『Ｊリーグ育成・下部組織のレベルアップを目的として、GK育成のための指導者研修会』が名古屋グランパスエイトの練習場のある愛知県・トヨタスポーツセンター内で２００７年３月１３日～１４日の2日間にわたり開催された。講師は現ポーランド代表GKコーチで、アヤックス、FCバルセロナという名門クラブチームやオランダ代表のGKコーチとしても活躍したオランダ人のフランス・フック（Frans Hoek）氏。初日は、講義と名古屋グランパスエイトユース選手への実践指導の後、各クラブ下部組織の参加コーチ陣とのディスカッション、懇親会が行われ、2日目にはフィールドプレーヤーとGK別の実技トレーニングが行われた。実技トレーニングでは、GKのポジションやチームにおけるGKの重要性を、実際に試合でよくあるシチュエーションを実践して説明が行われた。ゴール前では「オフェンスはアイコンタクト、クロスの精度を厳しく、そしてゴールを決めること。GKは得点をさせないように！」と指導が行われた。

また、元ドイツ代表のオリバー・カーンはリアクションタイプのＧＫ、一方オランダ代表のファンデルサールは洞察力・予測能力があるＧＫであることを例に挙げ、ＧＫのタイプでチーム戦術が大きく変わってくることを説明。ＧＫのストロングポイントとウィークポイント、どのような特質を持っているかをしっかり捉え、彼らに合った育成方法、そしてチーム戦術を考えることが必要であることが語られた。

参加した清水エスパルスの真田GKコーチは「実りある２日間になりました。育成年代GKにとって可能性が大きく広がる指導をこれからに生かしたい」、名古屋グランパスエイトの大我コーチは「フィールドのコーチであってもGKのことを知ることがいかに大切かということが改めて理解しました」とそれぞれ充実した表情をみせた。

フック氏は、「私自身毎日毎日が勉強です。自分を向上させるためにはオープンマインドでたくさんの情報を吸収して楽しんで指導をしてください」というメッセージを伝え、このセミナー開催に関わった全ての関係者に感謝の言葉が述べられ、研修会は終了した。