「ここ数試合、内容が良かった中で結果だけが出なかった。選手たちとも共有したが、大切なことは少しのゲームコントロールのすり合わせと、今までやってきたサッカーをしっかりやること。もちろん疲労もあったと思うが、同じメンバーに大事なゲームを託した」 C大阪は公式戦4戦未勝利が続いていたが、直近の明治安田J1第29節・鳥栖戦後に小菊 昭雄監督がそう語ったように、3日前の天皇杯準々決勝・広島戦とまったく同じ11人を送り出してきた。鳥栖が得意とするポゼッションとハイプレスを許さず、我慢比べの展開となっても局面で負けず、疲労を感じさせない試合を展開する。
そして、守備位置の高さと攻撃の緩急を使い分けて試合をコントロールすると、52分に鈴木 徳真のスーパーゴールで先制。終盤に一度は追いつかれるも、終了間際のジェアン パトリッキのゴールで勝利。連敗をストップし、上位を維持しながら勢いを持って埼玉スタジアム2002に乗り込んでくる。
一方の浦和は、7~8月の絶好調期を支えたメンバーの多くを欠いた状態で9月の2試合を戦っている。第28節・鹿島戦のメンバー外から江坂 任が復帰したものの、直近の第29節・柏戦では新たに2名の名前がなかった。いわゆる“主力”を多く欠いた状態で苦戦が予想されたが、逆に理想的な勝利を手にすることとなる。
「誰が出ていてもパフォーマンスを維持して戦うことができるのは、監督として非常にうれしいことです。試合に出ている選手、なかなか絡めなかった選手と、全員が良い準備ができてピッチで貢献することができる。こういったことが良いチームになる上で重要なことだと思います」 リカルド ロドリゲス監督は試合後、満足げに総括した。緊急事態でひさびさの先発機会を得たアレックス シャルクと、知念 哲矢、彼らがその象徴となった。ともにゴールを挙げ、攻守に存在感を発揮。チームの総力を示す勝利だった。
しかし、この内容と結果でも、浦和の順位は9位から変わらず。上位進出にはもう少し差を詰めていく必要がある。ただ幸いにして、残り7試合のうち4試合が上位陣との直接対決だ。機会は十分にある。
今節は中3日で迎えるとあって、やはり離脱メンバーの大幅復帰は望めないだろう。柏戦で戻ってきた江坂にしても「1日しかトレーニングできなかった」とリカルド ロドリゲス監督は言及。ただ、それが大久保 智明の中央起用という副次効果をもたらした。鹿島戦では反省点の多かった鈴木 彩艶、宮本 優太も何度も好プレーを見せた。“層の厚さ”は1試合の成功だけで測れるものではない。難敵・C大阪を相手に再び高いパフォーマンスを見せられるかどうかが重要となる。
同じメンバーを送り出したC大阪と、メンバー変更を余儀なくされた浦和。異なるアプローチをしながらも選手を信頼し、結果を引き寄せた両名将。良い状態にあるチーム同士の対決だけに、好ゲームになることは請け合いだ。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
