清水は今季序盤戦から優勝争いをリードしてきた。直近7戦を6勝1分と無敗で駆け抜けており、現在は2試合連続逆転勝利中。開幕戦の熊本戦で逆転勝利を収めて以来、先手をとられるとひっくり返せない試合が続いていたが、いまは先に1失点を喫しても自信を失うことなく戦えている。
前節・藤枝戦を3-2で制したことで、首位に再浮上したが、それまでリーグのトップに立っていたのが横浜FCだ。今季の“ハマブルー”はスタートダッシュこそ失敗したものの、安定して勝点を積み上げ、早い段階で上位争いに参戦。とにかく負けないチームであり、最後に敗れたのは5月6日の明治安田J2第14節・千葉戦までさかのぼる。現在18試合無敗で、こちらも国立での一戦に向けて状態は上々だ。
そんな両チームは5月18日の第16節で対戦しており、横浜FCがホームで2-0と完勝。秋葉 忠宏監督が「球際、1対1、セカンドボール回収すべてで完全に上回られた」と口にするほど、清水としてはなす術なく敗れたゲームだった。だが、今回はホームで戦うことができる。会場は難攻不落のIAIスタジアム日本平ではなく国立競技場だが、秋葉監督が「タイミングも舞台も最高です」と語れば、乾 貴士も「このようなシチュエーションはなかなかない。楽しみです」と口にしており、チームの士気は高い。
清水は2002年2月に行われたゼロックススーパーカップで鹿島をPK戦で下して以降、“聖地”で勝利を挙げられていない。90分間での白星に限定すると、2001年3月が最後。昨季はJ1昇格プレーオフ決勝で最後に追いつかれ、あと一歩のところで昇格を逃したように、イヤな記憶の残るスタジアムでもあるが、秋葉監督は「良い記録も悪い記録も、ずっとは続かない。どこかで変わるタイミングは必ずある。それがこの大一番です」と強気の言葉で意気込んだ。
もちろん、横浜FCにもこれまで培ってきた粘り強さがある。幾度となく、勝点ゼロと思われたところで『1』、『1』と思われたところで『3』をもぎ取ってきたように、この試合でも90分間の笛が鳴るまで勝利のために戦い続けるだろう。
J1自動昇格にリーチをかけるのは、どちらのチームとなるか。優勝争いを占う上でも、今季のJ2で最注目の大一番だ。
[ 文:榊原 拓海 ]


