前節、G大阪は名古屋に完敗を喫し、広島は神戸相手にPK戦の末に敗れた。互いに仕切り直しとしたい一戦だ。
本来であれば、目の前の戦いに全力を尽くしたいイェンス ヴィッシング監督ではあるが、広島戦に限っては5月17日(日本時間)に控えるAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)決勝も見据えたマネジメントを施すことになりそうだ。
0-2から終了間際に1点を返した名古屋戦について、イェンス ヴィッシング監督は「誇りに思うのは、最後まであきらめることなくゴールに向かい、しっかり1点を返すことができた」と選手たちの戦う姿勢を手放しで褒め称えた。ただ、攻守のキーマンである安部 柊斗は前半に負傷交代。戦列に復帰したイッサム ジェバリもベンチに座ったままで、ピッチに立つことはなかった。
公式戦11連戦の締めくくりとなる広島戦までタフに戦い続けてきたG大阪の選手たちだが、蓄積された疲労の影響が見て取れる選手も多いだけに、大胆なターンオーバーを施してもおかしくない状況だ。
そんな苦しいチーム状況は、逆に若手にとってのチャンスでもある。名古屋戦では負傷した安部 柊斗に代わって投入されたルーキーの山本 天翔が攻守で躍動感あるプレーを披露。また、終盤には神戸戦に続く今季2試合目の出場を果たした中村 仁郎が右サイドでアクセントとなり、美藤 倫のゴールを生み出すきっかけとなるパスを出した。「まだ本領発揮とまではいっていないけど、少しでも流れを変えられたのは良かったと思うし、切り替えて次の試合に向けて頑張りたい」と中村 仁郎は名古屋戦後にコメント。今節もピッチに立てば、持ち味のドリブルで攻撃を活性化させることを期待したい。
そして、ゴールマウスに立つ守護神が誰になるかも注目だ。直近の5試合は18歳の荒木 琉偉が出場しているが、ACL2決勝で東口 順昭を起用するならば、試合感覚を取り戻す意味でも、ここで起用しておきたいところ。いずれにしてもハイレベルなポジション争いであるのは間違いない。
一方の広島は前節、先制しながら追いつかれ、PK戦で敗れて勝点1にとどまった。「前半に2回、後半にも2回、間違いなくゴールしなければならないというシーンがあった」とバルトシュ ガウル監督が嘆いたとおり、シュート20本を放ちながら決定力を欠いたことが痛い結果に結びついた。その反省を胸に刻んでパナスタに乗り込むはずだ。ここまで3得点3アシストをマークしている鈴木 章斗はG大阪ジュニアユース在籍当時、中村 仁郎や南野 遥海とチームメート。今季5得点と活躍中の南野 遥海に負けじとモチベーションを高めてピッチに立つだろう。
ACL2に向けてはずみをつけたいG大阪と、4試合ぶりの勝利が欲しい広島が佳境を迎えつつある地域リーグラウンドで、勝利だけを目指す。
[ 文:下薗 昌記 ]
