2試合ぶりにホームでの戦いとなる鳥栖は前節、アウェイで福岡との“九州ダービー”に臨んだ。アグレッシブな入りを見せたが、深いブロックラインを敷く福岡を前に思うようにシュートへつなげることができず。前半終了間際にミスから失点を喫すると、後半は入りから福岡の圧力の前に劣勢。追加点を許し、最後まで得点を奪えずに零封負け。これで無得点での3連敗となり、試合後にはアウェイまで大挙して駆けつけたサポーターから厳しい声も飛んだ。
対する京都は前節、ホームで札幌と対戦。この試合も、下位に低迷するチーム同士の残留可否を占う“決戦”となった。18分に右サイドの深い位置をランニングで突いた福田 心之助のクロスを松田 天馬が押し込み、先制に成功。直後の20分には、札幌の最終ラインでのビルドアップミスを松田 天馬が見逃さずにプレスで引っかけると、こぼれ球を豊川 雄太が押し込んで追加点の奪取に成功する。以降は札幌の攻勢を受けて押し込まれる時間が続いたものの、ピンチの場面でも集中力は切らさず。最後まで得点を許さず逃げ切りに成功し、待望の今季ホーム初勝利を挙げた。
まだシーズンは半分を残しているとはいえ、低迷する両者にとってこの直接対決での結果は、シーズンが終わって振り返ったとき、残留の可否に大きな影響を与えている可能性は十分に考えられる。特に鳥栖にとっては“九州ダービー”というビッグマッチに敗れているだけに、ホームで再起を果たしたい一戦だ。福岡戦後、サポーターの前に立ち、チームの思いを代弁した福田 晃斗も「ああいうふうにサポーターの方々の前で話した以上、自分にプレッシャーが掛かっていますけど、そのプレッシャーがあったほうが自分は燃える。勝つことでチームもサポーターも『一緒に進めた』と思える1勝になると思います」と、京都戦に向けて強い闘志をたぎらせている。
ボール保持をスタイルとする鳥栖に対して、京都はアグレッシブなハイプレスが身上。鳥栖は京都のハイプレスをかいくぐり、ハイラインの背後を突くようなゴールに直結する動きを見せ、無得点の流れに終止符を打ちたい。一方、京都は高い位置でのボール奪取から一気に鳥栖ゴールを陥れる。互いの狙いがハッキリとした戦いになるだろう。
駅前不動産スタジアム(当時の名称はベストアメニティスタジアム)でJリーグ初得点を挙げた豊川は現在、対鳥栖戦3試合連続ゴール中。熱い九州男児の豊川がゴールを決められれば京都に勢いが生まれるだけに、鳥栖としてはこれ以上の活躍を許すわけにはいかないだろう。
この1勝はただの1勝にあらず。球際の攻防が激しくなることが予想される一戦でどれだけ一つひとつのプレーに覚悟を込められるか。思いの強さはきっと結果として表れるはずだ。
[ 文:杉山 文宣 ]
