この試合が残留争いの一戦に位置づけられることは最初に触れなければならない。第25節終了時点での順位はFC東京が15位、湘南が17位。18位以下の3チームが自動降格となることを踏まえると、降格圏の足音はそう遠くないのだ。
仮にFC東京がこの試合に勝ち、18位・横浜FMが負けて19位・横浜FCと20位・新潟が引き分け以下に終わると、降格圏との勝点差は『11』に広がる。残り試合数を考えると、FC東京としてはこの段階で差を広げたいのが言うまでもない心境だろう。
ただ、FC東京としては、ホーム・味の素スタジアムで行われた前節・鹿島戦で勝利を飾っておきたかったはずだ。試合後に高 宇洋が「前半の試合運びも良かったし、チャンスもあった」と振り返ったとおり、内容は悪くなかった。だが、そのチャンスを決め切れないでいると終盤、田川 亨介にゴールを奪われて0-1で敗戦。これには松橋 力蔵監督も「内容については攻守においてさまざまな対応ができていた」と評価しながら、「結果で納得せざるを得ない試合」と悔しさをにじませた。
このFC東京を2つ下の順位で追いかける湘南の状況はどうだろうか。前節、アウェイで迎えた柏戦は立ち上がりこそ高い位置からのプレスで相手の攻撃の芽を摘むも、徐々に押し込まれると、相手の好機が続いた44分に失点。後半はいち早く追いつきにかかるかとみたが、交代カードを切っても劣勢は変わらず、しまいには90分に2失点目を喫して万事休す。山口 智監督は「うまくいったところもあったが、徐々に守備の時間が多くなって、抑えられなくて、技術的なところも出てしまったゲームになった」と振り返った。
これで湘南は9試合勝利なし。第24節・C大阪戦こそ3得点で攻撃に希望の光を見たが、ここ2試合(第21節・浦和戦、柏戦)は合わせて1得点となかなかゴールを割ることができていない。片や失点も多いことを考えれば、今節で勝利することはもちろん、できる限り得失点差をプラスに近づけていくことが、以後の戦いをラクにする上でも必須と言えるだろう。
注目選手には、7月に加入した太田 修介と松本 大弥を挙げたい。新潟から完全移籍加入した太田 修介は、C大阪戦から3戦連続先発。浦和戦ではルイス フェリッピのアシストを受けて加入後初ゴールをマークするなど、早くも力を発揮している。広島から完全移籍加入した松本 大弥も、C大阪戦から2試合続けて途中出場を果たすと、前節は先発フル出場。広島在籍時を含めてもリーグ戦は今季初先発だったが、守備だけでなく攻撃でスイッチを入れる縦パスを供給するなど、随所で持ち味を発揮した。
対するFC東京も、GKはここ3戦連続でキム スンギュが務めているほか、長倉 幹樹が結果を残すなど、シーズン中盤に加入した選手が躍動している。残りのリーグ戦では、こうした新戦力と既存の選手たちがより高いレベルで融合し、1つのチームとして戦うことこそが勝利を手繰り寄せるカギとなるだろう。
リーグ前半戦の対戦ではスコアレスドローに終わった湘南とFC東京。文字どおりの“負けられない一戦”は、8月16日19時にレモンガススタジアム平塚でキックオフを迎える。
[ 文:河合 萌花 ]
