バルトシュ ガウル監督を迎えてJ1百年構想リーグに臨んだ広島は、開幕戦で長崎を3-1で下して好スタートを切るも、AFCチャンピオンズリーグエリートではラウンド16で敗退する失意の結果に終わった。リーグ戦でも地域リーグラウンド第7節・名古屋戦から4連敗を喫し、第13節・福岡戦からも2つのPK戦負けを含めて3連敗。パフォーマンスが安定せずに難しい時期も過ごしてきたが、リーグ戦終盤で攻守の歯車がようやくかみ合い、3連勝でフィニッシュ。第17節・京都戦は4-0、第18節・名古屋戦は4-2で勝利を収め、得点数は名古屋に次ぐWESTグループ2位まで伸ばすことができた。
アタッカーもイキイキとプレーできるようになってきており、特に2試合連続得点中の中村 草太と鈴木 章斗の活躍は目覚ましい。バルトシュ ガウル監督も名古屋戦後に「なかなか得点ができなかったところが課題だったので、4得点を取れたのはチームとしても良い結果でした」と頷いていた。
プレーオフラウンドでも、“ガウル体制”で特にフォーカスしてきた攻撃面での積み上げをしっかりと体現していきたい。
一方の川崎Fも満足のいく結果を残せないJ1百年構想リーグとなった。開幕戦は柏を相手に点の取り合いを制して5-3の勝利をつかんだが、第3節でFC東京に、第6節で鹿島に競り負けると、第8節・横浜FM戦で0-5の大敗。その後はなかなか無失点に抑えることができず、リーグ戦終盤は得点を奪うことにも腐心した。思うように攻守がかみ合わなかったが、第18節・水戸戦でルーキーの持山 匡佑がハットトリックの活躍を見せたことで、明るい光がチームに射し込んだ。
水戸戦で後半開始から出場した持山 匡佑は、58分に左サイドから入ってきたクロスを収めてシュートを放ち、Jリーグ初得点を記録。78分にはペナルティーエリアの外から右足を振って強烈なミドルシュートを突き刺した。そして、85分にはドリブルでペナルティーエリアに進入してシュートを放つと、DFに当たってゴールイン。危険な場所に入って思い切りよく足を振るFWがプレーオフラウンドでどんなプレーを見せるのかに要注目だ。
広島も川崎Fも危険なアタッカーを擁している中で、中盤の攻防は勝敗を分けるポイントになるだろう。広島は川辺 駿と新井 直人のボランチコンビがプレー強度を高く保ちながら周りをうまく生かしている。川崎Fもうまくて賢い山本 悠樹と橘田 健人のボランチコンビがチームを支えている。ホームの広島は果敢に前へ出ていくことが予想される中で、川崎Fはどう試合を進めていくのか。ピッチ中央で繰り広げられる主導権争いの行方が重要なポイントになることは間違いない。
[ 文:寺田 弘幸 ]
