今節の相手である横浜FCは18位で残留争いの渦中にあるが、その勝点差は『6』。仮に、今節で負けた上に17位・横浜FMも勝利を収めるとその差は3ポイントに縮まり、自らも残留争いに巻き込まれることになる。指揮官のコメントは、それを意識してのものだ。さらに福岡は現在5連敗中で、相手が自分たちよりも下位だからといって簡単に勝点を取れると思える状況でもない。
ただ、残留争いに巻き込まれる可能性をプレッシャーに感じている様子はない。金 明輝監督は1-2で敗れた前節・広島戦を「(第30節・)マリノス戦と(前々節・)FC東京戦が『何もできなかった試合』とすれば、広島戦は個人的にはフィーリングがまったく違う試合。広島がマンツーマンの守備をしてくる中で、ポジショニングを変えながらうまくはがしてボールを前進させ、チャンスを作る場面があった」と、その内容にはポジティブな印象を持ち、選手たちも「悪い内容ではなかった」と振り返っている。
そして金 明輝監督は「横浜FCは残留争いから抜け出そうとメンタル的にタフに戦える状態にあると思うが、われわれも苦しい状況にあり、そこからなんとか抜け出したいともがいているので、相手以上に強いメンタルで臨めると思う」と、精神面でも勝利を目指せる状態にあると見ている。
一方の横浜FCは今節で勝てば、横浜FMの結果次第で降格圏から脱出できる可能性がある。加えて、現在5戦負けなしで、特に前節は残留争いのライバルである湘南に勝ったことで勢いが生まれている。また、その期間ではわずかに1失点と守備が安定してきていることは、今後勝点を重ねる上での好材料だ。
福岡のベテランDF湯澤 聖人は、「ここは耐えるんだ、ここは前に行くんだ。そういうことをチームとして明確にして試合を進めることが大事になる相手だと思う。また、最近の失点は『これで失点してしまうのか』と思うような事故的なものが多いので、そういうことが起こらないように、よりパワーを出すこと、より集中すること」が今節のポイントになると話す。
横浜FCにとっては、堅守とそこからのカウンター、そしてロングボールを利用しての効果的な攻撃、そこからのセットプレーという、最近のゲームで奏功しているスタイルを継続して表現できるかがポイント。もちろん、福岡がそうした特長を抑えようとしてくる中で表現するためにはこれまで以上のエネルギーを出すことが不可欠になるだろう。
下位同士の戦いだが、その勝敗に懸かる価値が大きいだけに緊張感のある好ゲームが期待できる。
[ 文:島田 徹 ]


