開幕への意気込み
ジェフユナイテッド千葉
佐藤 勇人がホーム開幕会見で明かした主将就任の秘話と覚悟
「すごくスピーディーなサッカーを見せるし、ボールも人も動いてハードワークするジェフらしいサッカーをするので多くの人にきてもらいたい」
千葉のホーム開幕戦を2日後に控えた1日、ユナイテッドパークで開かれた記者会見で昨季に続いて主将を務める佐藤 勇人は新潟戦への意気込みを語った。
会見で話題に上ったのが佐藤勇を主将に指名した経緯。会見に同席したフアン エスナイデル監督はこう明かす。
「まずはプロフェッショナルとして素晴らしい。試合に出る、出ないにかかわらず、招集される、されないにかかわらずにハードワークをする。彼はあまり喋りません(笑)。だだ、私はリーダーというのは必ずしも喋るタイプである必要はないと思っています。態度、背中で見本を見せるリーダーも多くいる。勇人はそういう選手。キャプテンになりたくなかったようで、彼が喜んでいるかどうか分からないが、私は満足しています(笑)」
指揮官はこの2年間、佐藤勇の寡黙だが真摯な人間性に触れ、迷うことはなかった。
対する佐藤勇のアンサーはこうだ。
「プロ選手になって試合に出始めた3年目から、去年が最も試合に出られなかったシーズンでした。その翌年に監督が自分をキャプテンに任命してくれた。自分は直接監督に言いました。『すごくありがたいですけど、常にピッチに立つ選手がキャプテンをやるべきじゃないか』と」そして、少し間を取り、「これは監督室の話なので、ここで言うと怒られるかもしれない(笑)」と前置きして言葉を続けた。
「監督の中でキャプテンは1週間の中の1試合だけではなく、毎日のトレーニング(での振る舞い)が重要だと。『だからお前にやってもらいたい』と。その言葉を頂き、引き受ける覚悟を決めた。そういう試合以外のところも見てくれているという意味で、ものすごく感謝して引き受けました」
昨季8試合の出場にとどまったチーム最年長にはもちろんプレーヤーとして今季に期するものがある。その中で自分だけに矢印を向けるのではなく、主将という重責との両立を選んだ。その事実こそがバンディエラの今季に懸ける覚悟の表れである。
文・大林 洋平(エルゴラッソ千葉担当)