仮に勝ち負けにもインパクトの強弱があるとすると、湘南にとって前々節・横浜FC戦(0●1)、前節・東京V戦(0●1)の敗戦は、順位が近い者同士の対戦だっただけに堪えるものがあった。鈴木 章斗も横浜FCに敗れた直後は「僕らも気持ちを切り替えることは難しい」と吐露し、東京V戦後は藤井 智也も「もう、どうしてもなんとかしたい」と、整理し切れない感情を見せた。
明くる週に練習グラウンドを訪ねると、気持ちを切り替えて次の試合に備える選手たちに出会った。プロなら当たり前、と言えばそれまでだが、2週間というワンクッションができたことで、残りの試合でやるべきことが整理されたようにも見える。
3バックの一端を担う舘 幸希は、主たるタスクの“守備の安定感”に触れながら、同時に「ここ数試合点がなかなか取れていないので、もっと迫力を持って湘南らしく追い越していったり、人数をかけて攻撃していくことも、ダイナミックにしていくことも大事」と、攻撃面にも言及。「(残留は)他力な部分はありますけど、自分たちがやるべきことをやった上で、どうなるかというところが大事だと思う」と、言い聞かせるようにも話した。
今季キャプテンを務める鈴木 章斗も「『ベルマーレを背負って戦う』というのを、もっと出していかないといけない」と話し、今節はいかに“らしさ”を出せるかがキーになる。
その湘南が対峙するのは、首位・鹿島を勝点5差で追う京都だ。首位で迎えた9月は1勝2分1敗と勝点獲得ペースを落とし、前節・川崎F戦も先制を許して1-1のドロー。須貝 英大は試合後、「絶対に勝たなきゃいけないゲームだったので、引き分けで終わってしまってすごく悔しい」と話し、「これから先は先制点がすごく大事になってくる」と的を絞った。
9月以降は5試合で5得点にとどまるが、本来の京都は得点力に秀でたチームで、総得点57はリーグで2番目に多い。前々節・C大阪戦でラファエル エリアスが負傷したことは痛手だが、今後ピッチに戻ってくる可能性もあれば、原 大智のような得点にもアシストにも長けた選手の存在もある。
チームを率いる曺 貴裁監督は川崎F戦後の会見で「これからはどのチームもタイトになってくるだろうし、オープンな展開はおそらく可能性としては少ないので、やはりそういうタイトなゲームの中で何を選択すべきかを、もう少し選手と共有してやっていきたい」と話した。古巣のピッチでその成果を披露する準備は、間違いなく整えてきているだろう。
言うまでもなく、どちらにとっても“負けられない一戦”。片手で数えられるだけになった残り試合を、両手で喜べるチームはどちらになろうか。今節のJ1で唯一の日曜開催とあって、優勝争い・残留争いの双方で注目を集める一戦となる。
[ 文:河合 萌花 ]
