7月18日(月) 2005 J1リーグ戦 第17節
浦和 2 - 0 広島 (19:04/埼玉/35,658人)
得点者:'21 田中マルクス闘莉王(浦和)、'55 田中達也(浦和)
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7月の3連休のラストを飾る埼玉スタジアム。真っ赤に染まったスタンドを埋め尽くした浦和サポーターは、ここ2試合の鬱憤を思い切り晴らしたことだろう。主将の山田暢久を控えに回し、トップ下に長谷部誠、ボランチに酒井友之と内舘秀樹を置くというブッフバルト監督の新布陣がズバリ的中。2−0で3試合ぶりの勝利を飾り、勝ち点を26に伸ばすとともに、順位を4位まで上げた。逆にサンフレッチェ広島は「ガウボンとベットという2人の外国人選手を温存して後半勝負」という小野剛監督の策が裏目に出て、いいところなく敗れ去った。
2005年J1もいよいよ折り返し地点。第16節時点では、浦和が6勝5分5敗の勝ち点23で8位、広島が6勝7分3敗の勝ち点25で4位につけていた。首位を独走する鹿島アントラーズにこれ以上離されないためにも、両者とも勝ち点を確実に重ねたい。さらにこの日は日本代表のジーコ監督も現地を訪れた。今月末から始まる東アジア選手権に向け、選手たちも大いに存在をアピールしたいところだ。
エメルソンの電撃移籍余波に加え、大宮アルディージャと柏レイソルに連敗するなど、チーム状態が芳しくなかったここ最近の浦和。チーム再建を図りたいブッフバルト監督が起用したスタメンは、GK都築龍太、DF堀之内聖、田中マルクス闘莉王、坪井慶介、ボランチ・酒井、内舘、右サイド・平川忠亮、左サイド・三都主アレサンドロ、トップ下・長谷部、FW永井雄一郎、田中達也。鈴木啓太の出場停止もあり、指揮官は開幕から右サイドかトップ下でコンスタントに出場していた山田を外し、人身刷新を図った。対する広島はGK下田崇、DF池田昇平、小村徳男、吉田恵、ボランチ・李漢宰、森崎和幸、右サイド・駒野友一、左サイド・服部公太、2列目・森崎浩司、大木勉、FW佐藤寿人の3−4−2−1だ。こちらもジニーニョと茂原岳人が出場停止。小野監督は前線を1トップ2シャドウの形にして前半は果敢にボールを追いかけ、後半からガウボンとベットの2人を投入するゲームプランで挑んだ。
開始15分までは拮抗した展開。両者ともバランスを保ち、ボールを奪ったら素早い攻撃を試みる。広島の1トップ2シャドウも頻繁にポジションチェンジを実施。ボランチのどちらかが前線を追い越すよう効果的な動きも見られた。だが、この日の浦和からは「絶対に勝たなければいけない」という強い闘争心が感じられた。最終ラインと前線をコンパクトに保ち、両サイドも積極的に起点を作る。彼らはじわじわと主導権をつかんでいった。
迎えた21分、浦和は右CKのチャンスを得る。キッカーは三都主。彼の精度の高いボールは二アサイドに飛び込んだ闘莉王の頭にピタリたりと合った。次の瞬間、ゴールネットが揺れ、真っ赤なスタンドから大歓声が沸き起こった。今シーズンリーグ戦で、先制した浦和の勝率は8割を超える(5勝1分)。「先制点が大きかった」とブッフバルト監督も満足そうに話した。
この1点で自信と勢いを得た彼らは、追加点を狙い、次々と相手陣内に攻め込む。28分には田中達也のシュートが枠をかすめ、30分には右サイドに出た長谷部からのクロスに反応した坪井がダイビングヘッドを放つなど、いい時の浦和らしいスピーディーで攻撃的なサッカーで前半を終えた。
後半も流れは変わらなかった。長谷部がトリッキーなループシュートを打ち、田中達也が勝負心を前面に押し出すなど、広島守備陣はこれを封じるのが精一杯という状況になってしまった。これには小野監督も我慢できず、ガウボンとベットに交代を指示。彼らがピッチのすぐ外側で待っていた時、皮肉にも浦和の2点目が入ってしまう。
中盤でハイボールを競り合った酒井が前線へそのまま絶好のボールを出す。これに追いついた田中達也がDFをかわし、GK下田の上を抜くナイスシュートを決めたのだ。エメルソンが抜けた今、指揮官が最もゴールを期待していたのはこの人のはずだ。取るべき人が取った追加点で彼らは勝利を確信する。その後、ベンチに控えていた山田が永井と代わってピッチに登場。思い切りのいいシュートを放つなど、先発復帰をアピールした。
終盤までいいところなく防戦一方だった広島だが、後半31分に第3の外国籍選手・ジョルジーニョが入ってからようやく攻撃の形ができはじめた。後半終了間際には彼のFKがGK都築の右手を弾くなど、1点が入りそうな雰囲気も漂ったが、結局は浦和の勢いと闘争心に跳ね返される格好となってしまった。
「前半のうちに先制し最後までゴールを狙い続ける」という浦和の勝ちパターンがずばり当たったゲームだった。普段出場機会の少ない酒井や堀之内らも高いレベルのパフォーマンスを披露。たここ数試合失点の多かった守備陣も無失点で抑えた。都築も「取るべき人が取ったのも大きいけど、ノーゴールに抑えたことも収穫」と満足そうに話した。順位も一気に4位まで上がり、選手たちには安堵の様子が見て取れた。
逆に広島は不甲斐ない敗戦で、サポーターからもブーイングを浴びせられてしまった。佐藤は「いつもの2トップにトップ下1枚という形から1トップ2シャドウに変わって戸惑いがあった」と言い、主将の森崎和も「基本戦術の差。こっちはサポートも少なかったし、相手を嫌がらせる動きもなかった」と悔しさをにじませた。小野監督の戦術やゲームプランの失敗はあったかもしれないが、それ以上に広島らしい粘りが全く見られなかったのが残念だった。とにかくいち早く気持ちを切り替え、次に向かうしかないだろう。
以上
2005.07.19 Reported by 元川悦子






































