに行けるときは行く。そこの使い分けが今回は大事です」と吉田 孝行監督。相手陣でサッカーをする時間を長くするため、「相手のビルドアップに対して、自分たちがどれだけ有効にプレスを掛けられるか」(宇野 禅斗)を大事にしつつも、押し込まれる時間帯を無失点で乗り切ることが、試合の行方を大きく変えるだろう。明治安田J1百年構想リーグのWESTグループで最少タイの失点数を誇る所以を示さなければならない。
両チームは地域リーグラウンド第1節で相対しており、木村 勇大のゴールにより名古屋が新監督の下で開幕白星スタートを切っていた。ただし、宇野 禅斗は「もう一度名古屋とやれるのは、自分としては燃える部分があります。あのとき以上に攻守両面において、完成度の高いサッカーを見せたいと思っています」と意気込み、ホームでのリベンジをもくろむ。
もちろん、名古屋も“シーズンダブル”だけを考えてアイスタに乗り込むだろう。地域リーグラウンドは残り7試合(一部チームを除く)。両者ともに、この特別な大会で優勝を見据えるならば、目指すものはただ1つ――勝点3だ。
[ 文:榊原 拓海 ]

