カターレ富山が14日、Ｃ大阪のホーム長居に初めて乗り込んだ。Ｊ２ファンを驚かせた試合結果をはじめ、大阪で富山を大いにアピールした一日となった。

　楚輪博監督と副島博志ヘッドコーチはＣ大阪で監督経験がある。選手にも関西ゆかりの者が少なくない。長居での一戦はチームにとって特別なものだった。試合前、監督名を告げるアナウンスに、Ｃ大阪のサポーターは拍手とブーイングで応えた。
　古巣相手の意気込みを尋ねると、いつも楚輪監督は「昔のことだから」とそっけない。だが、この日のベンチ前でのアクションには確かに熱がこもっていた。激戦の末に３−２で勝利。スタンドに親族の姿をみつけて笑みがこぼれた。

　ルーキーのＤＦ舩津徹也選手は大阪府出身。小学生の時に所属した藤井寺市サッカースポーツ少年団から、子どもたちと父母ら100人を超える応援団が駆け付けた。地元で初めてのゲームで先発し、追加点となる２点目のゴールを挙げた。
　舩津選手は「恩返しのためにも点が取りたかったのでよかったです。でも、意気込んで緊張したからか、途中で足がつってしまった。チームに迷惑をかけました」と初々しく語った。同少年団の育成部会長の近藤正幸さんは「舩津君には、大阪に100人のサポーターができたと思って今後も頑張ってほしい」と話した。
　Ｃ大阪でジュニア時代からプレーしてプロデビューした川崎健太郎選手がＣＫで舩津選手のゴールを演出した。先制点を挙げた石田英之選手も京都府出身で、スタンドの家族や友人に雄姿を披露した。

　近畿富山県人会から100人を超える来場があり、ふるさとのチームに声援を送った。役員の一人は「こうやってみんなで応援するのは甲子園の高校野球以外では初めて。今年はスポーツ新聞を見るのが楽しみで、カターレの勝敗を確かめて一喜一憂しています」と言う。コンコースでは富山の物産展もあり、ます寿司や白えびかき餅が早々と売り切れた。
　次回のＣ大阪との対戦は９月２日に富山で行われる。越中おわら踊りで知られる「風の盆」の開催期間中でもあり、ポスターを張り出してＰＲしていた。

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2009.06.17 Reported by 赤壁逸朗