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Jリーグチェアマン村井満 メディア出絵N・掲載情報一覧

2016/4/5(火)

【スポーツニッポン掲載・全文掲載】村井チェアマン直言 AED背負い仲間の命救った甲府サポーター

それは3月27日のナビスコ杯1次リーグ第2節でのことだった。この日大宮をホームに迎えた甲府は山梨中銀スタジアムで熱戦を繰り広げていた。バックスタ ンドで観戦していた女性が突如、心肺停止状態に陥った。一般的なスタジアムであれば、一報を聞いたメインスタンドのスタジアムドクターがバックスタンドの 現場に駆けつけて処置を施すことになるため、発見から対応までには若干の時間を要する。

 だが、このスタジアムには命を救う力強いサポーターがいた。甲府では06年から地元の救急病院に勤務する医師の提案でAED(自動体外式除細動器)救護 ボランティアがスタジアム各所に配置されている。現在、1試合に参加するボランティアは5人。彼らはAEDを背負い無線機を持ちスタジアムの各所で不慮の 事態に備えている。今回は巡回しているボランティアが即座にAEDを使用。同時に会場ドクター、警備、クラブ運営が連携し、手配された救急車で搬送した。 その迅速さのおかげで女性は病院で意識を回復したという。もし、バックスタンドにAEDボランティアがいなかったら女性の容体も別のものであったかもしれ ないと思うと、このボランティアの大きな価値が見える。

 AEDに言及する時、Jリーグではまだ記憶に新しい11年に起きた元日本代表の 松田直樹さんの不幸が思い出される。あの時、練習場にAEDが完備されてなかったがゆえに心肺停止状態になった松田さんに迅速に手当てができなかった。そ のことがきっかけでAEDに対しての社会の意識が高まり、人々の命が救われたという話も少なからず聞くようになった。13年から毎年群馬県で開催されてい る松田直樹さんを称えるメモリアル試合では収益金の一部で購入したAEDがスポーツ団体などに寄贈されている。救われる命をつなごうとする活動が続いてい る。

 甲府の話に戻ると、導入を提案した医師は「試合には1万人以上の人が集まる。何かあった時のための態勢をつくっておくことは今後の クラブの付加価値につながる」という思いが根底にあったと聞く。ボランティアの皆さんは報酬を得ることもなく、手弁当でボランティアを毎試合実施している が、そこには医療従事者としての救急救命に対する熱い思いとホームタウンのクラブへの強い帰属意識の精神が宿る。

 Jリーグは14年から スタジアムへのAEDの常設をルール化した。スタジアムによっては8台のAEDを完備しているところもある。しかしながら、機器以上に大事なものは、そう したものを確実に使いこなせる態勢づくりであり、最終的には人的資源をいかに持つかに関わってくる。サポーターがクラブを愛し、クラブにどう関与していく かを考えた時、クラブとサポーターの間に成立する協働の精神こそスポーツ界全体に伝えたいJリーグの大きな魅力だと思う。

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