ホームチームの清水は、ここまでの7試合で90分での負けは1つしかないが、逆に90分での勝ちも1つしかない。ここまで積み上げた勝点は『10』で、現在は明治安田J1百年構想WESTグループで10チーム中7位に甘んじているが、首位を走るG大阪との勝点差はわずかに『3』。WESTグループ全体が混戦状態であることを考慮しても、決して悪い数字ではないだろう。
ここから上位に浮上していく上で、1つ懸念点を挙げるとするならば、終盤の試合運びだ。前節・福岡戦は、今季初先発となった北爪 健吾のゴールで先手をとりながら、終盤の失点で追いつかれ、90分は1-1で終了。PK戦の末に勝利を挙げた。この展開は、前々節・岡山戦と類似しており、第2節・京都戦も同様の流れだった(京都戦はPK負け)。
直近の2試合については、百年構想リーグ特有のフォーマットであるPK戦を制したことにより、勝点4を積み上げられている。だが、通常のリーグ戦であれば勝点2にとどまっていたことになる。
終盤の戦い方について、吉田 孝行監督は「ピッチに立っている選手たちの意識が、“守り切ろう”という意識に傾いてしまうことがある」とした上で、「(試合の)ラスト5分とかだと話は別ですが、基本的には自分の中に、得点を取ったから引いて守り切るという考えはありません」と断言。「よりゴールから遠いところで、いつもどおりやったほうが実際に失点数は少なくなる」と考えているからこそ、終盤に押し込まれる課題を乗り越えるためには、相手陣でプレーする時間をより増やさなければならない。
この終盤を乗り切る上で、交代選手の躍動も重要なカギを握る。「残り30分でフレッシュな選手を入れても、パワーダウンしているのが現状です。交代で入った選手も同じようなパワーを毎試合出さないと。そこは現状の課題ですね」とは吉田 孝行監督の弁。終盤のチームにさらなるエナジーを与える“ジョーカー”の存在も、現状の試合運びを好転させる上で欠かせないピースと言える。
対する広島は、ここまでは90分間の中で三度の勝利を手にしており、唯一PK戦を戦った第2節・岡山戦も勝点2を獲得。ここまで積み上げた勝点は『11』で、5位につけている。今季よりバルトシュ ガウル監督が指揮を執るが、清水の吉田 孝行監督は「去年からの延長線上で積み上げている印象」と語る。
広島は清水と同様に、相手陣でプレーする時間が長いチーム。吉田 孝行監督は「今季の(J1の)20チームの中で、敵陣でプレーすることに最も長けているチームが広島」と警戒する。どちらのチームが相手を相手陣に押し込みながら、セカンドボールを回収し、攻撃を続けていくか。これこそが、試合の主導権を握る上で大事なポイントとなりそうだ。
[ 文:榊原 拓海 ]

