「この先J1に定着し、優勝争いをして世界に羽ばたくために。まずはクラブ史上初のJ1自力残留を確実に達成する(※2020年はJ1で15位。レギュレーション変更により『降格クラブなし』の特例ルールが適用されたシーズンだった)」 1月13日に行われた新体制発表会での力強い四方田 修平監督の言葉とともに、横浜FCの未来を切り拓くための挑戦が幕を開ける。2023シーズンは編成の約半数にあたる20名の新加入選手を迎え、攻撃特化のチーム作りに挑戦したものの、開幕から10試合未勝利が大きな痛手となり、降格枠が『1枠のみ』だったビッグチャンスを逃した。
その反省を生かし、今季は既存選手の慰留に加えて、堅実な補強を実施。昨季、驚異の14アシストを記録した福森 晃斗の期限付き移籍加入期間を延長したほか、中盤には駒井 善成、前線には鈴木 武蔵が完全移籍で加入し、四方田 修平監督が札幌のコーチ時代にともにプレーした選手たちがそろった。「“まさか”という事態は起きにくいのではないか」と、四方田 修平監督は新チームを総評する。
スタイルとして、昨季のJ2で最少失点を記録した堅守がベースであることは変わらないが、今季は“3人目の動き”を意識した再現性のある流れからのチャンスメークを強化。昨季の強みだったセットプレーからの得点や、裏のスペースを活用した攻撃に加え、「つながりのある、見ている人がワクワクするサッカーができるのではないか」と福森 晃斗も手ごたえを語る。
対するFC東京は、2022シーズンから取り組むフットボールスタイルの転換を推し進めるべく、新潟を3シーズン指揮した松橋 力蔵氏を新監督として招聘。より能動的にボールを動かして主導権を握るサッカーの実現を目指す。
4年半ぶりに復帰した橋本 拳人をはじめ、編成はタレント揃い。さらに高 宇洋や、仲川 輝人、遠藤 渓太と、コーチ時代を含めて過去に松橋 力蔵監督の指導を受けていた選手も多い点は、横浜FCと同様だ。「手探りな部分もありますが、攻撃的なサッカーを展開していきたい」(橋本 拳人)と意気込むとおり、前がかりな姿勢でアウェイに向かう。
一方の横浜FCは、過去J1で過ごした4シーズンは開幕戦未勝利。昨季はJ2におけるクラブの連勝記録や無敗記録を塗り替えており、着実にチームの基盤は向上している。“エレベータークラブ”からの脱却の第一歩として、J1開幕戦初勝利をもぎ取ることができるか。
[ 文:青木 ひかる ]
