横浜FCは、JリーグYBCルヴァンカップではプライムステージへ、天皇杯では3回戦へ、2つのカップ戦でそれぞれ勝ち上がりを決めた。しかし、リーグ戦ではいまだ苦戦が続き、5月17日に行われた明治安田J1第17節・湘南戦で勝利を挙げて以降、約1カ月間勝星から遠のき、順位は今季ワーストとなる19位まで沈んでいる。
3月に行われた前回の広島との対戦では、0-1と最少失点に抑えての敗戦ではあったものの、内容としては90分を通して守勢に回る形に。シュート数も、横浜FCが3本にとどまったのに対し、広島は12本。多彩なアタッカー陣を擁する上、堅守を誇る相手に対し、攻守ともに差をつけられる試合となった。
攻撃面の課題は、1トップの櫻川 ソロモンをターゲットにして長いボールを蹴り込んだあと、空中戦の競り合いからセカンドボールを回収し切れず、後手を踏んでしまったこと。そこから、最前線のジャーメイン 良を走らせるロングフィードを送られたことで何度も危険なシーンを作ってしまった。
今節においては、相手DFの立ち位置を見て蹴るタイミングを計ることや、競り合ったあとのアクションについてチーム全員で認識をそろえ、相手陣内から始まるチャンスの数を増やしていく必要がある。カギを握るのは、前々節・浦和戦以降、左シャドーの位置でプレーしている駒井 善成。長年[3-4-2-1]のフォーメーションでプレーし、シャドーが担う役割の重要性を誰よりも理解している。彼のプレーによって、3月の対戦時には見られなかった攻撃の波を作りたい。
対する広島は、AFCチャンピオンズリーグ2を含めた過密日程の中でケガ人が続出しながらも、現在5位と上位をキープしている。
前々節・川崎F戦に1-2で敗れ、前節・鹿島戦では善戦しながらも、終了間際の失点で引き分けに終わった。今節は順位も勝点差も開いた相手ではあるが、勝点3の価値は同じ。優勝争いに再度食い込むためにも、リーグ戦で3試合ぶりの勝利をつかみたい。
吉報としては、4月9日に左ひざ半月板部分切除の手術を行い、戦線を離れていた中島 洋太朗が練習に完全合流したこと。今節の出場は読めない状況ではあるが、チーム随一のテクニックと攻撃センスを誇る若きボランチの復帰は、チームの士気を引き上げてくれるはずだ。
前線の競争も激化する中で、2日に柏から完全移籍加入した木下 康介の活躍にも期待が高まる。横浜FCユース時代からなじみのあるニッパツ三ツ沢球技場は、プロ入り後にもゴールを決めているスタジアム。自身の力を示すにはピッタリの場所で、加入後初得点を決め切りたい。
横浜FCの山根 永遠も古巣戦に向けて特別な思いを燃やす。広島ユースのエースとして期待されながらトップチーム昇格を逃した苦い経験は、彼の糧となっている。前回対戦時に決勝点を決められた中村 草太とマッチアップする可能性がある中、両者のサイドでの攻防にも注目したい。
[ 文:青木 ひかる ]
