本文へ移動

今日の試合速報

第17節 6.1(土) 15:00KO 国立競技場 鹿島vs横浜FM 国立競技場に10,000名様無料ご招待
第17節 6.1(土) 15:00KO 国立競技場 鹿島vs横浜FM 国立競技場に10,000名様無料ご招待

J’s GOALニュース

一覧へ

【第84回天皇杯決勝:東京V vs 磐田 レポート】磐田の追撃をしのぎきった東京V。「名門復活」を印象づけた8年ぶりの優勝(05.01.01)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
1月1日(祝)第84回天皇杯全日本サッカー選手権決勝

東京V 2 - 1 磐田 (13:32KICK OFF/国立/50,233人)
得点者:'35 飯尾一慶(東京V)、'53 平本一樹(東京V)、'77 西紀寛(磐田)
-------

ヤマザキナビスコカップ決勝、サントリーチャンピオンシップ。今季は「決戦」の場で退場者がでることが多い。奇しくも、この天皇杯決勝でも退場者がでた。東京Vが試合を優位に進め、1点リードを守って前半を終えようとしていた44分、イエロードカード2枚でレッドカードを突きつけられたのは東京Vの攻撃のキーマン、MF小林慶行だ。
責任感の強い選手。リーグ戦途中でボランチからトップ下にコンバートされた時は、「得点チャンスを逃すと、チームメイトに悪くて」眠れなかった。
そんな彼の人生初の退場の舞台は、決勝戦の大一番だった。赤いカードを呆然と見つめた小林慶行の顔はあっという間に歪んでいき、涙が溢れた。クラブのマネージャーに支えられてロッカールームに戻って行く姿は痛々しく、ハーフタイム中、チームメイトさえ「声をかけられる状態じゃなかった(MF山田)」。

この退場にいちばん動揺していたのは小林慶行本人だった。こういう特別な試合では、アクシデントは逆に選手を冷静にさせることもある。ピッチでは「10人なら10人の戦い方がある」(DF米山)、「じゃあ守ろうと方向性が定まった」(MF林)、「あれで気合が入った。退場した人の分も頑張ろうとポジティブにチームがまとまった」(DF富澤)と前向きに捉えていた。
しかし小林慶行は「頭の中が真っ白でした」。そして「なにより、チビ(FW飯尾)の45分を奪ってしまったのが悪くて…。あいつはすごくいい動きをしてたのに」。と試合後もその時の心境を思い起こして再び目を伏せた。

ハーフタイム、DF柳沢との交代を告げられたのは先制点を挙げたFW飯尾だった。前半35分、FW平本のヘディングシュートがポストに当たって跳ね返ったところをしっかりと詰めてゴールを決めた殊勲者。
印象的なのは、飯尾がこのゴールの瞬間走って行ったのは、この決勝戦出場を熱望しながら結局メンバー外になりピッチサイドで観戦していたFW桜井の所だったことだ。
「怪我で出れなかったサクさんの悔しさがわかってたから、サクさんのために点を取りたいって思ってました」(飯尾)。天皇杯では怪我の桜井のポジションを埋めた。この日は、いつも「楽しんでやれよ」と声をかけてくれる先輩のユニフォームを下に着込んで決戦に挑んでいた。また、飯尾は今季他チームでプレーすることが濃厚で、この大会には期するものがあり、当然もっと出たい気持ちはあっただろう。
それは小林慶行はもちろん、選手、チーム全員がわかっていた。

そして、中でもこの飯尾の交代が発奮材料になったのがFW平本だ。「飯尾のために絶対、点を取ってやるって思った。俺、飯尾のためならなんでもできますから」というユース時代からの大親友は、後半開始8分、驚きのプレーをみせる。中盤でボールを奪った後はそのままドリブルで相手DFをすいすいと抜き去り、最後は左足に持ち換える余裕までみせて落ち着いてゴール。数的不利で圧されていた状況の中、チームはまさに「狙っていたワンチャンス」(DF米山)をモノにした。

この追加点でベンチはまるで優勝が決まったかのような騒ぎになる。この後はパワープレーに転じた磐田の猛攻を凌ぐ時間帯になるが、DFも中をしっかり固めて落ち着いて対応。後半30分にはGK高木が磐田MF名波の絶妙FKを腕一本ではじき返した。これにもまた選手が一斉にゴール前に走りこみ、高木をもみくちゃにする大騒ぎとなった。
この後1点を返され防戦一方となるも、気力で凌ぎきりロスタイムを消化。試合終了の笛と同時に、コーチ陣、スタッフ、控えの選手らがピッチになだれ込み、互いに涙を浮かべての抱擁が繰り返された。
「全員が自分のためじゃなく、チームのため、誰かのためにプレーしていた」とMF林。だからこそ「全員で掴んだ優勝(FW平本)」と監督や選手は胸を張った。

2005年元日は、選手、監督、コーチ陣、サポーター、スタッフ、OB。東京Vを取り巻くさまざまな人達にとって記念すべき日となった。
8年ぶりのタイトル獲得。数々の栄光を手にしてきた歴史あるクラブの継承者にとって、この8年は初タイトル獲得までのそれより遥かに長く感じていたのかもしれない。
「WE ARE BACK」の文字が入ったTシャツを着て、ゴール裏のサポーターの前に立つと、選手達の目には「名門復活」の4文字がいくつも飛び込んできた。
タイトルは手に入れた。今後この「タイトル」はチームに何をもたらすのだろう。「復活」への道のりはまだ始まったばかりだ。

以上

2005.01.01 Reported by 高木聖佳
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
サッカーのポジション解説
サッカーの試合時間・タイムルール
インテンシティ
オフサイド
ビルドアップ

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第10節
2024年4月27日(土)14:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/04/25(木) 00:00 ハイライト:奈良vs広島【ルヴァンカップ 1stラウンド 2回戦】