この試合をホームで迎える湘南は、直近のリーグ戦である第17節・横浜FC戦で0-1の敗戦。「圧を掛けたいゲームで、特に行こうという中でそれができなかった前半がすべて」と山口 智監督が振り返れば、茨田 陽生も「(得点)ゼロで終わってしまったというところでは、僕にとってはもっともっとリスクを冒していいところでパスをつけることだったり、前を向くことだったりがまだまだ足りなかったなと思う」と顧みた。
こうしたコメントが出てくるのも、湘南がホームで4試合連続無得点であることを踏まえると、なお合点がいく。また、今季は先制された試合で一度も勝つことができていない(1分8敗)。今季序盤まで得点を重ねていた鈴木 章斗や福田 翔生も、1カ月以上無得点。“流れを作る得点”、“イヤなムードを断ち切る存在”が求められている。
対するFC東京は、リーグ戦の順位こそ湘南に劣るが、5月上旬に限れば復調の兆しを見せていた。第14節・新潟戦では、マルセロ ヒアンが2得点、小泉 慶が1ゴールを決めて、3-2の辛勝。続く第16節・神戸戦は最終盤にPKを獲得。これをマルセロ ヒアンが冷静に沈めたことで、1-0の勝利を飾った。
神戸戦後、松橋 力蔵監督は「内容うんぬん(ではなく)、まずは連勝をできたこと、最後の最後まで選手たちがあきらめずに頑張ってくれたことを非常にうれしく思う」とコメント。このまま上昇気流に乗るかと思われたが、試練はすぐにやってきた。直近の第17節・浦和戦、9分にマルセロ ヒアンのゴールで先制したFC東京は、前半のうちに追いつかれると、後半の遠藤 渓太による勝ち越しゴールもむなしく、その後に2ゴールを許して逆転負けを喫した。
湘南とFC東京は、今季波に乗り切れない月日を長く過ごしている。だからこそ、この試合を試金石として、ここから調子を取り戻せることを証明したい。
注目選手には、両クラブを代表する若武者の名を挙げたい。湘南は生え抜きの19歳・石井 久継だ。今年はU-20日本代表としても経験を積んだ石井 久継は、4月20日の第11節・柏戦を最後に出場することができていない。ベンチで戦況を見守る時間が長いからこそ、結果を残したい気持ちが大きいはずだ。
対するFC東京は、15歳の北原 槙。今季J1最年少出場記録を更新した高校1年生は、2回戦・大宮戦でトップチーム初先発。延長戦となった中で113分までプレーし、トップの舞台でも戦える力を養ってきた。5月に入ってからはプレータイムを減らしているだけに、石井 久継と同様に期するものがあるだろう。
冒頭で触れたように、この試合に勝つことで1stラウンド突破が決まる。どちらが歓喜に沸くのか、固唾を呑んで見守りたい。
[ 文:河合 萌花 ]
