5月25日(日) 2008 J2リーグ戦 第16節
湘南 4 - 1 横浜FC (13:03/平塚/5,788人)
得点者:16' 石原直樹(湘南)、64' 石原直樹(湘南)、71' 阿部吉朗(湘南)、78' オウンゴ−ル(湘南)、88' 御給匠(横浜FC)
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ゲームのファーストタッチは明らかにアウェイチームのほうが優っていた。開始1分にも満たない時点でのアンデルソンのシュートに始まり、中田洋介の攻め上がりからのクロス、三浦淳宏のフリーキックや滝澤邦彦のミドルなど、記者のメモが追いつかないほどに横浜FCが怒涛の攻めを見せる。スピードと連動性に富み、二の手三の手を次々に繰り出すおよそ10分間に、三浦淳も「今季最高の出だし」と振り返ったものだ。
かたや受け身を強いられた湘南には苦い記憶があった。第2節、ニッパツ三ツ沢球技場に乗り込んだ際の、前半5分にアンデルソンに決められたPKである。「前回の対戦のような、イヤな流れだった」とは、GK金永基の述懐だ。もちろんその横浜FC戦や前節と前々節のアウェイ連戦など、早い時間帯に先制された反省を踏まえ、湘南は試合の入り方にことさら強く意識を注いでいたはずだ。だが今節の相手の立ち上がりの推進力は、その想定をも超えていたのだろう。
ただ圧される一方で、「前回敗れているだけに今回はリベンジの思いが強く、みんな気合が入っていて集中しきることができた」と金が語ったように、あるいは「みんなが局面で気持ちを出した」と斉藤俊秀が評したとおり、湘南は敵の攻勢を辛くも凌いだ。10分を過ぎると、永田亮太とアジエルがそれぞれ相手GKを脅かすミドルを撃ち、反撃の狼煙を上げる。湘南がゴールネットを揺らすのはその直後のことだ。
16分、加藤望とのワンツーから、アジエルがペナルティエリア中央で待つ石原直樹へとパスを通す。受けた石原は、DFを背負いながらも巧みに体を入れて前を向く。放たれたシュートにGK小山健二も一度は詰めるが、浮いたクリアボールをふたたび石原が頭で叩き込んだ。「監督やコーチからずっと言われていて、今週のトレーニングでも意識して取り組んでいたかたち」という一撃だった。
「いちばん大きなポイントは、立ち上がりに失点しなかったこと。そして直樹(石原)が狭い局面で勝負し、得点になった。最初の1−0の攻防が、今日のゲームだったと言えるのではないか」試合後、湘南の菅野将晃監督はこう振り返っている。また横浜FCの三浦淳も、「あの1点に尽きる」と悔やんだ。両者の言葉どおり、序盤の激しい攻防からゴールに繋げた湘南がその後、ゲームを主導する。
後半開始の太田宏介の投入を皮切りに、54分に御給匠、60分にはチョ ヨンチョルと、横浜FCは相次いでカードを切り、反撃を目論んだ。60分ちかくには御給がゴール前で落とし、走りこんだ三浦知良がシュートを放っている。しかしゴールをこじ開けたのは湘南のほうだった。64分、敵陣内でいったんは与えたボールを、後半から出場の阿部吉朗がふたたび奪い返し、アジエルに当てる。アジエルはすかさずスルーパスを送り、DFラインの裏を盗った石原が落ち着いて沈めた。横浜FCにとっては第14節から中2日、中3日と続いた3連戦の最後、くわえて前節の広島戦に次ぐアウェイ連戦である。肉体の消耗は否めない。
さて、石原の2ゴールによって湘南が試合を優位に進めた背景で、ディフェンス陣の奮闘も見過ごせない。とくに斉藤は、アンデルソンに入るボールをことごとく摘み取っていた。一戦に臨むまえに「自分が守る」と明言していたと伝え聞くが、ベテランDFはまさしく相手の攻撃の要に中央で自由を与えなかった。
そしてもうひとつ、湘南は試合前のアップ時に鈴木伸貴が負傷し、急きょメンバーを変更していた。その結果、サブに名を連ねていた北島義生が今季初スタメン・初出場を果たし、空いたベンチには中村祐也が入った。71分に挙げた湘南の3点目は、その北島による素早いリスタートに阿部が反応して奪ったものだ。「寄せやポジショニング、判断を含めてすごいと感じた」と北島の献身に舌を巻いた相方の永田も、その後自身のクロスによって相手のオウンゴールを誘った。
一方、4点を失った横浜FCも最後の力を振り絞り、アンデルソンの外からのシュートや三浦淳のコーナーキックから山田卓也がヘディングシュートを狙う。そして88分、左サイドを持ち込んだ太田が滝澤へ落とし、滝澤のクロスに御給が頭で合わせた。だが反撃は、この1点にとどまった。
「完敗」都並敏史監督は語った。ただ一方で、「あまりにすっかり負けたので切り替えは逆に早くできるかと思う。選手たちをしっかりと切り替えさせて、また前に進んでいきたい」とすぐにつぎを見据えた。「ボールの動かし方はよくなっているし、収穫はある。反省すべきところはして切り替えたい」と三浦淳も語ったように、選手たちの意識もすでにつぎへ向かっている。序盤には目を見張る攻撃を見せただけに、引き続き発揮すべく、まずはコンディションを整えたい。
勝利した湘南の菅野監督も、「つぎの仙台、さらには広島と試合は続く。よい結果を得るべく、我々の持っているすべてを出しきるゲームをしたい」と同様に先を見据えた。今節の勝利を、第2クールの好スタートたらしめるのは、次節の出来いかんにかかっている。リベンジの1勝を携え、つぎは仙台に挑む。
以上
2008.05.26 Reported by 隈元大吾




































