11月6日（日）J2 第39節 山形 vs 仙台（14:00KICK OFF/山形県）
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　山形が1-0でしぶとく勝利した第1戦から早半年。2つのスコアレスドローをはさみ、みちのくダービーも今季最後の試合を迎える。

　前回の対戦前の順位は山形が5位、仙台が6位。しかし勝ち点では5差がつき仙台が3位グループから一歩遅れていた。序盤から山形が厳しいプレスで押し込み、後半はシルビーニョにボールが集まりだした仙台が反撃する展開となったが、結果は0-0。勝利のない試合が連続5試合に伸び、フラストレーションが溜まったホーム仙台のスタンドからは、都並監督へ向けた厳しいコールが巻き起こった。

　　しかし、仙台の快進撃が始まったのはその翌節・水戸戦から。バロン、シュウェンクのアベック弾が3試合続き、守っては高桑を中心に連続完封。3位グループの一角に完全に浮上した。その後、鳥栖には足下をすくわれたが、さらに3連勝。仙台は今シーズン、“暫定”がつかない3位を経験していないが、いよいよそこに手が届こうかという勢いだ。

　猫の目のように変わっていたシステムもすっかり固定され、試合運びに安定感が加わったことも大きい。前節・札幌戦はそのシルビーニョと財前を出場停止で欠く中、2度の先制を許す苦しい戦いとなったが、梁の不在で左SHに入った村上の2試合連続弾とバロンの一発で引き分けに持ち込み底力を見せた。3位・甲府が勝ち点2差で前を行くだけに、勝ち点3獲得は仙台が果たすべき目標だ。

　ホーム山形は第4クールに入って1勝1分け3敗と失速、順位を6位まで下げた中でダービーを迎えることになった。特に前々節1-3の札幌戦、前節0-2の湘南戦では積極的な姿勢が見えず、このまま3位グループのステージから弾き出されてもおかしくない戦いぶりだった。ボールを受けるのを怖がるあまり動きが少なくなり、足元へのパスが多くなったことで相手のプレスも受けやすくなった。

　しかし、勝たなければ昇格争いから脱落というポジションまで来たことで、チーム内では危機バネによっていい方向に向かっているようだ。左SB内山の出場停止は次節まで解けないが、チームの精神的な支柱である大塚が中盤に戻ってくることと併せ、まさに自分たちのサッカーをするしかないという意識でチームがまとまっている。いつも以上に気持ちが高まる仙台との対戦は、格好のリスタートの場となる可能性を秘めている。

　もうひとつ、この対戦のポイントを挙げるとすれば、天皇杯4回戦の戦い方とその結果がある。好調・仙台は中2日で行われるダービーのために主力を温存し、0-4と横浜FMにねじ伏せられ、一方の山形は浦和との対戦で1-2と破れたが、ほぼベストメンバーで臨んだ戦いで、本来のアグレッシブさを取り戻している。

　昇格レースが大詰めを迎えている今、こうしたデータは、どちらが有利か不利かと判断する類のものではない。手持ちのカードを生かしきることが勝利へのポイントであり、それができるチームが勝ち点3を得て「強いチーム」として生き残っていく。山形と仙台、生き残りを懸けた注目の一戦は、14時キックオフ。

2005.11.04 Reported by 佐藤　円