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【J1:第21節 札幌 vs 仙台】レポート:後半アディショナルタイムの劇的ゴールで最下位の札幌が首位・仙台を撃破!アグレッシブな戦いにスタジアムは大きく沸いた(12.08.12)

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前半終了時点でのスコアは0−1。12分に左CKから渡辺広大がヘディングで決めてアウェイの仙台が先制点を奪っていた。仙台は8日にヤマザキナビスコカップの準々決勝第2戦、F東京とのアウェイゲームを終えたばかりの中2日という日程でのこのアウェイゲーム。対する札幌は中6日でのホームゲームだ。
コンディション的に難しいアウェイチームの首位・仙台が、慎重に試合に入ってセットプレーから先制し、そのまま時計の針を進めてハーフタイムに突入。そこまでの展開は、よくありがちな一般的かつ淡泊なゲーム内容だったように感じる。だが、後半に入ると状況は一変。見応えのある試合へと一気に変貌していったのだ。

前半は仙台にボールを持たれていた札幌だったが、後半に入ると少しずつパスが回るようになっていく。気持ちが入りすぎていたのか、前半は一発で相手の裏を狙うパスを蹴りがちだった攻撃の大黒柱・ハモンがシンプルにボールを動かすようになり、守備的MF山本真希や両サイドバックが前方に飛び出す動きが増えていく。最下位で、J1残留に向けた厳しい戦いを強いられている札幌にとっては、相手が首位の仙台とはいえ勝点3が欲しい状況。1点を追う立場ということもあって、より積極的に前に出ていくようになる。69分には砂川誠に代えて内村圭宏を投入し、システムを4−2−3−1から3−5−2へと変更。2トップにボールを集める攻撃的な布陣へスライドさせた。

一方の仙台だが、サッカーのセオリーで考えれば、バランスよく守備陣形を保ちながら、得点が欲しいホームチームが前がかりになったところをカウンターで強襲する戦い方を徹底すればいい。しかし、手倉森誠監督はそうはしなかった。武藤雄樹、赤嶺真吾というフィニッシャーを投入し、積極的に追加点を奪いに行く姿勢を打ち出したのだ。

その背景を考えてみたい。
前述したように中2日でアウェイゲームが続いた仙台は、「今シーズンのスケジュールのなかで、今日が一番しんどいぞという話は選手達ともしていた」と手倉森監督。また、そうした状況下で指揮官は「1−0というのは安全なスコアではない」とも見ていた。早い話が、いち早く追加点を取って勝負を決めて、メンタル的にも身体的にも楽になりたかったのだろう。
そんな状況や思惑が重なり、双方が得点を奪いに出るアグレッシブなゲームが展開されていったのだ。
そうしたなかでゴールネットを揺らしたのは札幌だった。79分、ペナルティエリア入口付近でタメを作った内村が右サイドを駆け上がる山本へパス。その折り返しに、アウトサイドから内側に入り込んでいた日高拓磨が思い切って飛び込み頭で決めたのだ。

同点とされた仙台には誤算があったのだろう。それは言うまでもなく、予想以上にコンディション的に厳しかったという部分だ。前半は体力の消耗を考えながら、中盤からシンプルにサイドへボールをつけて過度な負荷がかからない戦いをしていた。しかし、そうして戦いながらパワーバランスを上げてきた札幌の攻撃を受け止めているうちに、チームとして前に押し上げるだけの体力がなくなり、なかなかボールを縦に運べなくなってきたのだ。そして横パスを狙われ、よりラインを下げさせられるという悪循環な時間帯も出てきてしまっていた。
ただし、だからといって仙台は凌いでいるだけではいけない。首位としては、アウェイゲームとはいえやはり最下位相手の取りこぼしは避けたいところ。いや、勝点3を取らなければいけない。フィジカル的に難しい状況ながらも、前に出なければいけないという苦しい展開に追い込まれてしまったのだ。
ゲームコントロールができて、好守に元気よく走り回れるMFがベンチにいれば、その選手を投入して息を吹き返すこともできたかもしれない。だが、この日の仙台は角田誠、富田普伍を欠いていたため、中盤が手薄な状況だった。結果、FWに決定力のある選手を入れることで攻撃力を上げるという選択に至ったのだろう。

そして後半のアディショナルタイム。決勝点を奪ったのはホームチームのほうだった。
左サイドでハモンからのパスを受けた岡本賢明が「中にたくさん味方が入ってきていたので、速いボールを蹴れば何かが起きると思った」とクロスを蹴り込むと、ボールは懸命に足を伸ばした仙台DF渡辺の足に当たってゴールに吸い込まれたのだ。2−1。最下位の札幌が、首位の仙台を撃破した瞬間だった。

あらためて記しておきたいのは、このゲームが本当に見応えのあるものだったということ。特に後半はリードされたホームチームが猛然と相手ゴールに迫ったし、リードしているアウェイチームも引くことなく追加点を目指した。1−1のスコアになってからもその構図はまったく変わらず、両チームが出来る限りの工夫をこらし、力を尽くして攻め合ったゲームは非常にアグレッシブだった。個人的な感想で恐縮だが、もしこの試合がドローのまま終わっていたとしても、観衆はそれなりの充実感を得て家路につくことができたような気がする。ゲームの結果はもちろん重要だが、それと同じくらい、時にはそれ以上にタイムアップまでのプロセスも重要なのだと、あらためて気が付かせてくれる首位と最下位との熱いバトルだった。

以上

2012.08.12 Reported by 斉藤宏則
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