12月23日（金）2011 Jユースカップ 準決勝 名古屋 vs 広島（11:00KICK OFF/金鳥スタ）
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両チームは今季、2度戦っている。高円宮杯プレミアリーグウエストにおいて、同じリーグに所属し、ホーム＆アウェイの2試合を戦っている。対戦成績は広島の2勝0敗。3−0、2−0と広島がいずれも完封勝利を収めている。
前評判で言えば、広島が優位だろう。広島はそのままプレミアリーグウエストを制し、先週土曜日に開催された、プレミアリーグイーストの覇者である札幌ユースとの、日本一決定戦（高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 チャンピオンシップ）において、3−1の勝利を収め、ユース年代日本一に輝いており、勢いは十分。
「このチームは一人一人の団結力で勝ち上がってきた。春先を見た人は、このチームがここまで来るとは思わなかったはず」
森山佳郎監督がこう口にしていた通り、春先の広島は非常に苦しんでいた。主軸となる3年生が多く抜け、メンバーの多くは1、2年生。中学時代に大きく騒がれたようなタレントは少なく、チームとしても個としても、もの足りなさが残った。しかし、プレミアリーグウエストを戦っていくうちに1年生が急成長。春先からレギュラーを掴んでいたFW越智大和、MF川辺駿、野口翼の『1年生トリオ』が試合をこなすごとに攻撃面で起点を作り出すようになり、それぞれ武器を持つ3年生の能力が一気に引き出された。右サイドの森保圭悟は正確無比なクロスでチャンスメイクをし、MF藤井貴之の突破力と攻守におけるバランス感覚、3バックを束ねる脇本晃成の守備力。3年生が攻守において存在感を放ち始めると、U-18日本代表候補でパスセンスとシュートセンスを兼ね揃えたMF野津田岳人、守備職人のMF平田惇ら2年生が1、3年生を繋ぎとめる。
そして森山監督の闘志が全員に行きわたり、チームは今、強固な一枚岩となっている。全学年がプレー的にも精神的にも密接につながり、この大会でも準々決勝の札幌ユース戦では逆転に次ぐ逆転の死闘を演じ、4−3の劇的勝利で着実に準決勝まで駒を進めてきた。2冠まであと2勝のところまできた広島。選手たちに慢心はない。
「名古屋は前線にいい選手が揃っているし、2回戦っていることで、対策を練ってくると思う。気持ちを切り替えて、全力で挑みたい」
野津田の言葉通り、気持ちを一度リセットして、決戦に挑まんとしている。

対する名古屋は、『3度目の正直』を期している。今年のチームはトップ昇格する3選手のほかに、1、2年生にタレントを揃える好チームだ。前線には屈強なエースストライカー高原幹（トップチーム昇格）と、期待の1年生ストライカー北川柊斗がどんと構え、攻守のバランサーである奥山政幸と、U-18日本代表でオランダ・エールディビジのフィテッセ入りが決まったハーフナーマイクを兄に持つ長身センターバック・ハーフナー　ニッキ。1年生アタッカー森勇人、正確なサイドチェンジが魅力の水野泰輔（トップチーム昇格）、そして左からは正確無比な左足を操るU-18日本代表のDF佐藤和樹（トップチーム昇格）らが個性派2トップを強力サポート。
個性的な選手がしっかりとそれぞれの役割をこなせるのが魅力で、同じ相手に3連敗できないプライドを胸に、『3度目の正直』実現に向けて、モチベーションは非常に高い。

広島ユースが一枚岩を発揮して、名古屋のリベンジを跳ね返して2冠に王手をかけるのか。それとも名古屋ユースが3度目の正直を達成し、優勝に向けて弾みをつけるのか。注目の一戦は、明日11時、金鳥スタジアムで決戦の火ぶたが切って落とされる。

以上


2011.12.22 Reported by 安藤隆人