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2023年度 第6回Jリーグ理事会後会見発言録

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2023年6月29日(木) 18:30

2023年度 第6回Jリーグ理事会後会見発言録

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2023年度 第6回Jリーグ理事会後会見発言録
2023年度 第6回Jリーグ理事会後会見発言録

2023年6月27日

2023年度 第6回Jリーグ理事会後会見発言録

2023年6月27日(火)17:30~
Jリーグ会議室および Web ミーティングシステムにて実施
登壇:野々村 芳和 チェアマン
窪田 慎二 執行役員
樋口 順也 フットボール本部 本部長
司会:仲村 健太郎 広報部長

〔司会(仲村広報部長)より説明〕
本日開催いたしました第6回理事会後の会見を開催いたします。

《検討事項》
シーズン移行検討の件
報道資料をご確認いただければと思います。

《報告事項》
「明治安田ヴィレッジ」オープニングイベント開催について
https://www.jleague.jp/news/article/25407/
「明治安田ヴィレッジ」オープニングイベント開催 スタグル・マスコットが丸の内に登場!と題し、Jリーグは新たにオフィス移転した丸の内エリアにおいて、Jリーグタイトルパートナーの明治安田生命保険相互会社と共に、明治安田ヴィレッジオープニングイベント with Jリーグを開催いたします。明治安田ヴィレッジでは、明治安田生命丸の内本社ビルを中心に全国の明治安田生命ビルやホールから「健康増進」、「地方創生」の2「大」プロジェクトやスポーツ・文化に関する取り組み、様々な取り組みを情報発信して参ります。
この明治安田ヴィレッジのスタートにあたり、7月8日土曜日から7月23日日曜日の期間に明治安田生命様と協働し、本社ビルと丸の内仲通りを一体的に活用したオープニングイベントを開催いたします。

《協賛・後援》
1.NTTドコモpresents 第15回大宮アルディージャ ORANGE! HAPPY!! SMILECUP!!!(埼玉県知的障害者サッカー大会)
2.第26回ジュビロ磐田メモリアルマラソン

〔野々村チェアマンよりコメント〕
新しいオフィスになり初めて皆様と向き合っての会見です。本日は、理事会もここで行ったのですが、新オフィスで実施する初めての大人数での会議でした。
オフィスが新しく移転した初日、明治安田生命の根岸会長、永島社長以下役員の皆様からもJリーグの職員の前で色々なコメントをいただきました。
我々もそうですし、明治安田生命様も、「ここから一緒に世の中をもっと楽しくしていこう」という事を発信していくという意味では、ここに移転して連携はよりしやすくなると思います。明治安田ヴィレッジの件も含め、より一層しっかり連携してきたいと思います。
やれるかわからないけれどまずやってみようというスタンスは、明治安田生命様と一緒になることでより強く外まで発信できると思いますので、ご期待いただけたらと思います。

昨日(27日)、日本サッカー協会(JFA)も水道橋に移転し、WEリーグの渋谷や、(JFAの)幕張、水道橋、そしてこの丸の内と(サッカー界が)いくつかの拠点を持って良い発信をそれぞれでしながら、互いにそれぞれの会社、オフィスに行ったり来たりということもよりスムーズにできる環境も整ったと思いますので、より連携していきたいと思います。
先週、先々週、視察を兼ねて海外に行ってきました。UEFAチャンピオンズリーグの決勝に色々な方が集まったりするということもあり、試合を観るというより挨拶にいくという感じでした。世界のトップの試合とその周りがどのような感じなのかというのはいつも気にしていないといけないなと改めて感じました。その後、ヨーロッパのクラブを回ったり、日本代表のU-19とU-22がヨーロッパで試合をしていたので、それぞれの試合を観に行きました。U-19の試合では、各国のスカウトや代理人が注目の選手がいるところにたくさん集まります。もちろんこれまで自分も知ってはいたことですが、実際に行ってみて、あの場所で日本人選手がどのようなパフォーマンスをするかがすごく大事ですし、一方Jリーグのスカウトもあのような舞台にしっかりと足を運ぶみたいなこともこの先必要になってくるだろうと思いました。今回、各国のサッカー界の動きを見て、ヨーロッパとJリーグをどう繋いでいくかということを、リーグが主導してやっていかなければいけないのかなと感じました。

J3はまだですが、J1、J2リーグ、2023JリーグYBCルヴァンカップは、大体中盤くらいまできました。コロナがある程度あけた中で、(入場者数を)2019年比と同レベルに回復させたいという思いで今各クラブとJリーグで取り組んでいますが、現状(のJ1J2J3リーグ戦の平均入場者数)は2019年比約88%です。一時期約85%の時もあったので、少しお客さんの数は増えてきていると感じています。どんな施策をしているかはいつも皆様にお伝えしていますが、どれだけ多くの露出を増やせるのかを、各地域で取り組んでいます。今年の4月は日本全国でのサッカーの露出は前年同時期比で15.1倍くらいに増やすことができています。これをしっかり続けることで、多くの人に情報を届ける、興味を持ち続けてもらう、そんな取り組みとして、次の施策にもつながっていけば良いと思います。
毎回理事会でも言っていますが、数字としては今までよりも良い数字で、露出の数という面ではできているので、継続していきたいと思います。
シーズン移行に関しても今日の理事会でも話はありました。詳細に関してはこの後樋口と窪田からご報告いたします。

〔樋口フットボール本部本部長より「シーズン移行検討の件」について説明〕
4月から本格的な意見交換と検討を始めており、本日が3回目のメディアブリーフィングです。資料の建付けは先月と同様に、今までの資料を更新した形になっています。先月までと同じところは右上に「同じ」、変更点は「更新」と記載しています。

6月の検討においては大きく2点です。先週のキリンチャレンジカップの時にも少しご説明しましたが、実行委員会での全体的な議論から4つの分科会に議論を移していくことが1点。もう1点が試合日程をより具体的に精査してシミュレーションを進めることです。試合日程のシミュレーションについて、今までご説明してきたシーズン移行した場合のカレンダーにおいては、現在のシーズンよりも12月と2月はそれぞれ1-2週ずつ長く実施するものでしたが、今回新しい案として、12月と2月は現在のシーズンと同様の期間にしか試合をせずにウィンターブレイクを長く取るという案も準備し、大きく2案でシミュレーションを進めています。

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シーズン移行する場合は最速で2026-27シーズンと仮で設定させていただいていますので、今回、まず2026-27シーズンをより具体的に精査している段階です。
「J1・J2」と「J3」では開幕のタイミングが違いますので、資料を2ページに分けています。厳密に言うとJ1とJ2も少し違うので、後ほどご説明します。資料は3段で構成されていまして、カレンダーとしては12月から2月のみを分かりやすく切り取っています。一番上が現在の「シーズン移行しないカレンダー」で、中断と下段がシーズン移行した場合のシミュレーションのパターンAとパターンBとしています。
シミュレーションAが4-5月にご説明していました12月と2月にそれぞれ1-2週程度ずつ長く試合をするカレンダーです。シミュレーションBが現在のシーズンと12月と2月の試合日が変わらないカレンダーです。

①現在のシーズン
一番上の①からご説明しますと、今、J1リーグでいうと12月の1週目が最終節です。今は開催していませんが、J1参入プレーオフが開催されていた際は、J1リーグが終わって順位が確定した後、12月2週目にJ1クラブのホームでプレーオフをやっている状態でした。J2リーグで言いますと、今シーズンは11月の終盤にリーグ戦が終了し、11月の最終週と12月の1週目にJ1昇格プレーオフが行われるので、12月の1週目に終わる状態になっています。そこからシーズンオフになり、2月の2週目にFUJIFILM SUPER CUPがありまして、3週目に開幕という状況です。資料内の下の注釈に記載していますが、ルヴァンカップや天皇杯は一旦割愛し、リーグ戦とそれに関係するプレーオフのみを記載しています。

②移行シミュレーションA
シミュレーションAの場合は現在のシーズンの12月と2月から1-2週ずつ長くなる試合日程を具体的にしています。J1、J2は12月の3週目、12月19日、20日までやる想定です。J1のみ、12月16日の平日も使っています。これまでよりもJ1で言うと3節、J2で言うと2節増えることになります12月3週でウィンターブレイクに入りまして、従来ですと2月3週目にリーグ戦が開幕しますが、スーパーカップ開催の時点(2週目)からリーグ戦が再開するのがシミュレーションAです。

③移行シミュレーションB
シミュレーションBは12月1週目で終わり、ここでウィンターブレイクに入ります。そして長めにウィンターブレイクを取って、現在のシーズン同様に2月の3週目までウィンターブレイクを取る(3週目から再開)という案です。

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J3は今シーズン、12月1週目までリーグ戦を実施し、JFLとの入れ替え戦がある場合は2週目と3週目で行うというカレンダーなっています。J3はJ1、J2より開幕が遅くなっていまして、3月の1週目が今シーズンの開幕です。また、これはシーズン移行とは別の議論になりますが、J3はずっとクラブ数が少なかったので、少しゆとりのある日程でやっていたのですが、今、20クラブまで達していますので、今後はシーズン移行の件とは関係なくJ1、J2の2月3週の開幕に合わせるといった議論は昨年から行っています。
移行のシミュレーションAは先ほどのJ1、J2とまったく同じです。12月3週目までリーグ戦をやってウィンターブレイクに入って、2月、J1、J2が現在のシーズンで3週目からやっていたものを、1週早めるカレンダーです。
シミュレーションのBもJ1、J2と同様で12月の終わりは1週目ですが、J3は今まで3月の1週目まで開幕していませんので、その分、J3はよりウィンターブレイクを長く取って3月の1週目から再開するというシミュレーションです。

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繰り返しのご説明になりますが、「現在のシーズン」と「シーズン移行した場合のシーズン」のイメージ図です。直線の図ですとどうしても0.5シーズン分がズレてつぎはぎになってしまうので、時計のイメージで記載してみました。「現在のシーズン」を青で記載しています。2月の3週目ぐらいから開幕して、ぐるっと回って12月の1週目か2週目で終わります。ワールドカップがある年ですと、通常はJ1は6月~7月頃も中断になります。「移行した場合」を緑で記載しています。8月頃に開幕をして、(これまでの最終節であった)12月の1週目もしくは2週目よりも1-2週長くやってウィンターブレイクに入り、これまでの開幕時よりも少し早い2月2週に再開します。そういったわけでいずれにしろ1月の前後は試合を行わないのですが、現在のシーズンより12月と2月を1-2週伸ばすか、伸ばさないかがシミュレーションAとBの違いです。
また、降雪地域のクラブは当然、雪が降る中でホームゲームが開催できないと思いますので、この期間は降雪地域のクラブは必然的にアウェイで連続の試合になります。現状のシーズンでも例えばモンテディオ山形は開幕から4節までアウェイで試合をしていることがあります。同じように12月と2月に少し長くやる分は、ホームで開催できないクラブはその期間もアウェイでの試合になります。今のシミュレーションでは、例えば6連続アウェイ、7連続アウェイになるということも想定しながらシミュレーションを始めたところです。今後、クラブごとにホーム開催できる期間を確認していきたいと思います。
具体的な試合日程のシミュレーションはさらに細かくなっていくので、もう少し精査した上でまた別途ご説明させていただければと思っています。

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2つ目は4つの分科会の話です。これまで2~4月ぐらいから初期整理をして、年内の決議を目指そうという形で進めていました。4月、5月でこれから精査する項目の整理が終わっていますので、6月の段階で、フットボール分科会、降雪地域分科会、事業・マーケティング分科会、経営管理分科会という4つの分科会に分けて、それぞれどのクラブも自由に参加できるようにいたしました。先日、フットボール分科会と事業・マーケティング分科会の1回目を実施しましたが、ほぼ全クラブにご参加いただいている状況です。
前提として、5月までの検討で、まず、シーズン移行は「フットボール観点でメリットがある」ということが確認されていますので、フットボール観点でのメリットを目指してもし移行するのであればどういう懸念があるのか、フットボール以外での良い点、悪い点、両方のカレンダーを精査していこうという分科会になります。各会ともまず3回ずつの実施を想定していまして、6月に1回目、7月中旬ぐらいに2回目、7月下旬から8月上旬頃に3回目を実施し、最終的には分科会で得た情報を統合したものをもとに、8月の実行委員会・理事会あたりから「シーズン移行するべきか、するべきでないか」という賛否を問う議論を開始したいと思っています。

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それぞれの分科会が所管する主な項目は資料に記載の通りです。
それぞれ担当役員がいましてフットボール分科会が窪田、降雪地域分科会は幅広くなりますので窪田と青影の2名、事業・マーケティング分科会が笹田、経営管理分科会は青影がそれぞれ担当役員として実施することになっております。
・フットボール分科会
▶フットボール水準/試合日程/移籍への影響/JFL・大学・高校との連携/移行期の大会方式/試合運営 等
・降雪地域分科会
▶アウェイ連続数/練習環境/スタジアム環境 等
・事業・マーケティング分科会
▶スタジアム入場者/関心度/パートナー・スポンサー・ステークホルダーに関する事項 等
・経営管理分科会
▶移行期の経営状況/年度の変更/クラブライセンス/JFA・Jリーグの支援 等

資料にはシーズン移行のメリットや懸念事項「フットボール観点でのメリット」についても記載していますが、前回ご説明しておりますので、今回は割愛させていただきます。また、「現在のシーズン」も完璧なものではないという一つのご参考の説明ですが、これも前回と同様なので割愛させていただきます。

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6月時点での状況について、改めてまとめます。フットボールでのメリットがまず確認されましたので、4つの分科会でこれから様々な影響を確認していこうという段階です。
今、具体的な試合日程のシミュレーションに着手しています。いずれのパターンも降雪地域のクラブが12月、2月にホームで試合ができないところはアウェイで固定していくことになりますので、アウェイの連続数がどの程度になるかをクラブごとに検証していきたいと思っています。初期シミュレーションといたしまして、降雪地域クラブはJ1では1~2、J2でいうと4クラブぐらいです。それらのクラブが降雪期間、例えば4~7連続ぐらいアウェイになった場合、全体への偏りがどの程度出るかというと、J2・4クラブの場合でも、他の降雪地域以外のクラブがホーム3連続になるといった偏りが起きていないのが現在のシミュレーション結果です。
シミュレーションとして一次完了をしているものが26-27シーズンの具体的な試合日程とホーム、アウェイの組み合わせです。移行しない場合の2026シーズンと2027シーズンのシミュレーションを現在作業しています。これからは、2026と2027だけではなく、その先も「ワールドカップがある年」「クラブワールドカップがある年」などいろいろありますので、どの範囲まで精査すべきなのかも考えながらシミュレーションを進めていきたいと思っています。
試合日程の検証はパターンAとパターンBの2案。12月と2月、それぞれ1-2週程度ずつ長くするものと、現在のシーズンと全く同じにしたものの2パターンで検証を進めています。降雪地域は12月と2月にホームで開催できないクラブはアウェイで連続開催する想定で組んでいます。
4つの分科会で様々な担当者により精査を進めまして、最終的には「シーズン移行しない場合のカレンダー」、「シーズン移行した場合のカレンダー」、どちらにどのような影響があるのかを確認しながら、最終的には日本サッカー界にとって最適なカレンダーは何かというものを将来的な中長期の目標なども考えつつ、選択していくという作業に入っていくことになると思います。6月の実行委員会・理事会での報告は以上です。

〔質疑応答〕
Q:次のアジアカップが2027年に行われると思いますが、クラブワールドカップ、ワールドカップという説明がありましたが、ヨーロッパでは、ヨーロッパ選手権はリーグ戦とは並行しないけれど、アフリカネーションズカップは並行して行う、など、大陸別の大会に関する想定が行われていると思います。そのあたりはいかがでしょうか。

A:樋口本部長
2026年から2032年までの簡易シミュレーションを行っていますので、2027年の冬にアジアカップがあるケース、2031年の夏にアジアカップがあるケースの両方で検討しています。
アジアカップが1月に開催される場合は、現在のJリーグのスケジュールでもオフの期間に開催されることになり、シーズン移行をした場合においてもウィンターブレイクの期間になるため、いずれにせよ試合日程への影響は少ないと考えています。逆に6月・7月にアジアカップが設定された場合、シーズン移行をした場合はシーズンオフになるので、リーグ戦の日程には影響しません。シーズン移行をしない場合はリーグ戦開催期間となるため、J1のみ4、5週末分がアジアカップの期間と重なり、その分は平日開催が増えることになります。

Q:移行シミュレーションBの場合はかなり長いウインターブレイクになると思いますが、アジアカップの影響のように、平日の連戦が続くといったしわ寄せについては、現状はどのようなシミュレーションになっていますでしょうか。

A:樋口本部長
当然パターンBの方が、全体としてサッカーができる期間が短くなるため、平日や連戦が増えることになります。ただ、移行した場合としない場合の比較は簡単ではありません。例えば2026年はワールドカップがあり、2027年は日程に余裕がある年です。移行した場合の2026-27シーズンと移行しない場合の2026シーズン・2027シーズンだけの比較ですと、影響範囲が一致しないため、比較をするためには、4-5年分くらいのシーズンをそれぞれ並べて、少し引いた眼で全体像を比較しなければならないと思っています。シーズン移行をしない場合の2026シーズンと2027シーズンの精査、さらにその先も何パターンか作るという作業を進めているところです。平日開催の数がどうなるか、また連戦の数がどうなるか。シーズン移行をするうえでフットボール観点のメリットの一つは、猛暑でのパフォーマンスが低くなる傾向があるので、猛暑での試合期間を減らそうというものです。その分、「連戦が増えると意味がないのでは」というご意見もありますので、そのあたりは試合の走行距離が夏季と連戦時でどれくらい影響があるのか整理を始めています。J1はトラッキングデータによると、2022シーズンの全クラブの走行距離などを見ると夏は顕著に下がっています。一方で詳細な精査はこれから行いますが、連戦の影響はそれほど大きく出ていないという傾向もありそうです。まだ初期データですので、しっかりと分析して並べた上で議論していきたいと思っています。

A:野々村チェアマン
夏のデータはある程度で揃ってはいるので、お見せすることはできるのですが、それだけが独り歩きするのも、ということはあります。本当に良いフットボールを見せて行こうという、作品的な観点と、選手の能力をより引き出してあげられるよう改善していきたいという思いが特に現場には強く、この話の入口も結局そこだと思います。
シーズン移行とは全く関係なく、フットボールファースト、選手ファーストで考えたときに、どんな環境で試合をやっていくのが良いのか。その議論を、このタイミングで、サッカー界でしっかりしなくてはいけない、ということがあると思います。どうしてもシーズン移行にくっつけて話しがちですが、本来、我々のフットボールはどうありたいのをしっかりと議論することが必要だと思っています。

Q:日程というよりもパフォーマンスをどうするかというチェアマンからの言葉もありますが、A案、B案、共に、現状のシーズンで夏場の連戦を除いて、他のところに連戦を持って行くなどの議論や、そうしてほしいというクラブの要望は出ていないのでしょうか。

A:野々村チェアマン
出ているか出ていないか、という点では出ていません。フットボールの観点としてはおっしゃる通りだと思います。プライオリティを付けていくと、フットボールの質をどのように保つか。移籍関連や、アジアサッカー連盟(AFC)、国際サッカー連盟(FIFA)のカレンダーが変わったことによる、リーグ全体に与える影響など、色々なことを考えていくと、今おっしゃられたような意見が出にくいのは事実だと思います。ただ、それも含めて、日本のサッカーにとって何が良いのか検討するのが良いことなのではないかと思います。

Q:昨日選手会の総会があり、選手たちからも、いろいろなデメリット、降雪地域の話もわかりつつ、一方でちゃんと議論を進めていきたいという考えを強く感じました。一方で、同時にいろいろな条件、またどんなサポートがあるのか等をもう少しはっきりしないと話が進まない、という意見もありました。そのあたりは今後どのように進めていかれる考えでしょうか。

A:野々村チェアマン
サポートに関してはどんなサポートが必要なのか、ということを、リアルにシミュレーションできているクラブとできていないクラブがあるのが現状です。それを出してもらったうえで、もしシーズンを変えるならこんなサポートが必要だということをやって行かなくてはいけないと思っています。

Q:そのあたりを降雪地域の分科会で出してもらうということでしょうか。

A:野々村チェアマン
おっしゃる通りで、リアルに想像、想定してもらう作業をしているところです。

Q:シミュレーションのスケジュールの関係で、ワールドカップが終わった年にアジアカップが1月に開催されると想定された場合、J1は300試合あると思いますが、平日開催はしなくて済むのでしょうか。

A:樋口本部長
シミュレーションA、Bでも、シーズン移行をしない場合も、少なくとも2026年については平日開催はあります。

Q:今年はイレギュラー的にACLの開催状況で浦和などに平日開催がありますが、延期分があったりするものの、基本的には秋口くらいまで平日開催はありませんが、どのくらいの規模で平日開催があるのでしょうか。

A:樋口本部長
現状、2026-27シーズンでシミュレーションAの場合は、リーグ戦は平日が4~5日程度。シミュレーションBだとさらに2日程度増えるイメージです。
いずれにせよ、来シーズンは20クラブになりますので、今のシーズンとの比較というよりは、20クラブになった時の比較をちゃんとしなくてはいけない、ということで、まだ正確な情報を出すことができていません。

Q:若干本筋からずれるかもしれませんが、FUJIFILM SUPER CUPについて、シーズン移行をすると建付けも変わってくるかと思います。現状、今後も含めて、FUJIFILMとはどのような話をされているのでしょうか。大会存続、どのような形にするのか、例年の時期に開催するのは難しいと思うのですが、どのような形にするのか、などのイメージがあれば教えてください。

A:樋口本部長
現時点では、今の大会の構造を変更するという議論は行っていません。
そもそも、シーズン移行をするべきなのかという議論を、ステップを踏んで行い、最終的にはJリーグとして「日本サッカーをどうしていきたいから、こうする」というメッセージやご説明を差し上げないと、ステークホルダーの皆様とちゃんとしたコミュニケーションができないと思いますので、まずは何も変更しない前提で組んでいます。場合によっては変更した方が日本サッカーにとっては良いというものがあれば、しかるべきコミュニケーションが必要だと思います。現時点ではそういった議論は全く行っていません。

Q:分科会ですでに事業・マーケティング分科会が行われたとのことで、おそらく会計年度の違いで不安を抱いているクラブが多いのではと想定していますが、分科会で整理したクラブが抱いている問題点というのはどういったことがあるのでしょうか。

A:樋口本部長
実施したのは、フットボール分科会の1回目、事業・マーケティング分科会の1回目です。今週の木曜日、金曜日で降雪地域の分科会と、経営管理の分科会の1回目が終わる予定です。
今まで実行委員会でのコミュニケーションが多かったのですが、分科会には実行委員だけでなく、クラブの担当者も出席されるので、1回目はこれまでの議論の進捗や、これから各分科会の3回を通して、どのようなことを議論していくかについてのご説明が多い回となりました。
事業・マーケティングの観点では、マーケティング面では、カレンダーが変わったことでお客様にどのように楽しんでいただけるか、といったシミュレーションを進めていきますので、どのような方法でシミュレーションすることが適切かということを議論しています。
細かくシミュレーションしてやっていくと、数百、数千パターンということになりますが、あくまでもシミュレーションにすぎませんので、もう少し俯瞰の目でどのような影響があるかを考えていこうという話をしています。
事業面では、パートナーや自治体と、(会計)年度がずれることが多いという影響があると思います。ずれたらどのようなどのような影響があって、それによる機会や損失がどの程度あるのか、これからできる限り具体的に示していこうということになっています。「シーズンを移行する」という議論と「変化がある」ということは違うことだと思っています。シーズン移行が良いものだと定められたとしても、それにともなう変化のためには膨大な労力がかかってくると思います。そのあたりはしっかりと区別しながら議論していく必要があると思っています。

Q:シーズンを移行するとなると天皇杯をどうするかということがあると思いますが、このシミュレーションには天皇杯のことは含まれているのでしょうか。もしそれについて話し合う場合は、フットボール分科会になるのでしょうか。

A:樋口本部長
カレンダー案については日本サッカー協会(JFA)ともコミュニケーションをとって作成しています。天皇杯は、現時点ではシーズン開幕した7月・8月頃に1回戦があり、決勝は1月1日に仮で置いてシミュレーションをしています。

Q:(野々村チェアマンは)先週末富山で、試合前にシーズン移行についての考え方を、その場にいらっしゃるファン・サポーターへのトークイベント、地元メディアでも発信されていました。非常に素晴らしいことだったと思います。富山に行かれたのはシャレン!アウォーズの授賞式という面もあったと思います。他の積雪地域に向けて、現地に赴いて発信していくというお考えがありますか。

A:野々村チェアマン
先週末富山に行きました。シャレン!アウォーズの表彰もあったのですが、各クラブを回る中で、金曜日に行けるときは、地元の全部のメディア、行政の方、明治安田生命の皆さんに一日かけて挨拶するという事をいつもやっています。その流れの中の一つです。
感じたことは、何カ月間もかけてシーズン移行の話をしていますが、ほとんど正確に伝わっていない、ということです。自分たちの問題もあるのかなと痛感しました。
雪の中でやる試合が出てくるのではないか、冬にサッカーをやらなくてはいけないのではないかと思っている人が、メディアの方、サッカーの近くにいる方もそう思っていることを、行ってみて、話してみて実感しました。
どのように伝えていくか、と同時に、雪国や降雪地域のクラブに限らず、多くの疑問があったりするところ、しっかりと情報を届けられないところには行って話をした方が良いと思っているので、降雪地域に限らず、現地に行って、メディアの皆さんにお話をして、地域の皆さんにメディアの皆さんから伝えていただくということ、また現地でファン・サポーターと話をすることも問題ないと思っています。これまでもそのようにやってきたので、同じようにやっていくのが良いのではと思っています。
なんで変えなくてはいけないのだろうというところを、まだ伝えられていない。今の状況でのデメリットも伝わっていない。変えることで懸念されることが強調されているだけで、変えることのメリットや何故変えなきゃいけないかということが伝わっていないのが現状だと思いましたので、そこはしっかり伝えていかなくてはいけないと思っています。

Q:シーズン移行とはずれてしまいますが、昨日選手会の総会の会見があり、吉田選手会長がWEリーグの髙田チェアとは色々なことについて話をしたというコメントをしていました。
野々村チェアマンは吉田会長と選手間のリクエストを含め色々な話し合いや腹を割った討論などはあったのでしょうか?

A:野々村チェアマン
チェアマンに就任してからは、けっこう話しています。吉田選手も気を遣って名前を出さなかったのかもしれませんが、Jリーグの新しいオフィスにも来られて一緒に話をしていますし、1年前にチェアマンに就任してからも、3~4回は話しています。LINEでやり取りもしています。
選手会が望むことは、自分がもともとそう思っていたこと、1年前から準備をしてこう変えていった方が良いと思うこととほぼ一致しているところでもあるので、良い具合のコミュニケーションがとれていると思います。

Q:今日の理事会で鹿島アントラーズの社長で、Jリーグの理事でもある小泉さんから、先日発生したホームページへの誤表示の問題でお話や提案はあったのでしょうか。

A:野々村チェアマン
ありませんでした。

 

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明治安田J1リーグ 第12節
2024年5月6日(月)15:00 Kick off

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