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吉田眞紀人のキャラクターを一言でいえば、「真面目」である。かつては高校選手権を沸かせた左利きのテクニシャンだが、ステレオタイプな天才型の奔放さはまったくない。むしろその真逆。2011年の加入記者会見での受け答えは初々しいといっても高校生の初々しさではなく、入社試験の面接に臨む大学生さながら。背筋を伸ばし、キビキビ、ハキハキとコメントする姿を見て、近くにいた名古屋のスタッフと「社会人の面接みたいですね」と話したことをよく憶えている。プレースタイルも名古屋での姿を見る限りは性格そのまま。高い技術をシンプルに使い、攻撃の起点となるのが持ち味だ。
１年目からチーム事情もありAFCチャンピオンズリーグでプロデビューを果たすなど順調な船出だったが、２年目の昨季はヤマザキナビスコカップでの得点以外はこれといった働きができなかった。シーズン２度目のリーグ戦となった第30節・横浜FM戦では、後半アディショナルタイムに自陣ゴール前で直接FKを与えてしまい、それを中村俊輔に叩き込まれる不運な出来事も。その後に話を聞いた時には、落ち込んでいる様子がありありで痛々しいほどだった。このあたりも彼の真面目な性格が表れている。2011年終盤には課題だったフィジカル面での改善が見られ、飛躍を期待されたシーズンだっただけに、本人としてもクラブとしても、不本意なものだったに違いない。
今回の期限付き移籍は、そうした部分を踏まえての決断だったと思っている。理論派と熱血漢の両面を持つ反町康治監督は、生真面目な吉田にはぴったりの監督だ。少し打たれ弱いきらいがあるので、できればそのあたりも叩き直してやってほしい。基本技術は個人能力の高い名古屋の中でも十分上位に位置する選手だったので、それだけで松本の大きな戦力になると思う。
高校３年の時の冬の選手権では足の小指を骨折しながらプレーを続けたり、プロ１年目には少々無鉄砲だったが脳震盪を起こすほどの激しい競り合いに挑むなど、闘争心と根性は持ち合わせている。松本サポーターの皆さん、そして反町監督、マキトをぜひとも徹底的に鍛え直してやってください。
以上
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FUJI XEROX SUPER CUP 2013
2013年2月23日（土）13：35キックオフ／国立
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2013.02.06 Reported by 今井雄一朗
