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クラブライセンス交付判定結果および説明会メディアブリーフィング 発言録

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2019年10月3日(木) 18:45

クラブライセンス交付判定結果および説明会メディアブリーフィング 発言録

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クラブライセンス交付判定結果および説明会メディアブリーフィング 発言録
クラブライセンス交付判定結果および説明会メディアブリーフィング 発言録

クラブライセンス交付判定結果および説明会メディアブリーフィング 発言録

2019年9月27日(金)14:00~
JFAハウス4階 会議室409、410
登壇:Jリーグクラブ経営本部 本部長
クラブライセンス事務局クラブライセンスマネージャー・青影

〔青影本部長からの概要説明〕
本日は2019年度のクラブライセンス判定結果のご説明をいたします。お手元の資料は3点です。①クラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定による2020シーズンに関するJリーグクラブライセンス判定の概要②判定の概要・A4横の資料、③リリースとなります。主に①クラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定による2020シーズンに関するJリーグクラブライセンス判定の概要の資料を使ってご説明をさせていただきたいと思います。本日ご案内しますのは2020シーズンのクラブライセンスに関しまして、例年通り9月に判定を行いました。その結果をご説明させていただきます。

資料①クラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定による2020シーズンに関するJリーグクラブライセンス判定の概要
資料②2020シーズンJリーグクラブライセンス 判定の概要表

◎トピックスについて ※PPT②ページ
(1)44クラブにJ1クラブライセンスを交付、4クラブにJ2クラブライセンスを交付
(2)J1クラブライセンスは昨年度から3クラブが新たに取得(町田、鹿児島、琉球)
(3)新たにJ1クラブライセンスを取得した3クラブ(町田、鹿児島、琉球)は、昨年度に改正したスタジアム及びトレーニング施設の例外適用を申請したもの
(4)水戸は昨年に続き、解除条件付きにてJ1クラブライセンスを取得

今回は、48クラブにJ1・J2ライセンスを申請いただき、J1クラブライセンスは44クラブ、J2クラブライセンスは4クラブに交付となり、昨年との違いでは、3クラブがJ1ライセンスを新たに取得となりました(2)。9月の理事会後定例会見でも新規入会を目指しているクラブのJ3のライセンス審査結果をご説明いたしましたが、武蔵野がスタジアムの例外適用を行い、認められたことによりライセンスが交付されました。J1・J2のクラブライセンスにおきましても、町田・鹿児島・琉球が、今年から始まっている新基準(スタジアム基準、トレーニング施設基準)で例外適用の申請を行い、それが認められたために、J1ライセンスを今回取得することになりました。(4)の水戸は、昨年同様に、解除条件付きでのJ1ライセンス取得となりました。トピックスは、以上4点です。

また、PPT3ページからは、細かな内容に入っていきますが、クラブライセンス制度の概要につきましては、これまでと変わりませんので、割愛させていただきます。必要に応じてご確認をお願いいたします。

1.Jリーグクラブライセンス制度の概要
1-1.今回の決定で交付されるクラブライセンス
(1)クラブライセンスの種類

※PPT3、4ページ資料参照のため割愛。

1-2.決定を行う機関
(1)クラブライセンス交付第一審機関(FIB)
(2)クラブライセンス交付上訴機関(AB)

1-3.Jリーグクラブライセンス制度に関する組織構成
※PPT5、6ページ資料参照のため割愛。

1-4.決定までの主なスケジュール
細かな日付は変わっておりますが、全体の流れは例年通りですので、説明を割愛いたします。
※PPT7ページ資料参照のため割愛。

2.判定結果、制裁および特記事項など
2-1.クラブライセンス判定結果概要①
①申請を行った48クラブのうち、44クラブがJ1クラブライセンス、4クラブがJ2クラブライセンスの交付判定
②施設基準の例外適用申請により町田、鹿児島、琉球が新たにJ1クラブライセンスを取得
(昨年はJ2クラブライセンス取得)
③J2クラブライセンスが交付されたのは4クラブ
*ホームスタジアムがJ2基準(入場可能数10,000人以上15,000人未満):鳥取
*トレーニング施設がJ2基準: 秋田・長野・鳥取・讃岐
※J3クラブのうち、八戸・岩手・福島・YS横浜・相模原・藤枝・沼津の7クラブはJ3クラブライセンスを申請。10月のJリーグ理事会にて判定が行われる

J1クラブライセンスは44クラブ、J2クラブライセンスは4クラブとなりました。
J2クラブライセンスとなった秋田・長野・鳥取・讃岐はホームスタジアムまたはトレーニング施設の両方または、いずれかがJ2基準のため、J2ライセンスとなりました。不交付となったクラブは0でございます。

2-1.クラブライセンス判定結果概要②
(1)クラブライセンス

PPT10ページ資料参照のため割愛。
(2)スタジアムに関するB等級基準の充足状況
PPT10ページ参照。例年通りのため割愛。
(3)判定に付帯する事項
是正通達があるかないかの記載ですが、今回は0となりました。是正通達の細かい説明は、PPT19ページになります。昨年は琉球でしたが、今年はFIBから強い指導を行うような対象クラブはありません。そのため、該当クラブが0となりました。

2-2.解除条件付交付
(1)解除条件付交付とは

◆クラブライセンス交付判定についての解除条件があり、FIBより通知された解除条件が成就した場合には、付与されたJ1クラブライセンス効力を失い、J2クラブライセンスに変更される
◆よって、クラブライセンス判定時には規則上「Jリーグクラブライセンスの交付拒絶の決定を受けた場合」に該当すると取扱われ、クラブは上訴申立てを行うことができる
(Jリーグクラブライセンス交付規則 第26条第3項)
※2014年に鳥取に対して行われた「停止条件付交付」との違い…停止条件付交付は、停止条件を充足した場合に限り、クラブライセンス付与の効力が発生

昨年、初めて出てきた項目ですが、水戸に対して解除条件付交付になりました。過去においては、昨年度の水戸に加えて2014年に、意味合いが違いますが、停止条件という判定結果に付与されるものがついたことがございました。

(2)解除条件付の内容
◆11/24の明治安田生命J2リーグ最終節、または12/1(予定)より始まるJ1参入プレーオフ決定戦後、昇格のための順位要件を充足できなかった場合(=スタジアムの短期改修工事を行わないことが確定した場合)、J1クラブライセンスからJ2クラブライセンス付与へ変更される
◆上記シーズン終了時に改めて、Jリーグより解除条件付交付クラブの状況を踏まえたクラブライセンス交付の最終結果について発表する予定

水戸からは、順位要件が充足されなかった場合、スタジアムの改修工事は行わないと聞いておりますので、J1ライセンスの基準を満たすスタジアムが整備できないことが、この時点で確定しますので、J1からJ2ライセンスへ変更となります。水戸の場合は、他のスタジアムと異なり、短期間の改修工事で対応が可能です。本来は半年や1年かかることが多いですが、短期間で改修工事ができることもあって、このような対応を取らせていただいています。J1で来年戦えるかどうかということが判明した後で改修を行っても、開幕戦に十分間に合うという前提の条件が水戸にはあるので、このような解除条件をつけさせていただいております。順位要件によって、水戸は改修をするかどうかの意志決定が入りますので、昇格できない場合は、解除させていただき、J1からJ2になるという設定です。

2-3.B等級基準の未充足による制裁①
(1)B等級基準とは
(2)施設に関するB等級基準の例
2-3.B等級基準の未充足による制裁②
(3)制裁内容

※PPT12、13ページ資料参照のため割愛しますが、一部のクラブでは改修が進んでおります。PPT18ページの2-5.主な施設の改善状況を参照ください。

2-5.主な施設の改善状況 
(1)トイレの洋
式化を進めたスタジアム
①FC東京【味の素スタジアム
②東京V【味の素スタジアム
③横浜FM【日産スタジアム
④金沢【石川県西部緑地公園陸上競技場
⑤清水【IAIスタジアム日本平
⑥讃岐【Pikaraスタジアム
※FC東京・東京V・横浜FMは、トイレの数が基準を100%充足することとなった
※清水・讃岐は、従来トイレの数の不足が制裁対象であったが、制裁免除(トイレ60%ルール)となった

(2)クラブが制裁免除となった新設もしくは大規模改修の計画があるスタジアム
①町田【町田市立陸上競技場
②C大阪【桜スタジアム(長居球技場) 】

2-3.B等級基準の未充足による制裁③
(4)制裁対象

・トイレの数の不足のみ…0
・屋根のカバー率の不足のみ…19
・トイレの数・屋根のカバー率いずれも不足…4

合計23のスタジアムが制裁対象となりました。

2-4.施設基準判定結果概要①
PPT15~17ページは、現在の所属リーグに合わせてクラブを配置し、それぞれのクラブが施設基準において、何を充足し、何が充足していないのかを俯瞰できるようにまとめさせていただいた表になります。

(1)2019シーズン J1クラブ

[凡例]
◎…1万5000人人以上(入場可能数)、J1基準充足(トレーニング施設)、基準充足(屋根・トイレ)
◯…建設中(トレーニング施設)。未充足であるが60%ルールにより制裁免除(トイレ)
△…1万人以上1万5000人未満の入場可能数。J1基準未充足(トレーニング施設)
☓…未充足のため制裁対象
赤字…新設・改修により基準を充足・クリア
青字…改修を実施

◎はスタジアム、トレーニング施設ともにすべて充足となります。☓は、ライセンス上、基準を充たしていない不交付ではなく、B等級違反で未充足のため制裁対象となっているものです。

2-4.施設基準判定結果概要②
(2)2017シーズン J2クラブ

J2クラブの中には、黄色の色塗り、Ksスタジアムが対象ですが、スタジアム自体はJ2ライセンス基準を満たしたスタジアムということを意味しています。しかし、クラブには塗りつぶしがありません。水戸は解除条件付きながらJ1ライセンスを取得できていますので、Ksスタジアムをホームとして来年J2で戦う場合はJ2ライセンスですという意味です。入場可能数のJ1基準を満たしていないためです。また、今年からオレンジで色塗りされているクラブがあります。町田、鹿児島、琉球は、例外適用を申請し、J1ライセンスを取得したクラブです。本来ですと、いずれかの基準が充足できていない条件ですが、新たに新設しました例外適用を申請し、今回はJ1ライセンスを取得できたクラブです。

2-4.施設基準判定結果概要③
(3)2017シーズン J3クラブ

J1、J2のクラブライセンスの申請をしていただいた既存のJ3に所属する8クラブ(秋田、群馬、長野、富山、鳥取、讃岐、北九州、熊本)を表にしました(PPT17ページ)。J3ライセンスを申請したクラブにつきましては、理事会での意志決定となりますので、今回の資料には掲載しておりませんので、ご留意ください。

秋田、長野、鳥取、讃岐はスタジアム、トレーニング施設のいずれかが充足しなかったため、J2クラブライセンスの取得となりました。

秋田…トレーニング施設
長野…トレーニング施設
鳥取…スタジアム入場可能数、トレーニング施設
讃岐…トレーニング施設

2-5.主な施設の改善状況 
先程、ご説明したので、割愛いたします。

2-6.是正通達①
(1)是正通達とは

・クラブライセンス交付判定に付帯して、クラブ経営上是正すべき点があるとFIBが判断したクラブに対し、是正措置を通達するもの(Jリーグクラブライセンス交付規則 第15条)。
・趣旨としては、「FIBによる制裁またはクラブライセンス不交付」という強制力を行使する前に、クラブが自ら経営を改善し、「債務超過」および「3期連続赤字」とならないよう、強い指導を行うものである。

(2)是正通達の概要
PPT19ページ参照のため割愛。

2-6.是正通達②
(3)是正通達の対象クラブ

2014年申請…対象4クラブ
2015年申請…対象1クラブ
2016年申請…対象0クラブ
2017年申請…対象1クラブ
2018年申請…対象1クラブ
2019年申請…対象0クラブ

2017、2018年の連続で琉球が是正対象となりましたが、クラブの経営努力もあり、比較的改善が進みました。そのため今回、是正対象から外れました。琉球に関しては、まだまだ赤字が続いている中、PLでの黒字化というよりは、増資や他の対応で財務的には問題ない水準まで到着していますので、黒字化に向けて対応していただきたいと考えています。

PPT22ページ、2-7特記事項②(3)特記事項の対象クラブ、財務の欄には琉球が記載されています。

2-7.特記事項①
(1)特記事項とは

クラブライセンスの判定結果に直接は関係ないが、クラブに注意喚起を行っておくべき事項を通知するものです。

(2)特記事項の内容
①財務
Jリーグが予算進捗・編成等につき随時ヒアリングを行う
②スタジアム
2020シーズンJリーグ開幕前日までにスタジアムの改修工事が完了しない場合、もしくは新設のスタジアムの供用が開始されない場合には、クラブライセンスが取消されるか、制裁が科される可能性がある
③トレーニング施設
2020年1月31日までにJ1基準のトレーニング施設の供用が開始されない場合には、クラブライセンスが取消されるか、制裁が科される可能性がある
④制裁免除(トイレ60%ルール)
スタジアムのトイレの数について本来は基準未充足であるが、60%ルールを理由に制裁免除となっている
⑤制裁免除(スタジアム新設、改修)
来シーズン使用予定のスタジアムは本来は基準未充足であるが、スタジアムの新設または大規模改修を理由にスタジアムのトイレの数、屋根のカバー率について制裁免除となっている
⑥例外規定(猶予期間)
スタジアム及びトレーニング施設について、例外規定による上位ライセンスを交付する。⑥が新たに設置したものになります。

(スタジアム基準改定内容の詳細)
2-8.例外規定の内容①

ここまでの中でトピックとして挙げさせていただきましたスタジアム基準の改定内容について、昨年末にご説明いたしましたが、内容が難しく、説明から時間が経過しておりますので、改めて資料を作成いたしました。

「競技の公平性」を向上させ、「基準充足」のためだけではなく最適な整備計画を検討でき、「理想のスタジアム」の整備が促進される2つの例外規定を制定しました。
1.競技の公平性
2.基準充足に向けた投資
3.理想のスタジアム

以下の要件を満たしていれば、例外を認め上位のライセンスを取得可能とします。
【例外規定1】
以下の要件を満たす工事が着工されていれば、基準を充足しているものと判断します
1)申請から4年目のシーズンの開幕までに完成するスケジュールであること
2)『工事期間中も試合開催に支障をきたさないと理事会が認めること

これまでは、改修が終わらないとライセンスの交付ができなかったのですが、ある程度工事の進捗が見えて、完成することが担保されている状態で、当然、改修工事中も試合開催に支障がないと判断されれば例外的に上位ライセンスを認めることにしました。例外規定1に基づきましては、町田が申請を行い上位のライセンスを取得しました。

【例外規定2】
「理想のスタジアム」の4要件を満たすスタジアムの整備であれば、完成まで5年間の猶予期間を設け、基準を充足しているものと判断します。4要件は①アクセス②屋根③Wi-fiや高密度通信装置がついていること、ビジネスラウンジやスカイボックスがあること、④フットボールスタジアムであることというリーグが掲げる理想のスタジアムの4要件です。
1)『昇格後3年以内に、場所・予算・整備内容を備えた具体的なスタジアム整備計画を提出すること
2)5年以内に工事が着工されていれば、例外規定1との組み合わせも可能

【注】上記いずれの例外規定であっても、猶予期間を設定できない照明・諸室については、従前どおりシーズン開幕までに整備する必要がある(猶予が可能な項目は、「入場可能数」および「大型映像装置」のみ)

※上記例外規定設置に伴い、トレーニング施設基準に関しても、内容は変更せずに猶予期間3年を設けています

上記により、鹿児島と琉球がJ1ライセンスを取得することができました。

2-8.例外規定の内容②
■町田を想定したイメージ

※PPT25ページ参照。

2019年6月末までにライセンスを申請

2023シーズン開幕に完成していなければならない
2022年に翌シーズンのライセンス判定を行うため、開幕までにしっかりと完成し、準備をできることが確認できれば、問題ないと考えております。

ただし、工事期間の延長やストップなどで約束が守れなかった場合、ライセンス申請のタイミングで守れずに5年、6年かかりますという場合には、例外規定1の効力を失いますので、そのときに保有しているスタジアムのライセンスということになります。つまり翌年は下位リーグに降格します。

2-8.例外規定の内容③
■鹿児島・琉球を想定したイメージ

※PPT26ページ参照。

猶予期間の考え方は町田と同様です。こちらは5年以内に完成しないといけませんが、3年目に節目が来ます。3年目までに場所、予算、具体的な計画を出していただきます。このタイミングでデッドラインを設けて、具体的な計画が出ていない状況で、この後年数が進んでも、おそらく5年以内の完成は無理だろうという予測のもと、3年目に設けております。
具体的な計画を確認しOKとなった場合、工事が始まったものの、5年目の段階でさらに工期がかかる状況であれば、例外規定1が適用され、3年工期を延長することができます。5年の目安で完成を目指していただきますが、最大で例外規定1を併用すれば8年間で作ることができます。ただしこちらも例外規定1と同様に、約束を守れなかった場合は、そのときに保有しているスタジアムのライセンスということになり、翌年は自動的に下位リーグに降格します。町田・鹿児島・琉球は上位ライセンスが取れましたが、鹿児島・琉球は今シーズンの順位要件をもとにした昇降格を踏まえ、昇格となった場合のみ、この条件が発動します。そのため、昇格を勝ち取らないと、J2のままです。J2のままである=猶予しているというようにとらえられないため、例外規定は発動しないと考えています。昇格して、初めて、本来の施設のグレードに合わせたライセンスよりも、例外的に認められたライセンスを保有している状態で上位のリーグに所属することになります。この時初めてこのトリガーが引かれて、猶予期間がスタートしますので、ここから5年または8年になります。今シーズン、鹿児島と琉球はJ1ライセンスを取得できましたが、昇格によって例外規定がスタートするとご理解ください。

3.クラブライセンス制度の効果(導入から8年目を迎えた過去7年間の振り返り)
3-1.クラブライセンス各基準の達成状況
※PPT28ページ資料参照のため割愛。

3-2.財務基準に関するトピックス①
※PPT29ページ資料参照のため割愛。

3-2.財務基準に関するトピックス②
ライセンスが始まる前は、単年度赤字が18クラブ。3期連続赤字が4クラブ。債務超過が11クラブでした。恒常的な赤字を出しているクラブや債務超過につながるような赤字も多かったのですが、現状の単年度赤字18クラブとは内容が全く異なります。こうした状況を打破するために、クラブライセンスの導入が始まりました。順調に各クラブの状況は改善し、2016~18年で債務超過は0クラブ。2018年度は3期連続赤字が1クラブ発生してしまいましたが、債務超過にはなっておらず、当初の財務基準よりは改定されているので、そのルールに基づいて財務基準に抵触していない状況です。端的に申し上げると純資産が琉球にはあるので、ある程度の連続赤字には耐えられる状況と判断され、ライセンス上は、今のところ問題になっていません。

しかし、今後赤字が続いて純資産が減ったり、単年赤字が増えていったりすると、途端に抵触する可能性が出てきますので、そのあたりは注意が必要です。2018年度は18クラブが赤字ですが、比較的連続赤字のルールを変えたことによって、予算の段階で赤字になっても良い順位を獲得したい、それだけ純資産が溜まっているので、余裕を持って先行投資ができるクラブが少しずつ増えているのかと思っております。それでも赤字は避けたいので、黒字の範囲でしか投資はしない、予算を作らないというクラブもあります。それぞれの経営のスタイルがありますが、18クラブは、こうした観点で赤字を計上しているクラブです。逆に、突発的な事象や、想定していた売上が未達でスポンサー営業がうまくいかなかったり、チケット収入が足りなかったりすることで、赤字になってしまうクラブが増えてくると、3期連続赤字のルールを見直したことが、マイナスに働いてくるのかなという評価になると思っています。現状では、そこまでには至っていないので、もうしばらく、このルール設定でいいのかなと感じます。

3-2.財務基準に関するトピックス③
リーグ全体の規模感で、営業収益・スポンサー収入・入場料収入をまとめたものです。7月にご案内したとおり、2011年から右肩上がりで、2018年は1257億円の営業収益になりました。一方で営業費用もある程度、同じ水準で増加しておりますので、2018年度は1231億円です。今シーズンにつきましては、この数字を上回るのではないかと期待して、見ているところです。

3-3.施設基準に関するトピックス 
2012年から2019年の申請の間に、トイレや屋根のカバー率の不足がどれぐらいのスタジアムであったのかを示しています。トイレでは、当時は32のスタジアムで不足しており、B等級基準に抵触している状況でしたが、ホスピタリティーの面でのトイレは、大幅に改善できています。洋式化により不足数は大きく減少しました。
屋根のカバー率も、若干減っております。2017年度は21、2018年度は23と未充足数が増えているのは、初申請の秋田、水戸が初めて笠松運動公園陸上競技場をホームスタジアムとして申請を行ったため2クラブが増加しました。実態として、既存のスタジアムの屋根の状況が悪くなったのではありません。申請クラブが増えたので、カバー率不足が増えました。屋根のカバー率は大規模な工事になりますし、金額も多額に発生します。屋根の修繕よりも新設工事を考えたり、それぞれのクラブで検討方法はあるのですが、トイレの改修よりは時間がかかっているということがわかると思います。
一番下の行では「主な新設または大規模改修について」を記しました。いよいよ2019年申請の中では京都のスタジアムが来年、運用開始になるということで、楽しみにしておりますが、続々と新しいスタジアムや大規模改修も合わせて、2012年から始まったライセンス制度の中で進んできている状況でございます。

②判定の概要、A4横の資料に関しましては、資料をご確認ください。詳細は割愛いたします。

【質疑応答】
Q: 
①町田、鹿児島、琉球の件で確認です。町田は整備計画があるのでJ1ライセンス交付ということでしょうか。
②鹿児島と琉球は新しいスタジアムを作るのでしょうか?現段階で具体的な話は出ていないものの、認められているという解釈でよろしいのでしょうか。

A:青影
①町田は、すでに着工しています。
②鹿児島と琉球ですが、今回、レベル感は違いますが、クラブから宣言してもらえればOKとしています。具体的な計画の提出は3年後になります。また、新しいスタジアムを作る動きや考えを、クラブが持っているので申請をしてもらっています。ただ、自治体を含む整備主体の方、作っていただく方としっかりと合意が取れているかの確認は3年後に行うつもりです。3年かけて検討いただき、場所の確定、予算、4要件を満たさないといけないのですが、どれくらいのスペックになるのか。それが3年後に具体的にでてくるものと思っています。ただし、現状を見ても、それぞれのクラブで温度差はありますが、地元では検討は続けていますので、その確認をしています。

Q: 
スタジアム基準について、人口減が進む中で1万人や1万5千人という数字に関しては、将来的に柔軟に対応してくことはあるのでしょうか。

A:青影
本日ご案内したスタジアム基準の改定内容を、約1年かけてクラブのみなさんと議論してきました。
その中では、さまざまな意見が出ましたし、入場可能数やスタジアムのスペックなど、それぞれのエリアの事情も含め、いろいろ出てきました。ただ、1年をかけて議論をさせていただいた結果、まずは期間の猶予をしようということで話が決まったと理解しております。

将来のことを仮定でお話することはできないのですが、今回の改定は期間の猶予。これまでは、そのクラブの状況がどうであれ、1万5000人のスタジアムができていないと上位のライセンスを取得できませんでしたが、猶予期間が設けられることによって、その間もクラブが成長することができますので、J1昇格やJ2昇格、J3入会に向けてクラブ自身も、経営上、成長し、ファン・サポーターと一緒に盛り上がりながら、スタジアムの完成を待って進んでいくことができるのかと思います。これまではできていないと上がれませんでしたが、上がってからも、こうした取組をしながらスタジアム完成を待つことができる状況に変わっていくのかなと思います。

Q: 
秋田についてお伺いします。
①PPT17ページの中で、秋田のスタジアムは◎となっていますが、充足しているという理解でよろしいでしょうか。
②秋田県内で新スタジアムの構想が出ていますが、実現は不透明な状況です。これを踏まえて、構想段階であることは、現段階でライセンスの交付に影響するのでしょうか。また、構想の話がなくなってしまった場合、将来のライセンス判定に影響があるのか教えてください。
③屋根、トイレの活動報告や見通しについて、構想を報告することは有効でしょうか?
④8年目のライセンス制度の中でトイレや屋根については、もっと設置をうながしていかないといけないと考えているのでしょうか。それとも地域やクラブの状況を見て考えていこうというお考えでしょうか?

A:青影
①そのとおりです。
②非常に難しい質問です。秋田に言及して、お答えするのが難しい状況です。公表できない審査上のプロセスもありますし、誤解を招いたら恐縮ですが、言及をしてのお答えが、現時点ではできません。一方で影響があるかという視点については、いろいろな状況を加味して、総合的に判断されるので、秋田だけに言及をしてしまうと、お答えするのが非常に難しいので、控えさせていただきたいと思います。今日ご案内している内容で申し上げると、将来に向けて鹿児島や琉球もスタジアム整備をすることを我々に約束したからこそ、例外適用を申請していただきました。その基準に基づいて上位のライセンスを出していただいています。秋田と状況が違うかもしれませんが、クラブライセンスの交付については、将来の動きについても、判定の中で確認をさせていただいております。完成間近の京都につきましても、今のスタジアムでは制裁対象となるようなことがあったこともありましたが、新しいスタジアムができるということで、新しいスタジアムに投資をしているので、今使用しているスタジアムに対して制裁をかけるのもどうかなということも考慮して、判定をさせていただいています。

③内容によりますので、出すだけで有効かということにはお答えできないのですが、科された制裁に対して対応しないといけません。一般論で申し上げますと、制裁の内容も現時点では、B等級基準の制裁として、制裁が科される内容はルールブックにも掲載されていますが、もしかしたら今後、方針が変わり、現段階よりも厳しいものになるかもしれません。未充足があり、制裁が科されているスタジアムでホームゲームをしているクラブにつきましては、未充足の状況を回避できるように施設設備を地元の方々と話していただく必要があると思います。
④将来のことは仮定の話になりますのでお伝えできませんが、現地時点でB等級基準を設けさせていただいて、クラブやスタジアムが充たしていないということはお話しております。それをうけて、スタジアムやクラブには整備を推進していただきたいと考えています。

 

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