プライムラウンド準決勝第1戦の会場は、ニッパツ三ツ沢球技場。横浜FCはここまで、ホームスタジアムである同会場で数々の歓喜を巻き起こし、今大会を勝ち上がってきた。1stラウンド3回戦・町田戦はPK戦の末に勝利。プレーオフラウンド第2戦・C大阪戦では、第1戦でつけられた“3点差”をひっくり返してみせた。そして、準々決勝第1戦ではリーグ2連覇中の神戸を相手に複数得点を挙げて勝利を収めており、下馬評を覆しながら、クラブ史上初のベスト4までコマを進めている。
状態が上向いていることは、リーグ戦の成績を見ても明らか。リーグ戦では6月1日の明治安田J1第19節・浦和戦から7連敗を喫していたが、8月30日の第28節・東京V戦からは5戦負けなしで勝点9を上積み。その中には、J1残留を争う新潟、湘南からの勝利も含まれる。7月23日に就任した三浦 文丈監督の下、球際と自陣内での守備は強度を増し、夏に加入したスピードアタッカーのアダイウトンや窪田 稜のほか、JFA・Jリーグ特別指定選手の細井 響なども力を発揮している。
一方、鈴木 武蔵や福森 晃斗をはじめ、リーグ開幕当初はレギュラーメンバーに名を連ねていたものの、徐々に出場時間が減少してしまった選手たちにとって、このルヴァンカップは序列を覆すチャンスの場でもある。中でも、ハイボールやクロスの処理に自信を持つGK市川 暉記は、セットプレーからの得点を強みとする広島を封じる適役の1人だ。自身は体調不良によりメンバー外だったが、広島には前回対戦となるJ1第21節で0-4と敗戦。舞台を変えての対戦にあたって、「カップ戦は何が起こるか分からない。優勝も見えてきているけど、まずは広島に勝つことだけを考える。クロスはもちろんシュートもしっかりと止めて、自分の力を示したい」と語気を強める。
対する広島はAFCチャンピオンズリーグ2 2024-25に出場していたため、今大会はプレーオフラウンドから登場。そのプレーオフラウンドでは福岡に、準々決勝では湘南に、いずれも第1戦は敗戦。手に汗握る戦いを制してベスト4に進出したことは、横浜FCと同様だ。リーグ戦では広島が5位、横浜FCが18位と順位の差はあるが、「何が起こるか分からない」ことを十分に踏まえた上で、アウェイに乗り込む。
チームとしては、リーグ戦、天皇杯も戦いつつ、9月16日からはAFCチャンピオンズリーグエリートもスタート。9月は公式戦7試合を戦い、10月は同6試合が予定されている。
リーグ戦に目を向けると、前節は勝点で並ぶ町田を相手に逆転勝利。首位・鹿島との勝点差を『7』に縮め、タイトルレースに食らいついている。その町田戦では、3月2日のJ1第4節・横浜FC戦で右ひざを負傷し、長期離脱となっていたトルガイ アルスランが、復帰後初ゴールをマーク。これはいずれの大会においてもチームの大きな後押しとなるはずだ。
まずは“180分勝負”の前半戦。果たして、上回るのは。
[ 文:青木 ひかる ]
