「最後は本当にちょっとしたことでゴールが生まれませんでした。それを断ち切るにはゴールが必要ですし、そこに関しては選手たちがすごく悪いゲームをしたとか、みんなが1つになっていなかったとか、気持ちが足りなかったとかというところではないと思います。選手たちがよく戦ってくれた中で、1つゴールを決めて自分たちの流れをちゃんと引き寄せられるようにしないといけないと思います」 700本を超えるパス本数を計上したことをはじめ、これまでの試合よりボールを保持してゲームをコントロールできたことはあらゆる面に表れている。チームが1つの方向性に向かって指揮官の志向するサッカーを体現できた試合だったが、結果が伴わなければ前進したとは言えないだろう。
ゴールを決めて勝てるか。今節の広島の焦点は、この1点に尽きる。
清水は前節・長崎戦で3-0の快勝。吉田 孝行監督が「入りからオ セフンがプレスを掛けて得点というところで、そこからチームの勢いというのも出た前半になったと思いますし、自分たちがやりたいことが攻守に出た前半だったと思います」と振り返ったように、何より1分にオ セフンが先制点を挙げて4分にも嶋本 悠大がゴールネットを揺らした立ち上がりが素晴らしかった。
今節もその流れをしっかりと継続していけるかが大きなポイントになる。まだ記憶に新しい明治安田J1百年構想WESTグループ地域リーグラウンド第8節で対戦した際も、清水が立ち上がりにペースをつかんで攻勢をかけ、19分に吉田 豊、21分にオ セフンが得点を挙げて主導権を握り、勝利をつかみ取っている。
攻撃ではターゲット役になり、守備ではプレスのスイッチを入れていくオ セフンを先頭にしてアグレッシブに戦うことが予想される清水に対して、広島がどう試合に入っていくのか。オ セフンと多く競り合うことになるであろう荒木 隼人と、前回対戦時にオ セフンのプレスを受けてボールロストからゴールを許しているGK大迫 敬介のパフォーマンスには特に注目していきたい。
清水にとってアウェイの広島は難所。リーグ戦においては直近6試合で勝利がない。PK勝ちも含めて今季勝利を挙げた試合はすべて先制しているだけに、先にゴールを割れるかどうかがカギを握る。
一方の広島は、大迫 敬介と荒木 隼人を中心に全員で清水の勢いをはね返していき、しっかりとボールを動かしてゴールに迫っていく展開に持ち込みたい。まずは立ち上がり15分の攻防に注目だ。
[ 文:寺田 弘幸 ]
