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<東アジア女子サッカー大会2005>なでしこJAPAN 大橋浩司監督インタビュー:Vol.2(05.07.19)

大橋浩司(おおはし ひろし)
1959年10月27日 三重県出身
三重県立名張桔梗丘高‐大阪体育大(全日本大学サッカー選手権大会ベスト8、関西学生選手権優勝)
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1982年から2000年まで三重県内の公立中学の指導者としてサッカー部の監督をつとめる。1985年には三重県トレセンU-14監督・コーチ、1995年から東海トレセンU-14監督・コーチを経て、1999年に日本サッカー協会公認S級コーチ資格を取得し、日本サッカー協会指導者育成インストラクターに。2002年知的障害者によるサッカー世界選手権日本代表監督、2002年釜山アジア大会女子日本代表コーチ、2004年アルビレックス新潟シンガポール監督を経て2004年11月、日本女子代表・なでしこジャパン監督就任。


昨年のアテネオリンピックでは準々決勝でアメリカに惜しくも破れ、ベスト8で大会を終えたなでしこジャパン。その後国内、そしてアウェイでの親善試合で強化を経て、今度は「アジアを制する」という目標を掲げて東アジア大会へと向かう。今季Lリーグ(なでしこリーグ)では、エースの澤の好調さが目立つ。更に高校生の永里もアテネ本大会には残念ながら選ばれなかったものの、そこからの成長は目を見張るものがある。チームとしての「なでしこジャパン」にはもちろんだが、個々の選手のレベルアップを見ることにも期待が高まる東アジア大会・・・。
アジアだけでなく世界で戦える強豪チームとなるべく、なでしこジャパンは今、何をしようとしているのか。そのビジョンの中での東アジア大会とは具体的にどういう意味を持つ大会なのか・・・大橋監督に迫ります。(インタビュー:日々野真理)



――本番は間もなくとなりましたが、長期ビジョンの中で「東アジア大会」の位置づけや、目的とはどういうものですか?
大橋浩司監督(以下、大橋) もちろん優勝を目指してやっていきます。
その他にも就任してからここまで、個人の選手、技術の強化の底上げをしたいと思ってやってきたので、それがどこまで通用するかという確認がメインになってきますね。これまでは、日本人より体格のいいオーストラリアとかロシアの選手と試合をやってきました。今度はチームの力として世界のトップレベルの北朝鮮や中国とやれるというのは非常に楽しみです。


――その対戦相手についてはどうご覧になりますか?
大橋 まず初戦の北朝鮮は、情報が全くない状況です。ただ、前回のアテネの予選と比べて、そんなに戦術的な部分やサッカーのスタイル自体は変わるものではないとは思っています。ただ、ひょっとしたらメンバーが変わってくることは考えられますね。
大会に向けて、北朝鮮だけでなく、中国、韓国と・・・もちろん相手のチームの分析はしますが、とにかく「自分たちのサッカーが出来るかどうか」っていうところをまず大事にしたいなと思っています。北朝鮮、中国っていうのはFIFAランキングでは日本より上位です。今回の大会については、そうした相手とやるときも自分たちのサッカーがやれるかどうかっていうころから入りたいと思います。


――冒頭(Part1)でお話しになった、自分たちの戦い方をすることで、自分たちが主導権を握るゲームをしていきたいというポイントでしょうか?
大橋 はい。更に言えば「自分たちのやり方」というのをやりつつ、その中で気をつけなくてはいけない部分とかは、ゲームになった時に変化をさせないといけないと思うんです。今の日本の選手はゲームになった時の適応能力ってすごく劣ってるんですよ。言われたことに関しては非常に忠実にできるんですけど、ゲームになった時に5〜10分間、相手のリズムでやったときに自分たちのリズムに戻す力とか、そういう応用性、柔軟性というポイントでは僕はすごく気になっていたんです。それを今までもトレーニングとかゲームの中で選手たちには要求してきましたので、レベルが上のチームでやったときにもそれが出来るかどうかというところを今回は期待しています。


――練習の中でもそうしたところを随分意識されているように思いますが?
大橋 練習の時に選手には、我々の大事にしているチームとしての戦術はあるし、約束事もある。だけどゲームになったらそれを破ってでも自分の判断を通して欲しい時もあるからと伝えています。「ここへボールがきたら、次はここ、更に次にはここを狙う」という約束があったとしても、それはすべてではなく「今の状況から考えたらここではシュートを選択をしたほうがいい」というのであれば、それは是非選択しろよという風に言っています。絶対これだっていうものを日本の選手に要求してしまうと、日本の選手の課題がまだまだ修正されていかないですね。ですからあえてトレーニングの中ではそれを意識させるようにしています。


――そうしたところでの選手たちの順応性はどうですか?
大橋 普段から選手たちは、いろいろ考えているんでしょう・・・そんなに違和感なくやれるようになってきたと思います。ただ、コミュニケーションという意味ではまだまだ満足はしていません。ピッチの中で自分の意思を伝えるということは、もっとやっていかないといけないところで、今回の大会でも「本当に必死な状況」の中で、どれだけそれがやれるかということも楽しみにしています。これはすぐ解決するような問題ではないのですが、それが出来ないと優勝はおろか、勝つことも出来ないのではないかなと思います。


――東アジア大会を経て、ワールドカップ、その後の北京(五輪)まで続いていきますがどんなビジョンで進んでいくんでしょうか?
大橋 この時期に東アジア大会で、北朝鮮、韓国、中国とやれるというのはすごくありがたいです。来年の7月にワールドカップの予選があるので、それまで1年あるわけですよね?ですから、個の技術や戦術の強化を今までやってきて、ここでアジアの強豪チームと試合をして、もう一回やるべきことを確認する。そしてその後一年間トレーニングしていくと・・・。それで今年のLリーグが終わったあとは、いろんな形で選手を招集しながら、もう1回レベルアップしていくべきだと考えてます。更に年が明けて、またチームを作りながら来年のワールドカップの予選を勝ち抜いて、世界に出て行きたいと思っています。
ただし、ワールドカップに出るだけじゃなくて、これからは世界の強豪とどれだけ戦えるかっていうことが、重要になってくると思います。男子と同じようにワールドカップに出ること、オリンピックに出ることというのは、目標のひとつであって、もっと上を目指していかなくちゃいけないんですよね・・・それは女子にも同じことが言えると思います。


――では、世界で戦うために、今やるべきことは何だとお考えですか?
大橋 そこまでに監督としては、きちっとしたチームの底上げと、個々の選手のレベルアップをやっていきたいなと思っています。世界で戦える、あるいは世界で何本かの指に入る選手がもっと出てこないことには、チームが世界で戦えるなんてことはまずありえないと思っています。それを選手たちにも言ってるんですよ。だから「個」がしっかりレベルアップしないことには、それはごまかしでしかないし、45分がんばれても90分は苦しかったり、90分の1試合は出来ても次の試合で負けちゃったり・・それではいけないと思うんです。ですから、そういう意味でもっともっと「個」のレベルアップをしないと世界で戦えるチームはできないと思います。


――それは、今のなでしこジャパンにとって難しいことでしょうか?
大橋 いや、そんなことないですよ。選手はやるべきことをしっかりやってるし、日本の選手は絶対できると思います。選手たちにはすごく可能性がありますからね。


――では、最後にサポーターの方にメッセージをお願いいたします。
大橋 今度の東アジア大会は精一杯がんばりますので、是非応援をお願いいたします。

★「大橋浩司監督インタビュー〜1〜」はこちらから


大橋監督が書いてくださった「初志貫徹」。選手もご自身も「これがないとなかなかレベルアップしていかない。これを見失っていくとレベルアップは難しい」とおっしゃっていました。「最初思ったことをずっと思いつづけるっていう力・・・これは能力だと思います」というお言葉に・・・納得。簡単なようでとっても難しいことかもしれませんね。毎日それを見て忘れないように選手には「書いてトイレに貼っとけ」っておっしゃったそうです(笑)
大橋監督のお話はまだまだ尽きることはなさそうです。これからも随時お伝えしてまいりますのでお楽しみにしてください。大橋監督となって新生なでしこジャパンで臨む初の大会です!!彼女たちはきっとまたあのひたむきなプレーを見せてくれることと思います。


★「大橋浩司監督インタビュー動画」はこちらから★

★J's GOALの日本代表特集[なでしこジャパン]はこちらから★
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