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2023年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録

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2023年9月1日(金) 16:20

2023年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録

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2023年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録
2023年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録

2023年8月29日

2023年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録

2023年8月29日(火)17:30~
Jリーグ会議室およびWeb ミーティングシステムにて実施

登壇:野々村 芳和 チェアマン
窪田 慎二 執行役員
樋口 順也 フットボール本部 本部長
陪席:青影 宜典 執行役員
司会:仲村 健太郎 広報部長

〔司会(仲村広報部長)より説明〕
本日開催いたしました第8回理事会後の会見を開催いたします。
冒頭私の方から一点お話させていただきます。
ダイヤモンド・サッカーの実況でご活躍された金子勝彦さんがご逝去されたとの訃報を受けました。本日Jリーグからもお悔やみのコメントを出させていただきましたが、海外のサッカー、そして日本サッカー・Jリーグについて多くの発信をいただいたことに感謝申し上げます。2002年には永年の功績を称え「功労賞」を授与させていただいています。
生前のご功績にJリーグとして改めて感謝の意をお伝えしたいと思います。

本日理事会での決議事項での公表事項はございません。
検討事項としてシーズン移行の検討状況についてご説明いたします。
また、令和5年度のスポーツコミッションシンポジウムにつきましては、Jリーグコーポレートサイトに後援名義として掲載していますのでご確認ください。
https://aboutj.jleague.jp/corporate/aboutj/supportingevents/
それではシーズン移行の検討状況につきまして、フットボール本部長の樋口よりご説明いたします。

〔樋口フットボール本部本部長より「シーズン移行検討の件」について説明〕

先週の実行委員会と本日の理事会でシーズン移行に関する検討の議題を扱っています。
4分科会が一旦終わり、議論の軸として「シーズン移行するかどうか」よりも、そもそも「Jリーグ・日本サッカーはどのようなものを目指していくか」という議論に時間を使っていますので、資料のタイトルもそういう形に変更しています。
分科会や本日の議論とは別に、「監督会議」の報告資料もお配りしています。8月に4回に分けてそれぞれ1時間ずつ全クラブの監督がご参加いただけるようオンラインでの会議を実施いたしました。結果的にご都合が合わなかった方もいるのですが、60クラブ中57クラブの監督にご参加いただいています。これまでもクラブごとに監督へのインプットはあったと思いますが、各回1時間と限られた中、冒頭15分程で私や窪田からご説明し、その後45分ほど各監督と意見交換やコメントをいただく形となりました。監督会議での前提条件といたしまして、クラブの経営面なども含めた「クラブとして」のご意見ではなく、あくまでもフットボールの価値を高めるための「監督個人として」のご意見をいただいています。

クラブ名や氏名の記載なしでご意見を公開しています。(各発言は)取りまとめて公開した方が良いかと思いつつも、取りまとめることで情報が歪むこともあるかと思い、長いのですが全ての発言を記載しました。33名より発言をいただいていますが、やはり夏のクオリティが下がっていることに危機感を持っているということ、またヨーロッパとウインドーを合わせることにより移籍に関するメリットがあるのではないかというご意見を多数いただいています。
一方で、シーズン移行をした場合の現状の日程案をご覧いただき、ウィンターブレークがこれだけ長いよりは、サッカーできる時間を長くとったほうが良く、シーズン移行しないほうが良いのではないかというご意見もいくついただきました。

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「FIFAワールドカップで優勝したい、その際にJリーグの選手が多くいる」という究極の目標はありつつ、ここ数年でまず目指すべき状態として、アジアで圧倒的なJリーグになることや、ワールドカップベスト8以上を目指しますが、やはりヨーロッパのUEFAチャンピオンズリーグや5大リーグで戦っている選手がいながら、そこにJリーグの選手も組み合わさっていくことが現実的かと思っています。2点目は30年たった中でJリーグとしても一定の成功をおさめつつあると認識していますが、一方でヨーロッパはより長い歴史を土台により大きな成長を遂げているという観点がございます。そして環境の変化としましてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の大会構造の変化やFIFAクラブワールドカップが32クラブ制になることも含め、アジアで勝ち世界で戦うということが、Jリーグとしてもナショナルコンテンツ、グローバルコンテンツのクラブを作り、価値を高めることにより、60クラブの成長にも寄与していくという観点のお話をしている状況です。

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こちらがイメージ図です。Jリーグ選手中心の日本代表がワールドカップで優勝する、イングランドのプレミアリーグを超える世界No1のリーグになる等、さらなる高みはありつつも、まずここ数年で目指すべき状態をしっかりと目指していこうと話をしています。

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こちらは今までもお見せしたものです。Jリーグ理念やJリーグ百年構想は変わらず、さらに昨年設定した成長戦略の2つのテーマ、【トップ層が、ナショナル(グローバル)コンテンツとして輝く】、【60クラブが、それぞれの地域で輝く】を土台にしながら、そのためにどのような打ち手が必要かということを、4つの戦略と6つの施策に整理したものになります。今回この4つの戦略についてより具体的に話をしました。

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まず一つ目【世界と戦うフットボール】については、様々なデータをお示しさせていただきながら意見交換をしています。日本代表はワールドカップに連続出場して、ベスト16に継続して進出できる状況になっていますが、一方でJリーグの選手、国内組の割合は低下傾向にあります。今後もやはりヨーロッパの欧州CLや5大リーグで活躍する選手が中心となることを想定しています。一方で、Jリーグの中にいても世界と戦える環境づくりをしっかり構築しながら、Jリーグの選手もより多く輩出していきたいという思いもあります。
ACLは、今年からシーズン移行し、来年から24クラブの大会に変わります。先日報道発表もございましたが、賞金も3倍になり 優勝すると約17億円規模の賞金を獲得する大会になります。さらにこのACLで優勝しなければクラブワールドカップに出場することができません。そのクラブワールドカップは4年に1回32クラブの大会で初回が2025年にアメリカで開催されることが決定しています。
先日来日したマンチェスター・シティのようなクラブが、ヨーロッパからも12クラブ出る大会になるので、こういったクラブと本気の場でJクラブが戦うことは、Jリーグとしても絶好の機会と考えています。

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【海外からの収益獲得】の面では、ヨーロッパや南米なども含めた世界のクラブの収益の一覧を内部ではお見せしています。概要だけお伝えしますが、トップが約1,000億円規模、トップ20の平均が約630億円、21〜40位までが約230億円、41〜60位までが約130億円の規模になっています。これらは移籍金が入ったデータではないので、移籍金の収益が加わるともっとプラスになるクラブもあると思います。
例えば21〜40位では、アヤックス・アムステルダムやSLベンフィカ、SSCナポリ、41位〜60位では、セルティックFC、フェネルバフチェSKというようなクラブが入ってくるイメージです。
試合結果は収益だけで決まるものではありませんが、今後Jリーグのトップクラブがアジアで勝ち世界と戦っていくためにも、やはり一定規模の収益に届くことで、トップのクラブに勝つチャンスもより増えてくると考えています。
Jリーグは現在、トップでも100億円に届かない状態です。
例えばUEFAチャンピオンズリーグでは、ビジャレアルCF、FCポルト、SLベンフィカのような200億円規模のクラブが、ベスト8に毎年1クラブくらい入っていますので、200億円というのを一つの目安として、我々も日本代表のワールドカップと同様にクラブワールドカップでもJクラブがベスト8以上に入るような環境を作れないかと意見交換をしています。
当然そこには多くのギャップがあり、これまでもトップクラブの方々も100億円というのは一つの目処にしながらも、「200億円はどういう世界観なのか」という話になりました。
やはりそのためには今の延長線上の成長ではなく、非連続な成長が必要になります。ACLで優勝すると20億円、クラブワールドカップは大会方式も賞金も未発表ですがより多くの金額が入ることが見込まれますので、このような大会で勝っていくこと。そして二桁億円規模の移籍金収益を恒常的に得ていくこと、それから国内放映権、海外放映権両方において、ナショナルコンテンツやグローバルコンテンツとなるクラブが登場することにより、放映権料は上がっていくという道筋が見えていますので、こういった3点で非連続な成長を遂げる必要があることを確認しています。

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3点目の【競争環境の構築】や4点目の【各地域での圧倒的な露出】は、本日の議論というよりも昨年から続けているものの延長線上になります。ですので詳細の説明は割愛しますが、競争へ舵をきっていくということ、J1のクラブ数を20クラブにしたり、JリーグYBCルヴァンカップはトップクラブが下位クラブのホームに行くことで、その地域の起爆剤となるような大会にするなど、複合的な構造改革をしています。
露出についても普段ご説明している通り、今、テレビも含めて露出を圧倒的に増やしている段階です。今後は露出を増やしてファンを増やすだけでなく、そこからどのように収益化していくかも含め、リーグからも職員を各クラブに派遣し、各クラブ担当がクラブとコミュニケーションしながら、それぞれのクラブの収益化のスタイルを作り始めているところです。

ここまでの全体をまとめますと、Jリーグ理念やJリーグ百年構想をベースにしながら、2つの成長テーマを両立させられると考えています。4つの戦略を具現化しながら2つのテーマ、「トップは100億円、200億円と伸びていく」、「60クラブはそれぞれの地域で経営規模を1.2倍、1.5倍と増やしていく」、また、トップが増えることによって様々な賞金や移籍金、放映権が高まるとそれがJリーグ全体の価値向上や配分金増に繋がっていく、そんな構造を作っていけたらという話をしています。

その中の一つの打ち手として、シーズンを移行すべきかどうかということも当然並行して議論しているところです。検討スケジュールについては従前のご説明の通りなので割愛いたします。

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8月で4つの分科会の各3回が終わり、12回の分科会が終わりました。各分科会の主な議論の内容についてはこちらです。前回お示しした2回目までの議論内容に加えて、3回目に追加したものは資料中に下線で示しています。
それぞれの分科会については、検討すべき内容がすべて完了しているというよりは、当初設定している3回がいったん終わったという状態です。8月実行委員会、理事会で詳細の報告をしています。今後、Jリーグの目指す姿、シーズン移行をすることのメリット、デメリット、現在のシーズンのままでいることのメリット、デメリットを具体化しながら議論を進めていきます。
分科会については、これまでと違ったテーマ、例えばスタジアムの確保の調整のための分科会、目指す姿やJリーグの価値をどのように作ってさらにそれをどう具体化していくかといった意見交換をする分科会をつくろうかという話をしています。
いったん、シーズン移行をする場合、しない場合の様々な研究を分科会で行いましたので、それらの概略をご紹介いたします。

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実際、クラブや理事会へは、経営状況なども含めてもう少し細かい粒感でご報告しています。
開催期間、ウィンターブレーク、サマーブレークがどのくらいあり、平日の試合開催がリーグ戦の中でどのくらいあり、選手のオフ期間がどのくらい日数になるのか、アウェイの連続がどれくらい増えるか。キャンプの費用がこれまでの実績と比べてどのくらい増えるのか、各クラブの申告に基づくもので第一次案として作って整理をしてご報告しています。

また、重要な参考情報として、これまで走行に関するインテンシティなどのJリーグのデータをお見せしていました。前々回のご説明の際に、ヨーロッパの5大リーグについてもそうしたデータを確認するとお話していましたが、そのデータが入手できましたのでご紹介します。
総走行距離、ハイインテンシティ走行距離、加速の回数、減速の回数の4つで比較しています。

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資料のグラフ上、黒がJリーグ、赤がヨーロッパの5大リーグです。それぞれのリーグでばらつきはありますが、グラフのカーブは同じような形となりますので、平均としてまとめています。
なお、Jリーグのデータの数値はこれまでお見せしたものと変わっています。これまでお見せしていたデータは、Jリーグの公式データを活用していました。今回はヨーロッパのデータを外部から購入しており、この外部データとJリーグの公式記録で数値の算出方法の違いがあると比較に意味がなくなりますので、Jリーグのデータも同じ定義の外部データを使用しています。ですので、今回お見せしているものと以前の物とは数字が変わっていますが、

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夏に向けた谷型のカーブの形は変わっていませんので、その前提でご覧いただければと思います。
グラフは黒と赤で重ねて表記するよりも、季節が違いますので、敢えてずらして表記しています。
想像の通りでありましたが、日本は夏に向けて谷(凹)のカーブになっていますが、ヨーロッパは山型(凸)のカーブになっていることがわかります。他のデータも高さのバラツキはありますが、シーズンが始まるとともに上がっていて、終盤に落ちていくという山のカーブがヨーロッパのスタンダードとなっているということが改めて分かりました。

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最後に、監督会議のご意見も含めて、やはりJリーグのシーズン中に中心選手が海外移籍することの悪影響について多くの意見をいただいています。こちらの資料は最近の海外移籍をまとめた資料になっています。資料の上部(青い矢印と赤い矢印)がヨーロッパのシーズンとJリーグのシーズンが約半分ずれているということを示しています。
ヨーロッパのシーズンの開始前が世界で一番移籍のマーケットの金額的にも、選手の人数的にも多いです。ヨーロッパのシーズンの変わり目が、ちょうどJリーグのシーズンの真ん中になります。ここで多くの有力な選手が海外移籍をしています。当然、有力な選手が抜ければ、チーム編成がシーズンの真ん中に大きく変わりますので、多くの困難に直面するわけですが、そのクラブだけでなく、J2からJ1へ、J3からJ2へと、玉突き的な移籍も発生している影響も含めると、ここに記載されている選手だけでなく、より多くの影響がJリーグシーズンのど真ん中で発生してしまっているのは、一つの大きなデメリットだと認識しています。

本日の議論は以上です。4つの分科会の議論の状況を詳細も含めてご報告し、シーズン移行をする、しないにかかわらず、そもそも、Jリーグ、日本サッカーがどのようなところを目指していくべきか、時間をかけて議論いたしました。
改めて確認ができたのが、トップクラブが100億円、200億円規模になって、ナショナルコンテンツ、グローバルコンテンツになっていくということ。さらに、60クラブがそれぞれの地域でそれぞれのスタイルで経営規模を増やしていく。この2つを両立させていくことが、いま目指す姿に繋がっていくことを、実行委委員会、理事会でも確認できたと思っています。
目指す姿は、議論のたたきなのでまだぼやけている部分もありますが、もっとはっきりしたものを示したうえで、そのためにはどちらのシーズンがふさわしいかという意見交換や、もしシーズン移行する場合はJリーグとして各種対策のために活用できる財源がどれくらい準備できるか、降雪地域のクラブや施設にどのくらいサポートができるかを、財源を明確化したうえで各クラブとの意見交換に入っていくのが、9月の予定となっています。

【質疑応答】
Q:Jリーグ、日本サッカーが目指すものというところで、先ほど200億円規模を目指すとありましたが、世界のクラブは移籍金が入っていない数字ですが、一方Jリーグは移籍金を含んだ数字で200億円を目指すといった理解でよろしいでしょうか。

A:樋口本部長
データとしては移籍金が入っていないものになりますので、当然、21~40位の平均230億円のクラブは250億や260億といった数字になるクラブもあると思います。いまはまだ200億円への数字を正確に積み上げているというよりは、世界観としてそこを目指すという議論の段階です。

Q:簡単にいうと、今、100億円のJクラブがない中で、ACLやクラブワールドカップの賞金を考えてもそれなりに、放映権料をどんどん上げていかないといけないと思います。その点、クラブの努力もですが、Jリーグ側の努力も必要になってくると思いますが、その点はどう捉えていますか。

A:樋口本部長
当然、放映権料については国内、海外を含めてより高めていく必要があると思っています。放映権料を高めるにはいろいろな要素があると思っていますので、海外の事例で、どのようにして高まっていったのかなどの研究をしています。リーグ、クラブ全体で放映権料を高めるためにコントロールできることと、できないことと両方あると思うのですが、その中でコントロールできることは何かを明確化しながらしっかりと進めていこうという話をしています。当然ながら1、2年でいきなり200億になるということはないと思います。スタジアムのお客様をもっと増やすこと、パートナーを増やすことなど、様々なことを複合的にやっていく必要があると思います。

Q:続けて野々村チェアマンに伺いたいのですが、今回の議論では、例えばシーズン移行するとキャンプ費用がだいたい1クラブあたり1,500万円かかるという試算で60クラブ全部に補助すると9億円ほどかかります。先ほど樋口さんからも9月に財源などを明確化して話し合うという説明もありましたが、チェアマンとして移行に伴うクラブへの負担への手当というのは現在、どのように考えていますか。

A:野々村チェアマン
まず、確かに60クラブ×1,500万円は9億円ですが、あくまでもこれはクラブから出てきている数字ということを前置きし、シーズン移行する場合は、私は当初かかるものに関してはリーグ、または日本サッカー界がサポートしながらいい方向に進めていくことが筋だと思っています。かかる費用はそれだけではなく、シーズンを移行することの先に私たちが目指さなければいけないものは、もっと大きなものだと思っていて、それはこれから財源をどうしていくかという点ともリンクしていきます。
まずは降雪地域のスポーツ環境をどう整えていくのか。これは以前から私が言っていますが、日本での10年、20年たってもなかなか変わっていかない中で、サッカー界がそれを進めていくということでかかる費用も当然あると思います。夏場の環境も含めて、日本のスポーツにはどんな環境が必要かを前に進めていかなければならないと思います。費用の捻出の仕方や考え方も含めて、日本サッカー界全体で進めていきたいと思っています。

Q:樋口さんにお伺いします。Jリーグ監督会議で、57名の監督に聞いて、掲載されているのは33名ですが、どういった取捨選択をしたのか、掲載を拒んだ監督がいたのか、どういった数字なのか教えてください。

A:樋口本部長
全てのご発言を載せています。4回に分けて57名の監督にご参加いただきましたが、そのうちの1回、参加人数の多い回がありまして、すべての監督にご発言いただけない回がありました。会議でご発言いただいた全33名の発言を掲載しています。24名はご発言いただいていないということです。

Q:続いてチェアマンにお伺いしたいのですが、日本サッカーが目指すものという中で、アジアで圧倒的なリーグになるというお話がありました。昨今、サウジアラビアがビッグネームをどんどん獲得しています。以前はサッカーバブルがはじけた中国がありましたが、サウジアラビアの場合は国策も絡んでいるとも聞いています。現在のサウジアラビアリーグの動きをどうみられていて、Jリーグとしてどうしていくべきと考えていますか。

A:野々村チェアマン
例えばサウジアラビアのクラブとJリーグのクラブのどちらが強いのかという話はACLで一つ見えてくるところだと思います。リーグの価値やその国のサッカーの価値は少し相反するかもしれませんが、強いか弱いかだけではないと思います。Jリーグは30年やってきた中で、ほかの国のリーグと比べても良いところはかなりたくさんできてきていると思いますので、リーグとしての良さがアジアで圧倒的に評価される一つだと思っています。だからといって、競技レベルが低くては意味がないと思いますので、競技レベルを上げていく中でリーグとしての機能、また各クラブのホスピタリティも含め、スタジアムの良さや、日本という国の良さといったところを評価の基準の一つとして、アジアの中で、選手があの国のリーグに行きたいと思い、そして見に行きたいというリーグになっていくというニュアンスで捉えていただければと思います。

Q:多分、野々村さんがおっしゃったJリーグの良さはおそらく子どもも女性も安心して見に行けるという観客の視点かと思います。昨今、浦和レッズンの話はありましたが、Jリーグの良さを改めてご発言いただけますか。

A:野々村チェアマン
そういうことだと思います。例えば海外の方がサッカーを見に行くといったときに、サッカーだけの魅力でくるだけではない。日本はいろいろないいところがあるので、そういったことも含めたのも魅力の一つ。まったく別の視点(選手の視点)でいうと、例えば給料の遅延がないとか、日本という国の安心、安全を海外の選手、子どもがいる選手は求めたりすることもあると思います。日本国全体のいいところを表現できるものがサッカーの一つでもあったりすると思います。

Q:樋口さんに確認したいのですが、走行距離のデータでヨーロッパリーグの基準に合わせたという言い方をされていましたが、ソフトを一緒にしたなど、具体的な分析解析ソフト名を教えてください。

A:樋口本部長
資料内に記載がありますが「SkillCorner」のデータを活用しております。

Q:今までJリーグが使用していたものは

A:樋口本部長
Jリーグの公式データです。

Q:これは今回だけ購入して使用したものなのか、今後も「SkillCorner」を活用していくのでしょうか。

A:樋口本部長
Jリーグの公式データが変わるわけではなく、今回のデータ比較においていったん活用してみようという形で取り組んでいます。

Q:野々村チェアマンにお伺いします。先ほどの質問にもサウジアラビアの話が出ていましたが、以前の理事会のメディアブリーフィングの際、アジアサッカー連盟(AFC)における中東勢の発信力、発言力が強くなっているといった話をされていたと思います。そこに向けた対応、秋春シーズン移行の話も含め、ナショナル(グローバル)コンテンツとして輝くための強化として、AFCの中での発信力の部分でも意識されているのか、そういった点はいかがでしょうか。

A:野々村チェアマン
発信力というと、どちらかという日本サッカー協会マターの話になると思いますが、やはり日本という国のリーグがアジアの中で、勝ち負けにおける存在感を示すということが一つ発信力を持つ大きな要素だとはしっかりと認識しています。以前お話しした影響力というところでは、サッカーもビジネスとして考えたときには、資金的な部分で相当大きなものが西アジアの方であるというのが現状です。そこは数年間、様子を見ながらということになるでしょうが、国内だけで商売をしていくものではないと思います。現状の世界の情勢を考えたときには、今の流れの中でどうやって世界のサッカーのヒエラルキーの中でJリーグがポジションを取っていくのかということをいろいろと知恵を絞っていくのだと思っています。

Q:海外の収益獲得という中で、トップ層が海外からの収益を目安として何割ぐらいというのを意識されているのでしょうか。

A:樋口本部長
そこまで具体化できていません。海外のクラブの収益をスポンサー収益、入場料などの収益、放映権の収益に分けますと、スポンサーや入場料の収益は130億円や230億円に達するにはプラス、10億や20億といった世界なのですが、放映権料の配分の部分が非常に大きな差があると思っています。例えば、ヨーロッパチャンピオンズリーグに出場すると、出るだけで20~30億円ほどもらえます。先ほどサウジアラビアの話が出ましたが、例えばACLでサウジアラビアがあれだけ注目されていて、ACLの価値が高まることによって、もしかしたらACLからの配分金というものがヨーロッパチャンピオンズリーグに近づいてくる世界もあるかもしれません。アジア全体が盛り上がっていくことは、非常に重要な観点だと思っています。

Q:野々村チェアマンにお伺いしたいのですが、天皇杯での浦和レッズの観客の乱入、先月はFC東京の観客が花火を使用したといったことに対して、理事会の中で何らかの危機感の表明なり、チェアマンが発言する、あるいは議論などはありましたか。

A:野々村チェアマン
FC東京の話は先月したかと思います。天皇杯の名古屋グランパスvs.浦和レッズについては、こういうことがありましたということと、JFAでクラブならびに個人に対しての処分をどうするかという話がいまありますという報告はしております。

Q:私はこの一件は一線を越えたと思っています。花火にしても例えば何かに引火して人が逃げようとするとか、浦和レッズの場合も、まだ人がたくさんいるときに上の方に逃げようとする人、下に向かっていこうとする人が合流する、そこで倒れたりすると非常に大事故になります。ヨーロッパなどでも大惨事になる原因は将棋倒しですから。大会自体の主催は協会ですが、実際にはJクラブのサポーター、観客がやっていることなので、チェアマンとしてなのか、リーグとしてなのか、何か今までと違ったアクションが必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

A:野々村チェアマン
もちろん、皆さんはご存知だと思いますが、Jリーグの試合で起こったことと、JFAの試合、今回の天皇杯で起こったことで、我々が直接介入できることが違ったりします。ただ、私は就任してからずっと、いかにどんないい作品を各クラブが作るかということを競っているのがJリーグの良さでもある中で、作品の一部はサポーターも一緒に作るということは徹底して伝えているつもりです。リーグがそれを一括してこうしなければいけないということを、言えるような規約の設定になっていないのですが、それぞれの地域でそれぞれの作品があっていいと思いますので、各クラブで最も自分たちのクラブがいい作品だと思うものを、サポーターと一緒に作っていくということは、もう一回徹底して考えなければいけないと改めて思いました。浦和レッズの一件の後に、リーグより再度、(各クラブにおける)試合運営管理規定、観戦ルールに基づいて、ルールを守って、皆でいい作品を作っていきましょうということを各クラブに通達をしています。

Q:それは通達済みということですね。

A:野々村チェアマン
はい。

Q:シーズン移行の件について、分科会がいったん予定通り終わって、現場レベルの意見はある程度吸い上げられたと思いますが、ステークホルダーへの直接なヒアリング、ファン・サポーターへのヒアリングや説明はどのようにしていくのでしょうか。

A:野々村チェアマン
ファン・サポーターは、クラブと一緒に作品を作っていく仲間だと各クラブの実行委員も認識していると思います。基本的には、クラブがファン・サポーターと、シーズンの話は向き合いながらコミュニケーションをとっています。クラブからサポーターの意見を吸い上げてもらい、反映すること、また我々(Jリーグ)は、ファン・サポーターの皆さんに対して、メディアの皆さんを通して、今どのような状況でどのような議論を行っているかをお伝えしています。また、私は各地域を回って地元のメディアの皆様とのコミュニケーションを通じて、各地域に住んでいるファン・サポーターに状況をお伝えしていますので、引き続きそれはやっていきたいと思っています。

Q:キャンプ費用について質問です。移行した場合に、案A、案Bそれぞれキャンプ費用が増えるということですが、全60クラブが開幕前およびウィンターブレークにキャンプに取り組めばそのくらい増えるという理解をしていますが、例えば降雪地域10数クラブに限った場合、金額感としてどのくらい増えるのでしょうか。

A:樋口本部長
現時点でその整理はできていません。クラブもこの試算は大変な作業でして、まだやったことのないことに対して想定で考えてつくっているので、全60クラブ分を集めるのにも時間が掛かりました。まだきちんとした分析ができておらず、速報として平均値をお見せしている状況です。また、クラブによって試算の前提条件が違っていると思いますので、多く見積もっているクラブも少なく見積もっているクラブもあると思います。実際にこの数字を活用していく場合は、どのように精査していくかも大事になります。

Q:監督会議における監督からのコメントについて質問です。意見のひとつに関する回答で、「サマーブレークを来年からは3~4週程度設けることを含めて検討している」とのことですが、現時点でどのくらい必要性を感じているのでしょうか。

A:野々村チェアマン
サマーブレークに関してはかなり必要性を感じています。サマーブレークをとればとるだけ、他のところで日程がタイトになるということがあるとはいえ、ある程度とった方が良いだろうと思っています。自分たちは良いものを提供する責任はありますし、Jリーグの理念に掲げられている日本サッカーの水準をどうやって向上させるためは、一言で言うとインテンシティが高くできないようなところでの試合は避けた方が当然良いですし、かつ選手の成長のためにも当然その方が良いです。昨今の日本全体の気温の問題も含めて、このような季節にスポーツはどうあるべきかと考えるきっかけにもJリーグがなっていかなくてはいけないと思います。
夏、冬のスポーツ環境をどのように作っていくかということにもつながると思いますので、できないと思っていたことを少しでもできるように変えていくということを始めないといけないタイミングにあると思っています。

Q:状況によって4回以降の分科会や、違ったテーマの分科会も設定するとのことですが、全体の議論のリミットの設定、スケジュール感について、最終的な結論が遅れるというようなことはあるのでしょうか。

A:樋口本部長
現時点ではスケジュールの遅れはないと考えています。今後目指す姿を具体化しながら、「シーズン移行をする、しない」というどちらかの方向を定めたときに、より明確に課題が出てくることがあるかもしれません。その際に何か判断することはあるかもしれませんが、現時点で「これが定まっていないから遅れる」ということは無いと認識しています。

Q:夏場の環境も含めて、日本のスポーツがどうあるべきか、日本のサッカーがどうあるべきかをJFAと一緒に、育成年代の夏場の試合に関して控えるような方向に持って行きたいなど、具体的にコメントいただければと思います。

A:野々村チェアマン
JFAも含めてだと思います。今でも夏場で苦労しているところがあったりします。それを動かそうと思っても、日本の季節の環境、降雪地域も含めて難しいこともあり、うまく運んではいないと思いますが、今までできなかったことをできるように少しずつでも環境を作っていくということがあれば、だんだん変えていけると思います。Jリーグだけではなく、JFAも含めて一緒に日本のスポーツ環境を変えるということを、今手を付けないといけない、そのタイミングなのだろうと思います。

Q:ヴィッセル神戸の齊藤未月選手が8月19日 第24節( vs. 柏レイソル)で大きなけがをして、JFA審判委員会のブリーフィングで当該プレーは退場(レッドカード)が相当だったのではというお話がありましたが、そうした危険なプレーに対するJリーグとしての注意喚起を考えていることがありますでしょうか。

A:野々村チェアマン
当然、危険なプレーに関しては、もともとダメだといっています。
今回の件が何にあたるかということは、審判が基準を示すことが大事だと思っています。特にジャッジがこの世界には付きまとうものですが、以前より皆様にもお伝えしている通り、どこの国でも審判は独立したものであり、JリーグはJFAにお願いして審判を派遣していただいています。とは言えJリーグの提案として、例えば選手は多様な国の選手がJリーグに来てより魅力的なサッカーを提供しようということでやっています(審判も同様のことができないかということ)。
以前はJFAも海外の審判員が1年通して日本で笛を吹くということがありましたが、そのような環境を作っていくということは、国内の審判の育成に対しても効果的なのではないかと思っています。もちろん費用はJリーグがしっかりと捻出しながら、色々な国の人が審判を担当して、審判の基準、また観る方の基準も一緒に成長していくという環境を作りたいということをJFAには伝えています。
どうすればもっとよくなるか。ジャッジする側も観る側も含めて、日本サッカー全体が成長するために、自分たちとしてはそのような準備があるので、そのような環境を作ってくださいといっています。Jリーグが自分たちで審判員を連れてくるわけにはいかないので、JFAに対してそのようなお願いをしています。

Q:来月降雪地域についてのサポートについて意見交換をするとのことですが、基本的には練習環境やキャンプ費用を念頭に置いたものなのでしょうか。それとも、試合環境、スタジアムも視野、考えの中には含まれているものなのでしょうか。

A:樋口本部長
現時点では、あらゆる施策を検討している段階です。

 

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