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2020年度 第2回Jリーグ臨時理事会後チェアマン会見発言録

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2020年4月17日(金) 11:50

2020年度 第2回Jリーグ臨時理事会後チェアマン会見発言録

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2020年度 第2回Jリーグ臨時理事会後チェアマン会見発言録
2020年度 第2回Jリーグ臨時理事会後チェアマン会見発言録

2020年4月15日

2020年度 第2回Jリーグ臨時理事会後チェアマン会見発言録

2020年4月15日(木)17:00~
Webミーティングシステムにて実施
登壇:村井チェアマン
試合日程 プロジェクトリーダー 黒田フットボール本部長
競技の公平性 プロジェクトリーダー 窪田理事
観戦環境対策 プロジェクトリーダー 藤村特命担当部長
財務対応 プロジェクトリーダー 鈴木 徳昭クラブ経営本部長

〔司会より説明〕
本日行われました臨時理事会の終了報告会見を開催させていただきます。本日の決議事項は3件、報告事項は1件の4件です。すでにプレスリリースを配信しておりますので、ご確認ください。

〔決議事項〕
1.2020 シーズンの「Jエリートリーグ」中止について
選手育成の施策として2020年3月末の開幕を予定していた「Jエリートリーグ」について、今シーズンの中止を決定しました。新型コロナウイルス感染拡大による財務的な影響、またトップチームの試合開催延期により、Jエリートリーグの日程調整やチーム編成が困難になったことが理由です。「Jエリートリーグ」は選手の強化・育成において重要な役割を持つものと考えております。来シーズン以降の実施につきましては、改めてお知らせいたします。

2.クラブライセンスの交付・取り消しに関する特例措置について
この特例措置により、クラブがライセンス基準を満たさない状況になったとしても、新型コロナウイルスによる影響が大きいと認められた場合、ライセンスを取り消されたり、制裁を課されたりする対象としないものです。詳細はプレスリリースをご参照ください。

■特例措置の内容
・以下の基準においては、クラブが交付規則に定めるライセンス基準を満たさない状況となったとしても、既に交付されている2020シーズンのライセンスについて、交付規則第23条第3項「FIB(クラブライセンス交付第一審機関)またはAB(クラブライセンス交付上訴機関)の決定により、Jライセンスを取り消されまたは制裁を科され得る」の対象としない
・2021シーズンのライセンス交付決定(交付規則第22 条)についても同様に、「FIBまたはABが各ライセンス基準を充足しているか否かの判定」の対象としない
・財務基準F01に関する当期純損失については、2022シーズン以降のライセンス交付決定においても、「3期以上連続」のカウントには含めないものとして取り扱う
※特例措置の対象となるのは、未充足の理由が新型コロナウイルスの影響であると認められる場合に限られ、クラブからの申請に基づきJリーグ理事会で決定する

3.リーグ戦安定開催融資規程に関する特例措置について
新型コロナウイルスの影響による融資実行の場合、返済期間を3年間とする、担保を不要とする、Jクラブに対する制裁対象としない、などの特例措置が取られます。詳細はプレスリリースをご参照ください。

〔報告事項〕
1.2020シーズンの大会方式変更について

これまでのブリーフィング等でお話をさせていただいた内容も含まれておりますが、今シーズンの昇降格ルール、賞金などについて報告されました。

【昇格・降格ルール】
1.J2からJ1への昇格はリーグ戦上位2クラブの自動昇格とし、J1参入プレーオフは開催しない
2.J3からJ2への昇格はリーグ戦上位2クラブの自動昇格とする
3.クラブライセンス交付判定を受けていないクラブがリーグ戦上位2クラブとなった場合、3位以下の繰り上がり昇格はしない
4.上記1、2は、各カテゴリーで「基準試合数」以上の試合を開催した場合のみ適用する
※「基準試合数」以上の開催:全試合数の75%、かつ、全クラブが50%(ホーム、アウェイ問わず)を開催。ただし、不測の事態が発生した場合は理事会にて決定する
5.「基準試合数」を満たさなかった場合は大会が成立しなかったものとみなし、当該カテゴリーにおける順位決定は行わず、昇格は行われない。したがって、2021シーズンのクラブ数は、J1:18~20、J2:20~24、J3:14~18となる

【賞金・表彰】
1.各カテゴリーにおいて「基準試合数」を満たさなかった場合は大会が成立しなかったものとみなし、賞金は支払わない。また、各種表彰も行わない
2.大会が成立しなかった場合の公式記録は参考データとする。選手個人の出場実績(試合数、得点等)は個人記録として算入する

本日の発表事項は以上となります。本日は村井チェアマンの他、4名のプロジェクトリーダーが陪席をさせていただいております。

〔村井チェアマンよりコメント〕
自宅から失礼いたします。(本日は)臨時理事会という表現でございます。臨時であるというのは、ご案内のように4月25日からJ3の開幕を想定しておりました。そして、5月2日にJ2、5月9日の連休明けにJ1というようなシナリオを描いておりました。4月25日に再開するにあたっては、10日前ほどには意思決定が必要だろうと、予め4月15日に臨時理事会をセットしておりました。通常の理事会は、来週以降にするということもあったのですが、我々にとって理事の皆様の意見は大変貴重ですから、せっかく取っていただいた日程を、そのまま使わせていただこうと、本日、臨時理事会を開催いたしました。

参加メンバーは、昨日の総会でお認めいただきましたJFAの3名、須原専務理事、黛審判委員会委員長、反町技術委員会委員長を新たにお迎えして、理事会を開催させていただきました。内容に関しては、さきほど報告させていただきました決議事項案件を主な内容としますが、コロナ対策に向けた意見交換を長時間に亘って行いました。内容は4つのプロジェクトの報告を中心にお話しさせていただいた次第です。特にJリーグの理事は、スペインの佐伯さん、ベルギーの立石さん、アメリカの馬場さん、ロンドンの外山さん等々、感染拡大エリアの中にいる皆様から、また為末さん、藤沢さん、秦さん等々スポーツ界、社会連携サイド、経済界、さまざまな立場から、Jリーグが今後どうしていくべきかという大変貴重な助言を多くいただいた次第です。

フットボールに関しては、日程を1カ月以上繰り延べるということを申し合わせた以外に、正確な日程が決まっているわけではございません。今日現在も日程が確定しているわけではございませんが、今後、日程を決めていくにあたってのさまざまなオプションについて、意見交換をさせていただきました。そして、一番大きなポイントだったのは、皆様ご承知おきいただいているように、Jリーグは昨年1年をかけて2030年ビジョン、2022年の中期事業計画を策定しました。まずは2030年、10年後にはどの山に登るかを定めました。そのマイルストーンとなる中継地点の2022年に、どのルートをたどって登っているのか。必要な装備や物資はどのような何で、どのようなチームで登っていくのか。どういうスキルが必要なのか。この辺りを細かく定めて、シーズン開幕前にメディアの皆様にも、中期計画としてお伝えした内容がありました。

今日、理事会では、2022年に至る中期計画を一旦凍結し、スケジュールなど改めて整理しなおすとの方向性を決めさせていただきました。一旦凍結との判断をした中期計画では、具体的に言うと「to C」と言われる一般のお客様に向けては、一人ひとりにあったサービスを展開していくためのデジタルプラットフォーム上のJリーグIDを増やすことに注力していこうと。そうした個人顧客との関係性を築く一方、観戦・入場者数に関しては、J1で満員の試合を120試合つくっていこう、育成面ではグレートアカデミーというべき、世界に人材を輩出できる要件を整えた星が4〜5つ並ぶようなクラブを、必ず2022年までに輩出しよう。すべてのクラブでクラブアイデンティティ、フィロソフィーを整理し、育成やクラブのあり方の言語化を進めていこうと申し合わせておりました。

さまざまな分野に本部単位で、領域ごとに2022年の中期に向けセットしたわけですが、一旦2020年、おそらく2021年も、まずは目の前の新型コロナウイルス対策にリソースを集中して、我々がこれに備えていくために、例えば本部長人事を都度理事会にはかっていては機動性をそがれてしまいます。重要な人事や、3億円を上限にした新型コロナウイルス対策費を、理事会に諮らなくても執行できるような予算措置の権限、平時にさらなる成長に向けて定めたビジョン実現のための予算執行の見直し。さまざまなことに関して理事会にはかることなくチェアマン及び業務執行理事に、権限を一定程度授権していただく意思決定をいたしました。当然、すべてのことに関して報告義務は負うわけですので、起動的な経営をした上で理事会等々に報告をしていくことになりますが、2022年中期計画を一旦凍結し、目の前の新型コロナウイルス対策に向かうための必要な権限設定を理事会から承認をいただいたということでございます。先ほどの決議とは違って、さまざまなことを報告していくことになりますので、全てが任されたものではないというふうに認識をしております。その他、クラブ経営、財務面でもクラブとリーグが連携していきながら、減収が見込まれる可能性があるクラブ経営を万全の対策で支援していこうということも申し合わせております。

〔質疑応答〕
Q:先般から、再開に向けた6つのレイヤーを念頭に4つのプロジェクトで議論を進められていると存じます。まず、日程が白紙に戻って以降と、政府から非常事態宣言が出された以降の議論のテーマが大幅に変わった部分がありますでしょうか。また、今まで緊急事態宣言次第で無観客試合の可能性があるとおっしゃられていましたが、実際に発令され、どのように考えているのでしょうか。

A:村井チェアマン
ベースとなっている6つのレイヤー、国民の健康を第一に考える、スポーツ文化を守る、ファン・サポーターとともに、等々、レイヤーそのものは今でも変わっているというようには認識しておりません。それから4つのプロジェクトは日々、刻々と変わっていく状況の中でバージョンをあげてきていますが、骨格のプロジェクトそのものが変わってきているわけではございません。少し、白紙撤回のタイミング、緊急事態宣言のタイミング等々に遡らせていただきます。

まず白紙撤回を決めたのは4月3日だったと認識しております。それまでは、政府の専門家も含めた、NPB・Jリーグの新型コロナウイルス対策における専門家の意見も聞きながら準備をしてまいりました。私の認識では、白紙撤回前の状況は、いわゆる「三密」と言われているような新型コロナウイルスの特性をよく理解して、対策をしっかりと打っての再開を検討しておりました。ある意味で「密集」、全国から集まる、もしくは全国に散っていくというようなアウェイでの観戦を自粛することや、「密接」、入場数を50%くらいに引き下げて塊にならないような観戦スタイル。その他サーモメーターの準備や応援スタイル、新型コロナウイルスに対する備えをもとに、段階的に準備していこうというのが、それまでのレイヤーでした。

4月1日の政府専門家会議、それから4月3日のNPBとの協議等々を踏まえて、白紙撤回の意思決定をしたのは、当時はまだ、感染未確認エリアで、鳥取、島根も入っていると記憶していますが、そういう感染が確認されていないエリアでも「さまざまな備えをし、無観客であってもしてほしくない、するべきではない」という提言だったと思います。非常に日本国内での拡大を阻止するという強い意志を受けたものですから、白紙撤回のタイミングでは無観客を含めて対応は見送ったということです。そこ以降で、内容が変わっているものはありません。どういうタイミングで改善がはかられるかは今、緊急事態宣言をしっかり守りながら、その精神を守りながら沈静化を待つということには、変わりはありません。ですので、緊急事態宣言が出たのが4月7日だったと記憶していますが、それ以降も特に何かプロジェクトや6つのレイヤーそのものの解釈を変えるものではございません。

Q:日程の決め方について質問です。日程を決めていくに当たりオプションも含めて意見交換をされたということですが、なかなか感染状況も変わらない中で日程を決めるのは難しいと思いますが、どのようなことが議論をされているのでしょうか。

A:村井チェアマン
今回、相手が新型コロナウイルスで、5月6日まで主要都市における緊急事態宣言が発令され、その様子を見て、5月の初旬、いわゆる連休明けくらいから1カ月くらいをかけて再開をできることなのか。つまり6月に再開が可能なのか、7月、8月になるのか。それよりもっと深いところになるのか。この辺りはなんとも今の段階では私から申し上げることはできません。なので、さまざまな日程検討をしていくにあたっては、6月、7月だったり、従前の2週間刻みというよりは1カ月タームくらいで、どのような手が打てるのか、プロジェクトの中で検討し始めています。考慮する要因としては、これから4月の深いところ、もしくは5月の頭くらいまではすべての試合が大会フォーマットのチューニングなくできる可能性があると申し上げてきました。6月以降になってきますと、いくつかの大会のチューニングや例えばIMD(インターナショナルマッチデイ)と言われているJFAが代表の試合をするところでは試合をしないというような申し合わせがあったりしますが、今回、公平な競技を担保できないことは飲み込んでいますので、代表チームが招集されている中でも、場合によってはJリーグの試合を行うことを考えなければいけないかもしれませんし、今日、JFAの須原さんも理事会に参加されていて、まずJリーグがしっかりとリーグ戦を行うことを重視すると明言いただいていました。今後になりますが、天皇杯実施委員会を通じて天皇杯の競技日程を考えることで、少し、日程を確保していく。もしくはルヴァンカップのグループステージ、もしくはプレーオフを少し圧縮しながらしっかりルヴァンカップを継続していく。さまざまな組み合わせの中で、今後の日程議論を進めていくことになります。今日は何かを決めていませんし、具体的な日程候補が出ているわけではございませんが、ご質問のようにフレキシブルに対応していく上でのスコープ、何を検討していく中で日程が確保できていけるかを議論した次第です。

Q:①財務について
5月上旬までに中断期間が延びた場合の損失がこの位になるというお話を以前していただきましたが、そこからさらに延びることが決まっています。新たな損失額や、この位延びたらこの位の赤字が出てしまうといった新たな試算をしているかと思います。
DAZNがどうなるか、そういうことも含めて、どの位延期したらどれ位の準備をしないといけないのかという想定をされているか、このあたりデリケートかもしれませんが、財務面のインパクトをお伺いしたいです。

②選手会との意見交換について
先日会われたときに、選手会からどんなお話があったか、どんな要望をされたかをお伺いしたいと思います。

A:村井チェアマン(①財務について)
試合日程に伴う損失というよりは、全体のリーグ、クラブの財務スキーム、これは統合報告書(正しくはJリーグ公式サイト)などにも出ている内容ではありますが、リーグの主たる収益は、放映権収入、リーグパートナーからのパートナー収入、特にウェイトが高いのが放映権収入であるということをP/Lベースで共有しています。
その中でクラブへの支出として55%を配分金としてそのままクラブに戻しています。100億円強がリーグ運営経費となるわけですけれど、こうした財務構造をクラブにお伝えしました。
55%払い戻す金額をJ1で言うと平均5億円位、J2で言うと2億円位、J3で言うと3,000万円位の規模感の配分金になるわけですけれども、こういったものが減額されるとクラブの経営に極めて重大なインパクトを及ぼします。
J1でも営業利益が1億円位なので、5億円の配分金が減額するということになるとクラブに極めて大きなインパクトをもたらしますので、まずJリーグはクラブの均等配分金をしっかりしていくよう経営努力をしていきます。
放映権以外にもパートナー収益を含めて仮に何某かのダウンサイズリスクがあるとしたら、リーグがコストコントロールしながら、倹約をしながら備えていきます、と表明した次第でございます。
リーグ運営経費は100億円位ありますけれども、先程申し上げた中期計画を一旦凍結するということは、今回コロナウイルスに立ち向かうために、新たな装備が必要になるといったこともありますし、リーグでそれを備える必要もありますので、そういう原資を獲得するために大幅なコスト構造の見直しをするとお伝えした次第でございます。
クラブのシミュレーションに関しては、一旦クラブには、リーグに細かくキャッシュシミュレーションを出すようオーダーしましたが、白紙撤回したことにより、もう一回クラブが収支の見直しをしているところで、再提出をお願いするステータスになっていると思うので、先般ご説明した以降、詳細なものがあるわけではございません。

A:先般申し上げて以降、白紙撤回つまり6月以降に試合が再開されるとなったときに、再開した時は例えば50%の観客なのか、無観客なのか、あるいは100%の観客を入れられるのか。その前提が整理できていない、まだ日程を固めることができていないということで、一旦各クラブに資金繰りを出していただいてはいますが、その前提をもう一度整理した上で出し直していただこうということを考えています。
ですので、前回私の方からお出しした、クラブでいうと10~15億円、リーグで言うと5億円といった数字からアップデートした数字の具体的なシミュレーションはまだ発表できる段階ではありません。
クラブとやり取りしてもう少し前提が整理されてから出したいと思います。
一方、各クラブとは連携を取らせていただいて、何とか配分金を守ることができたときの前倒しの計画とか、あるいは今日承認をいただいたライセンスの猶予の件や融資の制度、具体的には先週あたりから国の緊急経済対策等が出ているので、リーグからだけではなくて民間からあるいは自治体を通じてお金を借りる、給付をいただく等々の調整をクラブとは現段階でやっています。
どちらかというと全体の被害額より各クラブ個別の対応に重点を置いてやっているような状況です。

A:村井チェアマン(②選手会との意見交換について)
私、原副理事長、佐伯理事という役員3名と黒田本部長で、選手会とクラブのキャプテンも入っていたかと思いますが、全56クラブの選手代表の皆さんと意見交換を行いました。
今回、白紙撤回に至る経緯を私の方からお話ししました。そして、原副理事長等々から激励と協力要請の話があり、選手達からも様々な意見をいただきました。
多くの意見の中で印象に残るのは、自分自身の体のコンディションを守る、もしくは家族を守る、そうした意味で非常に選手が不安な状況にあるという認識でした。選手もあまり弱音を言ってしまうと、自分がチームやクラブから期待されなくなってしまうのではないかというように、実は選手はなかなか物が言いにくいところもあり、こういう話も聞いてほしいとのことでした。練習再開も慎重に判断してほしいという声もあったかと思います。
選手会長から、一部の有志がクラブを守るため、北海道コンサドーレ札幌で一部選手報酬の返上が記事等にもある中で、これが全体的に動いていくときには、リーグと選手会としてしっかり事前に相談してほしいと申し出がありました。
我々にとって選手はJリーグの価値を生むすべての原点と言いますか、一番大事な部分でもありますので、今回は非常に危機的な状況でもあるため、リーグと選手と今回のような形で色々意見交換しようと申し合わせています。

Q:DAZNに関して、先日の時点では減額についての打診が先方からあるわけではないということでしたが、現在も変わっていないでしょうか。

A:村井チェアマン
DAZNに関しては、現状においても、試合のライブ配信はありませんが、様々なコンテンツをサッカーファンの皆様にお届けしていただいています。
それから、本日の理事会でももっとクラブの活動をDAZN通じて出していこうという外部理事からのご意見もあり、我々にとって重要なパートナーであることに変わりありません。
世界的に見れば、配信が多く止まっている状況で、DAZNの経営も大変苦しい状況だろうと拝察しますが、DAZNにとって日本という市場は最初にローンチしたエリアですし、ファン・サポーターとの絆も強い国でもあると自負しています。そういう意味では緊密に情報交換しておりますが、具体的に減額ということが来ているわけではありません。
当然、契約の詳細については守秘義務があるので申し上げることはできませんが、コミュニケーションパイプを持ちながら進めているという状況でございます。

Q:①財務について
中期計画を凍結することによって財務的にどの位のインパクトというか余力というか、プラスアルファが産まれそうなのか見通しを教えていただきたい。

②配分金の前倒しについて
配分金の前倒しはまだ履行されていないという理解でよろしいでしょうか。

③スポーツ庁の制度について
スポーツ庁が補正予算の関係で、リーグ再開に8億円位用意をしていて、具体的に制度化された場合に、Jリーグとしても使う予定はあるのかどうかということを教えていただきたい。

④自治体や国による支援制度について
クラブの方にも地元自治体や国といったいろんな経営支援の窓口をリーグとしてもご説明されていると思うんですが、我々にもこういう窓口があるといったことをご指南いただけるとありがたいと思います。

⑤医療機関者や医療機関への支援策
医療関係者や医療機関への支援策をリーグとして議論されたかどうか教えていただけますでしょうか。

A:村井チェアマン(①財務について)
中期計画凍結による財務的インパクトがどの位あるかを今積算するのは非常に難しく思っています。
昨日の実行委員会でクラブの皆様に申し上げて、社内で共有したばかりですので、1日2日という状況ですので、まだ具体的なシミュレーションは出ていませんが、目安として先程のリーグ運営経費で120~130億円ありますが、そこから30%とか50%の幅で通常予算からの削減を見込もうというふうに号令をかけています。
ですから、例えば、そのまま掛け算し簡略化してお伝えすれば30億円、40億円といった規模感(実際には細かな調整が必要で、未確定)で平時では投資にまわすものを、まずは目の前のコロナウイルス対策に備えようと、もしくは、今はまったく確定していませんが、ダウンサイド、いわゆる収入が減じた場合に備えられるようにいつでも準備に入ろうということでございます。
ただ、これは今手元に30、40%資金があるわけではありませんので、相当痛みが伴うかと思っています。ざっくりいうとその位の割合の話でございます。

A:村井チェアマン(②配分金の前倒しについて)
配分金の前倒しの申請はないと認識しています。

A:鈴木本部長(②配分金の前倒しについて)
現状、配分金の前倒し、融資、ライセンス等々準備は整いましたが、クラブからの申請は一切ない状況です。

A:村井チェアマン(③スポーツ庁の制度について)
当然、我々スポーツ団体として適用に権利があればお願いしたいものであります。ただ、具体的に今法案が通っているものではないと認識していますので、今日現在何か具体的に動きがあるものではございません。

A:村井チェアマン(④自治体や国による支援制度について)
各クラブが都道府県の行政、自治体との連携でどういう支援があるのかということは逐次情報共有してクラブにアナウンスしています。
鈴木本部長より、クラブの財政支援を取り付けるルートなどについて補足します。

A:鈴木本部長(④自治体や国による支援制度について)
クラブとは諸々情報共有している中で言うと、先週4月7日の閣議決定があった内閣府の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策というのが出ていて、それに関してクラブへのサポートが考えられます。
そのあたりをまとめているのが経済産業省で、こちらに関して、4月13日にアップデートされていますが、その内容が一番スポーツ団体、クラブに対して使い勝手があるかなと思います。
それから、スポーツの未来を繋ぐというスポーツ庁がまとめているもの、特にリーグ再開に向けての備品等々の購入、チケット払い戻しに対する税制、そうした内容がございますので、そうしたことを各クラブと共有しながら、実際には各クラブが地域において民間あるいは自治体、行政等に問合せしながら確認していくという状況ではあります。
ただ、国会の予算が通るのがもう少し先になるので、具体的な支援、融資が発生するのは1、2週間後の話かと思います。

A:藤村特命担当部長(④自治体や国による支援制度について)
東京都が3,500億円の新型コロナウイルス対策の補正予算を発表したようですが、都道府県単位の支援策もあると思うので、そこまでJリーグでカバーしきれないので、クラブで探してもらって、どこかの都道府県であったものは横展開すると、そうすると探しやすくなるので、情報共有しながら進めようと申し合わせしているところでございます。

A:村井チェアマン(⑤医療機関者や医療機関への支援策)
医療機関をどう守るかというのが国のテーマになりつつある状況だと認識しています。ホテルを提供するもしくは医療スタッフに食材を提供する、様々な支援が刻々と報じられている中で、Jリーグも何か医療の力添えになればと念じている次第でありますが、今私の中で具体的なプランがあるわけではありません。
病院等々がスポンサードしてJリーグを支えてきていただいた経緯があります。ご存知のように担架に病院の名前が出るようなことがあったり、医療関係が様々な選手をサポートしてくれたりと、このタイミングは本当に医療機関に恩返しをする時期に来ているかなと思っています。
本日、社会連携系のテーマでどうしたらJリーグは地域に恩返しができるかということが社外理事からの問題提起でもありましたらので、この後詰めていくことになると思います。
現時点で申し上げられることはありません。

Q:融資制度やクラブライセンスについて、先月来準備されてきた制度設計はこれで一段落整うと思いますが、5、6、7月と残念ながら捻出は続いてしまいそうです。次なる打ち手はどういうところに見出せそうでしょうか。

A:村井チェアマン
スキームはコスト削減ですが、これも限度があります。それから融資を取り付けるというのはクラブがリーグに借りるにしても、リーグが外から借りるにしても、これは金利や返済期間の減免等があるにしても融資であることに変わりはありません。
逆に言うと今後、スポーツという公共財もしくはスポーツ文化というものを守るためにJリーグという競技団体を越えて、他の競技団体と政府等への政策提言を一緒にしていくようなフェーズもあるかなといくつか考えています。
今日の段階で具体的なことは申し上げられません。

A:木村専務理事
検討開始したということでこれから進めていきたいと考えています。

A:村井チェアマン
いわゆるチケットの返還に協力してくれたサポーターに対して、その返還分の一部がクラブの控除いわゆるクラブに還元されるようなスキームがすでに発表されていますけれども、そうした試合が中止、中断した後の税の扱いや還付の仕方の問題など、いくつか見直しをお願いできる余地があると認識していますので、取りまとめていこうというのが次のステップと考えています。

Q:先ほど医療従事者への支援のお話しが出てきましたが、ファン・サポーターに対するメッセージもお伺いしたいです。Jリーグ、もしくはJリーグと選手会など、また本日の理事会でこういうことをやっていこうという内容があれば、お話しいただければと思います。

A:村井チェアマン
本日社外理事の皆様全員が発言されていて、直接ファン・サポーターやいろいろなクラブの選手とのコミュニケーションをとっている理事もいらっしゃいました。そうした理事から寄せられたのは、今選手が持っている発信力を活かし、手洗いダンスや啓発のメッセージなどが出始めていますが、もっともっとこのタイミングだからこそ、ファン・サポーターとクラブ、選手、リーグの距離を縮めていく重要な時期でありチャンスであるということでした。それをDAZNで出していくなども良いのではという話もありました。そうしたファン・サポーターをつなぐアクションを強化していこうと思っています。
「to C」予算で20億円くらいを計上しており、ある意味で凍結するわけですが、そういう財源をコミュニケーションに充てることは今後あると思います。

A:窪田本部長より補足
より情報発信していけるように選手たちとも協力しながらやっていきます。

Q:日本サッカー協会(JFA)田嶋会長のインタビューがあり、Jリーグの財政がかなり苦しいだろう、JFAとしても助けになりたいというお話がありましたが、JリーグとJFAで今後の財政の話はあったのでしょうか。

A:村井チェアマン
昨日、田嶋会長が実行委員会に先立ってご挨拶をしてくださいました。財政については、クラブからJFAにお支払いしている入場料収入の3%は、現在試合が行われていないのでクラブは入場料収入を得ていませんが、今後再開したとしても納付は減免していただくというお話がありました。またクラブの財政事情として考えられる、先般シミュレーションした10数億円単位でのリスクが存在していることは田嶋会長にもお伝えし、その中で必要なことがあったら言ってくれよ、というお話をしていただいています。
私から見て、田嶋会長は、Jリーグはサッカーファミリーの中で非常に重要だと言っていただいて、大変ありがたい存在ですが、私としてはもっと経営規模が苦しいクラブは全国に数多くあると認識していますので、リーグだけでなく全体的な視点の中で必要に応じてJFAと協議していこうという話をしています。

Q:クラブへの助けだけでなく、Jリーグが実施しようとしていることについて財政的に厳しい部分について、JFAが金銭的支援をするという話にはなっていないのでしょうか。

A:村井チェアマン
全国的に、日本中の企業のキャッシュフローが途絶えてしまったら経済活動ができなくなるために、手元に余剰資金を手当していこうという動きがあると思います。Jリーグは2019年決算で28億円くらいの手元資金があります。有事の時はこうした手元資金を崩しながら対応していくのですが、田嶋会長からは足りなかったら必要だったら言ってくれ、というお話をしていただいています。今、何か資金用途があって何かを使うためにお金が足りないというわけではなく、経営の場合は色々なリスクを想定しながらも、サスティナブルになるためにバックアップを二重三重にしている状況での、JFAからのありがたい助言だと思っています。

Q:今後、Jリーグが融資を得るという話があったと思いますが、銀行から借りるよりもJFAから借りた方がJリーグとしてはスムーズにお金が入るのではないかという印象ですが。

A:村井チェアマン
JFA、Jリーグ間の融資の具体的な金利、期間などの話をしているわけではなく、銀行と具体的な話が決定しているわけではありません。
何かの時は言ってくれよ、一心同体で戦うのだからという申し出であるだけで、条件面での話は全くしていません。

Q:DAZNとの契約については守秘義務があるとのことですが、JリーグはJ1、J2、J3を合わせて1,000試合以上年間でありますが、それを満たさなかった場合、何段階かで減額をするなどの大枠の契約はあるのでしょうか。

A:村井チェアマン
契約の中身に関しては、当事者間で交わしている守秘義務がありますので、契約事項については開示ができません。
DAZNとJリーグは今の段階では6月か、7月か誰もわからない状況ですが、しっかりJリーグが再開して、ファン・サポーターの皆様に 待ちに待った試合を提供しようと協議をしているところですので、それを信じて準備をしている状況です。契約の中身を申し上げることはできません。

Q:DAZNとの守秘義務が関わるとのことですが、その内容はJクラブの代表とは共有されてますでしょうか。

A:村井チェアマン
クラブの実行委員にもお伝えしていないという認識です。

A:木村専務理事
個別の契約内容はクラブと共有していません。

Q:本日配布されたリーグ戦安定開催融資の資料の中で、返済計画が必要とのことでそれは当然必要かと思いますが、契約内容を知らない中でクラブは返済計画が立てられるのでしょうか。

A:鈴木本部長
リーグの話ではなく、クラブが例えばJ1は3.5億円、J2は1.5億円、J3は3,000万円の融資を受けた際に、3年間でどのような形で返済していただくかという計画を出していただくということなので、リーグとDAZNとの契約内容に直接リンクするものではありません。

Q:①リーグ運営費の削減について
30億円から40億円のダウンサイジングをするとのことですが、何をどこからどれだけのものを減らそうとしているのでしょうか。それを抽出するコストカットは並大抵のものではないと思いますが、検討段階化と思いますが実際どのようなことを考えられているのでしょうか。

②海外からの知見について
海外の理事からご意見を伺ったとのことですが、スペイン、ベルギーも中断とのことで、クラブやリーグへの補償は国の制度は違うと思いますが、外部理事からのご意見で参考になったものはありましたでしょうか。

A:村井チェアマン
①リーグ運営費の削減について
具体的な削減ターゲットがあって申し上げたものではなく、全本部で一律30~50%予算を見直すとしたら、何が削減できるか、その削減は何に使えるか一緒に考えようという号令をかけた 次第です。すでに契約、発注済みのものもありますし、止めることができないものも多々あると認識しています。通常のマインドチェンジだけでは何も動きませんので、ドラスティックに号令をかけて、その中から本当に大事なものはしっかりと残していこうというプロセスをこれから踏んでいくことになります。
パーセンテージから出た金額で、具体的なものがあって申し上げたものではありません。結果、皆さんにお伝えするときに削減できた金額はこんなものだとお伝えすることになるかもしれません。
ただ、我々の価値を生む源泉は、人であったりします。Jリーグの場合は従業員だけでなくさまざまなパートナーや、業務委託の方と、何か特許があるわけでなく、何か工場があるわけではなく、人の意思と想いでつなぎだしていますので、そういう面々の想いを、モチベーションを支えながらそれ以外の面でのコストカットがどこまでできるのかチャレンジしていくことになると思います。具体性があって申し上げた金額ではありません。

②海外からの知見について
海外からはとても多くの知見をいただきました。ラ・リーガ、ベルギーリーグでは、例えば選手の具体的な休業補償の話や、ベルギーでは半分以上のクラブが報酬返上に応じている、一方では政府からの保証が7割程度あり、2、3割がクラブ負担する。痛みをシェアしていく厚い政府保証があり、スペインも同様です。リーグ終盤戦にかかっている国と、Jリーグのように序盤で見直しを迫られている国では位置づけ、扱いが違ってくるというお話しや、アメリカは大統領選挙との兼ね合いがあるのかわかりませんが、大規模な財政出動が出ているようなので、小規模なクラブでもほぼ経営の見通しが立ちそうだという状況にあるということでした。
国によってここまで違うかという共有がされました。理事会の内容をすべて正確に再現はできていませんが、我々にとって海外にいる皆さんは大変な財産だと思っています。

 

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