首都クラブの調子が上向きである。中断期間を挟んだとはいえ、7月から8月にかけては6試合連続で勝ちなしと不調に陥っていたが、9月に入るとV字回復を見せる。めっぽう相性の良い国立競技場で行われた明治安田J1第30節・名古屋戦で久しぶりの勝点3を得ると、難しい相手とのアウェイ2連戦となった前々節・浦和戦、前節・横浜FM戦でも勝利し、3連勝をマーク。その3試合すべてで複数得点を挙げるなど、自慢の攻撃陣にも得点力が戻ってきた。
好転のきっかけとなった名古屋戦で今季初先発のチャンスをつかみ、そこから中盤で絶大な存在感を発揮している東 慶悟は「いろいろな戦術や戦い方がありますけど、やっぱりまずはピッチ上がつながることが重要」とコメント。4連勝に向けては「自分たちがやりたいことを表現して、大事な試合なので楽しくやりたい」と意欲を示している。今季はピッチから遠ざかる苦しい時間が長かった背番号10は味スタについて「特別な思いがある場所で、いろいろな経験をしてきたピッチでもある」と思いを寄せる中、そこでのリーグ戦約7カ月ぶりのプレーに注目したい。
チーム全体で見れば、浦和戦は立ち上がりに押し込まれ、横浜FM戦では開始5分で失点を喫するなど、ゲームへの入り方は課題として残っている。ただ、90分を通した戦いぶりには安定感が備わってきており、CBで出場を続ける木本 恭生は「連勝していて非常に雰囲気も良く、いまはチームが自信を持ってやれている」と充実ぶりを口にする。最下位・鳥栖との対戦に向けては「残留争いをしているチームは戦いにくいし、周りの人からは簡単に見える試合だけど、もう1回気を引き締めてやっていきたい」と続けた。3ポイントを積み上げられれば勝点は『50』に到達し、2025-26シーズンのアジアの戦いにも手が届きそうな位置まで浮上できる。ホーム・味スタでの約3カ月ぶりの勝利をつかみ、勢いをさらに加速させたい。
対する鳥栖は、なかなかトンネルから抜け出せないでいる。クラブは第25節・鹿島戦後に監督交代を決断したが、後任の木谷監督が率いている現体制でも苦しい状況が続いている。新体制初戦となった第26節・浦和戦こそ1-1と引き分けて勝点1を積み上げたが、そこから泥沼の5連敗を経験。ただ、続く前節・福岡戦は0-0で終えて、連敗ストップに成功。悲観するべき内容ではないものの、勝てない時期が長くなっている。
それでも、残り6試合での逆転残留に向けて、必要なのは勝点3のみ。好調な相手のホームに乗り込んでのゲームと難しい戦いは予想されるが、全員で粘り強く戦い、新体制初勝利をつかみたい。
[ 文:須賀 大輔 ]
